最新記事
メンタルヘルス

「長女の苦しみ」は大人になってからも...心理学者が教える「長女症候群」からの抜け出し方

The Eldest Daughter Effect: Psychologist Explains Reason Behind Key Trait

2025年8月12日(火)19時26分
ルーシー・ノタラントニオ

もし、長女が「休む」ことを許されたら

スミスは、もし長女たちが「受け継いだ重荷」を手放すことができたなら、何が変わるのかについて希望を込めて語っている。義務感を下ろし、明確な境界線を引き、休む自由を認められ、信頼できるパートナーやコミュニティ、そして「本当の自分」を見てくれる人たちに支えられたなら──。

そうした条件がそろえば、長女たちはようやく心からの休息を得られるはずだと彼女は言う。

「休息は、次の世代への"モデル"として不可欠。創造性や好奇心、遊び心といったものは、本来子ども時代に育まれるもの。でも長女たちは"親役"にされたことで、その機会を奪われてきた」

この連鎖を断ち切るためには、女性たちが自らの内側にある抑圧の構造に気づき、それを解体していく必要があるとスミスは説く。

「女性を"労働力"としてしか見ない構造を壊していくこと。そして、"何をするか"ではなく"どんな存在か"を見つめ合える女性同士のコミュニティの中で、自分自身を大切に育てていくこと。それが、休息と回復への第一歩になる」

ブラウンは、ポッドキャスト『The Longest Day』のホストを務めながら、5年以上にわたってカウンセリングと高パフォーマンス・コーチングを受けてきた経験を持つ。

「私は"休めない自分"を欠点と見るのをやめた。それを正しく使えば"力"になると気づいた。私の癒しは、痛みが現れるのを許し、それを見つめ、名前をつけ、手放すというプロセスから始まった」

あわせて読みたい
ニュース速報

ビジネス

アサヒGHD、ランサムウエアの攻撃を確認 システム

ワールド

仏首相、予算案巡り特別権限行使を否定 合意責任を議

ビジネス

安川電機、今期の営業益予想を上方修正 米関税コスト

ワールド

バルト海ケーブル切断、フィンランドに法的管轄権なし
あわせて読みたい
MAGAZINE
特集:2025年の大谷翔平 二刀流の奇跡
特集:2025年の大谷翔平 二刀流の奇跡
2025年10月 7日号(9/30発売)

投手復帰のシーズンもプレーオフに進出。二刀流の復活劇をアメリカはどう見たか

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    「大谷翔平の唯一の欠点は...」ドジャース・ロバーツ監督が明かすプレーオフ戦略、監督の意外な「日本的な一面」とは?
  • 2
    バフェット指数が異常値──アメリカ株に「数世代で最悪」の下落リスク
  • 3
    「日本の高齢化率は世界2位」→ダントツの1位は超意外な国だった!
  • 4
    「人類の起源」の定説が覆る大発見...100万年前の頭…
  • 5
    MITの地球化学者の研究により「地球初の動物」が判明…
  • 6
    イスラエルのおぞましい野望「ガザ再編」は「1本の論…
  • 7
    「元は恐竜だったのにね...」行動が「完全に人間化」…
  • 8
    女性兵士、花魁、ふんどし男......中国映画「731」が…
  • 9
    1日1000人が「ミリオネア」に...でも豪邸もヨットも…
  • 10
    【クイズ】1位はアメリカ...世界で2番目に「航空機・…
  • 1
    「大谷翔平の唯一の欠点は...」ドジャース・ロバーツ監督が明かすプレーオフ戦略、監督の意外な「日本的な一面」とは?
  • 2
    「日本の高齢化率は世界2位」→ダントツの1位は超意外な国だった!
  • 3
    トイレの外に「覗き魔」がいる...娘の訴えに家を飛び出した父親が見つけた「犯人の正体」にSNS爆笑
  • 4
    ウクライナにドローンを送り込むのはロシアだけでは…
  • 5
    iPhone 17は「すぐ傷つく」...世界中で相次ぐ苦情、A…
  • 6
    こんな場面は子連れ客に気をつかうべき! 母親が「怒…
  • 7
    バフェット指数が異常値──アメリカ株に「数世代で最…
  • 8
    【クイズ】世界で1番「がん」になる人の割合が高い国…
  • 9
    高校アメフトの試合中に「あまりに悪質なプレー」...…
  • 10
    虫刺されに見える? 足首の「謎の灰色の傷」の中から…
  • 1
    「4針ですかね、縫いました」日本の若者を食い物にする「豪ワーホリのリアル」...アジア出身者を意図的にターゲットに
  • 2
    【クイズ】世界で唯一「蚊のいない国」はどこ?
  • 3
    「最悪」「悪夢だ」 飛行機内で眠っていた女性が撮影...目覚めた時の「信じがたい光景」に驚きの声
  • 4
    「中野サンプラザ再開発」の計画断念、「考えてみれ…
  • 5
    カミラ王妃のキャサリン妃への「いら立ち」が話題に.…
  • 6
    【クイズ】次のうち、飲むと「蚊に刺されやすくなる…
  • 7
    「我々は嘘をつかれている...」UFOらしき物体にミサ…
  • 8
    「大谷翔平の唯一の欠点は...」ドジャース・ロバーツ…
  • 9
    科学が解き明かす「長寿の謎」...100歳まで生きる人…
  • 10
    「怖すぎる」「速く走って!」夜中に一人ランニング…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中