最新記事
SDGsパートナー

「サンゴに優しい日焼け止めを作りたい」...海にも肌にも優しい「feel coral サンプロテクト ミルク」がハリウッドで生まれた背景とは?

2023年12月25日(月)11時00分
ニューズウィーク日本版編集部SDGs室 ブランドストーリー

現在の代表取締役CEOである牛山大輔氏は大学時代に海洋学を専攻し、実際に海洋調査船に乗って太平洋の環境汚染問題を研究していた経験もある。その知見を家業である美容業に活かしたいと社内に起案し、すぐに開発が着手されたのだ。

「サンゴに優しい日焼け止めを発売する」という思いはすぐに社内に共有され、商品のコンセプトからエコロジカルなパッケージ素材、そして植物や動物をモチーフにした作品で人気のアーティスト糸川優氏のイラストをパッケージに起用するなど「環境を大切にするOne Planetの一員」という強い思いが、商品化をさらに推し進めた。

「美容業としての利益を求めるだけではなく、使用する資材にもこだわって開発しています。また、社会課題に取り組むイベントや団体には、商品提供の支援をするなど、積極的に賛同して関わるようにすることで、社会課題への関心が横断的に広がることを願っています」と先のSHUJI氏は述べる。

海洋保全への理解が社会で循環していくための試み

newsweek_HW4-20231208.jpg

1950年、麻布霞町のサロン、高等美容学校の前で記念写真。着席前列左から3番目より牛山清人・メイ牛山夫妻。2人が理念としてきた「美容を通じた社会貢献」が今も社内に息づいている。

無事商品化にこぎつけた後の現在もサンゴ礁の専門家である、東海大学の中村雅子准教授を社内勉強会に招くなど海洋環境への理解を社内で深めるだけでなく、鎌倉市など海沿いの街に環境問題の識者を呼んでイベントを開催したり、環境に配慮した活動を行う団体を支援するなど、海洋保全への理解が社会で循環していくための後押しをしているハリウッド。

海洋汚染と聞くと、マイクロプラスチックなどのプラスチックごみが注目されがちだが、私たちが普段から使用している「日焼け止め」が海洋汚染の原因の1つになっていることは実はあまり知られていない。

海洋環境に配慮した商品を生み出すことで、海洋汚染に関する知識を社会に周知し共有していく──。創業からの社の理念「美容を通じた社会貢献」を商品として実直に実現していく取り組みは、社会的価値だけでなく、経済的価値をも同時に追求できることを示す好例と言えるだろう。

【関連記事】
廃棄予定だった酒粕を「プロテイン」にアップサイクル...社会問題を「美容と健康」で解決するハリウッドの好循環

ニューズウィーク日本版 日本時代劇の挑戦
※画像をクリックすると
アマゾンに飛びます

2025年12月9日号(12月2日発売)は「日本時代劇の挑戦」特集。『七人の侍』『座頭市』『SHOGUN』 ……世界が愛した名作とメイド・イン・ジャパンの新時代劇『イクサガミ』/岡田准一 ロングインタビュー

※バックナンバーが読み放題となる定期購読はこちら


あわせて読みたい
ニュース速報

ワールド

トランプ氏、加・メキシコ首脳と貿易巡り会談 W杯抽

ワールド

プーチン氏と米特使の会談「真に友好的」=ロシア大統

ビジネス

ネットフリックス、ワーナー資産買収で合意 720億

ビジネス

米国株式市場=小幅高、利下げ期待で ネトフリの買収
あわせて読みたい
MAGAZINE
特集:日本時代劇の挑戦
特集:日本時代劇の挑戦
2025年12月 9日号(12/ 2発売)

『七人の侍』『座頭市』『SHOGUN』......世界が愛した名作とメイド・イン・ジャパンの新時代劇『イクサガミ』の大志

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    健康長寿の鍵は「慢性炎症」にある...「免疫の掃除」が追いつかなくなっている状態とは?
  • 2
    【クイズ】アルコール依存症の人の割合が「最も高い国」はどこ?
  • 3
    兵士の「戦死」で大儲けする女たち...ロシア社会を揺るがす「ブラックウィドウ」とは?
  • 4
    日本人には「当たり前」? 外国人が富士山で目にした…
  • 5
    「ボタン閉めろ...」元モデルの「密着レギンス×前開…
  • 6
    左手にゴルフクラブを握ったまま、茂みに向かって...…
  • 7
    主食は「放射能」...チェルノブイリ原発事故現場の立…
  • 8
    『羅生門』『七人の侍』『用心棒』――黒澤明はどれだ…
  • 9
    戦争中に青年期を過ごした世代の男性は、終戦時56%…
  • 10
    イスラエル軍幹部が人生を賭けた内部告発...沈黙させ…
  • 1
    100年以上宇宙最大の謎だった「ダークマター」の正体を東大教授が解明? 「人類が見るのは初めて」
  • 2
    戦争中に青年期を過ごした世代の男性は、終戦時56%しか生き残れなかった
  • 3
    7歳の息子に何が? 学校で描いた「自画像」が奇妙すぎた...「心配すべき?」と母親がネットで相談
  • 4
    イスラエル軍幹部が人生を賭けた内部告発...沈黙させ…
  • 5
    健康長寿の鍵は「慢性炎症」にある...「免疫の掃除」…
  • 6
    【銘柄】関電工、きんでんが上昇トレンド一直線...業…
  • 7
    【クイズ】アルコール依存症の人の割合が「最も高い…
  • 8
    人生の忙しさの9割はムダ...ひろゆきが語る「休む勇…
  • 9
    【クイズ】17年連続でトップ...世界で1番「平和な国…
  • 10
    日本酒の蔵元として初の快挙...スコッチの改革に寄与…
  • 1
    東京がニューヨークを上回り「世界最大の経済都市」に...日本からは、もう1都市圏がトップ10入り
  • 2
    一瞬にして「巨大な橋が消えた」...中国・「完成直後」の橋が崩落する瞬間を捉えた「衝撃映像」に広がる疑念
  • 3
    【写真・動画】世界最大のクモの巣
  • 4
    高速で回転しながら「地上に落下」...トルコの軍用輸…
  • 5
    「999段の階段」を落下...中国・自動車メーカーがPR…
  • 6
    まるで老人...ロシア初の「AIヒト型ロボット」がお披…
  • 7
    「髪形がおかしい...」実写版『モアナ』予告編に批判…
  • 8
    膝が痛くても足腰が弱くても、一生ぐんぐん歩けるよ…
  • 9
    インド国産戦闘機に一体何が? ドバイ航空ショーで…
  • 10
    ポルノ依存症になるメカニズムが判明! 絶対やって…
トランプ2.0記事まとめ
Real
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中