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1日1回飲むだけ...肥満治療の次世代薬オルフォグリプロンの効果、副作用は【最新研究】

Daily Pill Promises ‘Significant’ Weight Loss Without Jabs

2025年9月25日(木)15時25分
ハンナ・ミリントン(ヘルス担当記者)

腹囲、中性脂肪などの指標も有意に改善

この二重盲検試験(被験者と評価者の両方がどれがプラセボ〔偽薬〕かを知らない状態で行われる試験)では、糖尿病を持たない肥満患者3127人が、アメリカ、中国、ブラジル、インド、日本、韓国、スペイン、スロバキア、台湾の9カ国・地域で無作為に割り当てられた。

研究チームは、健康的な食事と運動習慣を併用しつつ、オルフォグリプロンを1日1回、6mg、12mg、36mgのいずれかの用量で投与した場合の安全性と有効性を、プラセボ群と比較して72週間にわたって検証した。

体重の平均減少率は、6mg群で7.5%、12mg群で8.4%、36mg群で11.2%に達し、プラセボ群の2.1%を大きく上回った。

36mg群では、体重が10%以上減少した患者が54.6%、15%以上が36%、20%以上が18.4%に上り、プラセボ群ではそれぞれ12.9%、5.9%、2.8%にとどまった。

「オルフォグリプロン投与群では、測定されたすべての心代謝指標がプラセボ群より改善した。10%以上の体重減少は、臨床的に有意な改善と関連する治療目標とされている」と研究者らは述べている。

さらに、腹囲、収縮期血圧、中性脂肪(トリグリセリド)、非HDLコレステロールといった指標も、オルフォグリプロン群で有意に改善が見られた。

副作用によって治療を中断したのは、オルフォグリプロン群で5.3〜10.3%、プラセボ群では2.7%だった。最も多く見られた副作用は消化器系の症状で、研究者らによれば、大半は軽度から中等度であり、GLP-1薬に共通するものだったという。

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