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大人に「朝食は不要」だった...健康寿命は「何を食べるか」より「いつ食べるか」次第

2025年8月22日(金)07時40分
ニール・バルジライ (アルバート・アインシュタイン医科大学教授)

またインスリン値が下がっているあいだ、体は貯蔵脂肪を利用し、脂肪が血流内に放出される。

この脂肪が肝臓まで届くと、「ケトン」というエネルギー分子に変わり、これのおかげで体はストレスに耐えられるらしい。


高ケトン食がヒトにどう影響するかについての科学的データはあまりないが、動物では寿命を延ばすことがわかっている。

わたしたちはまた、心血管の健康、血圧、LDL(悪玉)コレステロール、中性脂肪、インスリン感受性に対するケトンの効果についても研究している。断食のヒトへの有効性を研究するなかで、ケトンは大きな役割を果たすかもしれない。

だれにでも適用できるわけではないが、アルバート・アインシュタイン医科大学でのカロリー制限の実験でわかったことによれば、毎日断食するのが一般的にもっとも効果があると考えられる。

当初わたしたちは、目にしているプラス効果、つまり動物の健康寿命が延びたり、寿命の中央値や最高寿命が非常に延びたりするのは、カロリー制限によるものだと思っていた。

ところが、動物にエサを与えていたのが1日1回だったので、この効果はカロリー制限より断食によるものだと気づいたのだ!

また最近の研究では、限られたカロリーを一日中食べていたカロリー制限ラットと、その全カロリーを朝に食べたカロリー制限ラットは同じようにやせていたが、一日中食べていたラットのほうは長生きしなかった。

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