最新記事
BOOKS

博物館や美術館をうまく楽しめない人は...国立民族学博物館に学んだ「わからなさ」こそ展示も人生も楽しむ秘訣【民博特集2/4】

2025年9月29日(月)10時30分
ミンパクチャン
美術館で写真を撮る人たち

博物館に来ても、ついSNS映えばかり意識してしまう/shutterstock

<「わからなさ」こそが、思考を深め、豊かな時間を創ってくれる。すぐに正解を求めてしまう日常に疲れたら...秋は博物館へ行こう>

博物館や美術館に出かけても、「何を見ればいいのかわからない」「どう楽しめばいいのか戸惑ってしまう」という経験をする人は少なくない。しかし、その「わからなさ」や「戸惑い」こそが、博物館を楽しむためのスパイスになる。

ヒントは『変わり者たちの秘密基地 国立民族学博物館』(樫永真佐夫 監修、ミンパクチャン 著、CEメディアハウス)にあった。70年万博の跡地にある世界最大級の民族学・文化人類学の博物館を舞台に、博物館展示のつくり方や、収蔵庫の秘密、「中のひと」である研究者たちの素顔をユーモラスに描く人間ドラマだ。

国立民族学博物館(通称「民博(みんぱく)」に魅せられたルポライターで、同書の著者であるミンパクチャン氏に、民博を例に誰でも取り入れられる博物館の楽しみかたを訊いた。

■文化人類学の聖地「国立民族学博物館」全4回:[1]/[2](本記事)/[3][4]※明日公開

◇ ◇ ◇

未知との遭遇! 正解などわかるはずがない

博物館で感じる覚束なさの正体は、「正しい見かたをしなければならない」という思い込みにあります。初めて見るモノや作品と正面から向き合う。それって「未知との遭遇」なんです。まずはびっくり「なんじゃこりゃー!!!」で当たり前。なんですが、つい「自分は正しく鑑賞できているのだろうか」と正しくあろうとして不安になってしまうんですね。

そんな方にお伝えしたいのが、民博の初代館長・梅棹忠夫さんの言葉です。民族学者で情報学者、今なら一流のイノベーターなんて言われたんじゃないかな。『変わり者たちの秘密基地 国立民族学博物館』に詳しく書きましたが、梅棹さんは、民博創設にあたって、様々な画期的な工夫をしました。たとえば、ミュージアムショップ。これを日本で最初に導入したり、当時としては画期的だった映像アーカイブを設置したりしました。

日本企業
スパイス企業の新戦略...エスビー食品が挑む「食のアップサイクル」とは?
あわせて読みたい
ニュース速報

ビジネス

アイリスオーヤマ、ライフドリンクC株を連日買い増し

ビジネス

中東情勢、5月までに終結なら影響限定 年末株価6万

ビジネス

アドテスト、ユーロ円建てCB1000億円 半導体検

ビジネス

日経平均は急反発、2675円高 中東情勢の早期収束
あわせて読みたい
MAGAZINE
特集:日本企業に迫る サステナビリティ新基準
特集:日本企業に迫る サステナビリティ新基準
2026年4月 7日号(3/31発売)

国際基準の情報開示や多様な認証制度──本当の「持続可能性」が問われる時代へ

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    「根底にあるのは怒り」...日本の「3Dプリンター住宅」企業が救う、ウクライナの未来
  • 2
    攻撃開始日も知っていた?──イラン戦争を巡る巨額取引、インサイダー疑惑が市場に波紋
  • 3
    なぜイスラエルは対イラン戦争を支持するのか...「イラン恐怖」の正体
  • 4
    中国がイラン戦争最大の被害者? 習近平の誤った経…
  • 5
    初の女性カンタベリー大主教が就任...ウィリアム皇太…
  • 6
    年金は何歳からもらうのが得? 男女で違う「最適な受…
  • 7
    北京に代わる新都市構想は絵に描いた餅のまま...大幅…
  • 8
    ロシア経済を支える重要な港、ウクライナのものと思…
  • 9
    「え、なんで?」フライト中に操縦席の窓が覆われて…
  • 10
    韓国・週4.5日労働制が問いかけるもの ──「月曜病」解…
  • 1
    「根底にあるのは怒り」...日本の「3Dプリンター住宅」企業が救う、ウクライナの未来
  • 2
    ヘンリー・メーガン夫妻の豪州訪問に3万6000人超の反対署名...「歓迎してない」の声広がる
  • 3
    「水に流す」日本と「記憶する」韓国...気候と地理が育んだ「国民意識の違い」とは?
  • 4
    記憶を定着させるのに年齢は関係ない...記憶の定着度…
  • 5
    ロシア経済を支える重要な港、ウクライナのものと思…
  • 6
    中国最大の海運会社COSCOがペルシャ湾輸送を再開──緊…
  • 7
    攻撃開始日も知っていた?──イラン戦争を巡る巨額取引…
  • 8
    映画『8番出口』はアメリカでどう受け止められた?..…
  • 9
    作者が「投げ出した」? 『チェンソーマン』の最終…
  • 10
    オランウータンに「15分間ロックオン」された女性のS…
  • 1
    温暖化で増えた? サンマやサケ減少の裏で激増する「安価で栄養価の高い魚」の正体
  • 2
    ロシア政府、痛恨のミス...プーチンの「健康不安説」を裏付けるような動画を公式に投稿してしまう
  • 3
    メーガン妃、娘リリベット王女との新ショット公開...撮影はパパ
  • 4
    「根底にあるのは怒り」...日本の「3Dプリンター住宅…
  • 5
    「ノーと言えるスペイン」の背景に国防意識...次期ス…
  • 6
    キャサリン皇太子妃、ナイジェリア大統領夫妻出迎え…
  • 7
    数時間以内に死に至ることも...若者の間で集団感染が…
  • 8
    「日本より、自分の国(フランス)を心配すれば?」…
  • 9
    日本の若者「韓国就職」憧れと現実のギャップ ── ビ…
  • 10
    米軍も防ぎきれないイランのドローン攻撃──イラン製…
トランプ2.0記事まとめ
Real
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中