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大人に「朝食は不要」だった...健康寿命は「何を食べるか」より「いつ食べるか」次第

2025年8月22日(金)07時40分
ニール・バルジライ (アルバート・アインシュタイン医科大学教授)

また、1日1回食べたラットは他のラットより長いあいだ認知能力が高く、身体機能も衰えなかった。

これらの研究に基づけば、食事の頻度や断食する時間のほうが、カロリー制限より大切だと考えられる。またわたしを含めて多くの人にとっても、そのほうがカロリーを計算するより簡単だ。


全米老年問題研究連盟(AFAR)が支援する調査のおかげで、動物研究での断食効果の新発見が、さまざまな断食プログラムを生むことになった。これらは今、ヒトでも動物と同じように大きな効果があるか試験しているところである。

生物老年学者のヴォルター・ロンゴは、5日間の断食模倣食を年に3〜4回行うことを提案している。

ヴォルターは著書『The Longevity Diet(長寿食)』のなかで、わたしたちが食べるものは細胞レベルで影響を与えると説いている。

すべての細胞には栄養素センサーがあり、これは食べたものによって何百という遺伝子のスイッチをオン・オフできる。栄養素のなかには他の栄養素よりこのセンサーを強く作動させるものがある。

そこでヴォルターはセンサーを作動させない食品による食事療法を編みだした。このようにして断食を模倣した食事は、マウスでは糖尿病の改善に成功した。

もうひとりのライフスタイル指導者で、わたしの友人のピーター・アッティア医師はゼロ断食、つまり、ほぼノーカロリーで7日間の断食を年4回行っている。

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