最新記事
健康

私の「舌」を見た医師は、すぐ「癌」を疑った...「口の中」を公開した女性、命を救ったものとは?

'I Thought I Bit My Tongue—Then Came the Shock Diagnosis'

2025年4月26日(土)12時41分
ルーシー・ノタラントニオ

専門医は私の舌を見ただけで癌だと分かっていた

スチューに言われなかったら、病院に行くこともなかっただろう。しかし、古いことわざにもあるように、後で後悔するより安全策を取ったほうがいい。病院では、栄養素などの欠乏がみられないかどうかを検査するということで、血液を採取された。その後、私たちはエジプトへと旅立ったが、滞在中、私の舌は何の問題もなかった。

私は心配性ではない。だから、もしかすると口内炎が実は悪性の何かかもしれない......などという考えが頭をよぎることはなかった。イギリスに帰国して、空港でスマートフォンを開き、メールを確認するまでは。

帰国してから1週間後に、生検組織診断を受けた。しかし専門医は、私の舌を見ただけで癌だと分かっていた。そのころには、舌にできた潰瘍は周囲が盛り上がり、クレーターのようになっていた。生検の翌週に、舌癌の一種である扁平上皮癌(SCC)という診断が下った。

私は腫瘍専門医に、「原因は何ですか?」とたずねた。お酒は飲まないし、運動も週に6回していた。タバコも20年以上吸っていない。腫瘍専門医は、癌は人を選ばず、誰でもなりうるものだと答えた。

6日後、私は12時間に及ぶ過酷な手術を受け、舌にできた癌を摘出してもらった。手術では、私の腕から採取した組織と血管を使って、舌弁が再建された。そのかわり、脚から採取した皮膚が、腕に移植された。転移の有無を調べるために、首のリンパ節38個で生検が行われた。

あわせて読みたい
ニュース速報

ワールド

訂正-原油先物小幅に上昇、サウジの増産観測で前日は

ビジネス

テスラ取締役会、マスク氏の後継CEO探し開始=WS

ワールド

韓国の4月輸出、減少予想に反して前年比3.7%増 

ビジネス

米財務省、今後数四半期の国債発行額据え置きへ ガイ
あわせて読みたい
MAGAZINE
特集:英語で学ぶ 国際ニュース超入門
特集:英語で学ぶ 国際ニュース超入門
2025年5月 6日/2025年5月13日号(4/30発売)

「ゼロから分かる」各国・地域情勢の超解説と時事英語

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    マリフアナを合法化した末路とは? 「バラ色の未来が来るはずだったのに...」
  • 2
    タイタニック生存者が残した「不気味な手紙」...何が書かれていた?
  • 3
    日本の未婚男性の「不幸感」は他国と比べて特異的に高く、女性では反対に既婚の方が高い
  • 4
    ポンペイ遺跡で見つかった「浴場」には、テルマエ・…
  • 5
    中国で「ネズミ人間」が増殖中...その驚きの正体とは…
  • 6
    日本旅行が世界を魅了する本当の理由は「円安」では…
  • 7
    インド北部の「虐殺」が全面「核戦争」に発展するか…
  • 8
    クルミで「大腸がんリスク」が大幅に下がる可能性...…
  • 9
    日本史上初めての中国人の大量移住が始まる
  • 10
    中居正広事件は「ポジティブ」な空気が生んだ...誰も…
  • 1
    日本史上初めての中国人の大量移住が始まる
  • 2
    日本旅行が世界を魅了する本当の理由は「円安」ではない
  • 3
    MRI検査で体内に「有害金属」が残留する可能性【最新研究】
  • 4
    中国で「ネズミ人間」が増殖中...その驚きの正体とは…
  • 5
    ロシア国内エラブガの軍事工場にウクライナが「ドロ…
  • 6
    パニック発作の原因の多くは「ガス」だった...「ビタ…
  • 7
    使うほど脱炭素に貢献?...日建ハウジングシステムが…
  • 8
    私の「舌」を見た医師は、すぐ「癌」を疑った...「口…
  • 9
    健康寿命は延ばせる...認知症「14のリスク要因」とは…
  • 10
    ポンペイ遺跡で見つかった「浴場」には、テルマエ・…
  • 1
    【話題の写真】高速列車で前席のカップルが「最悪の行為」に及ぶ...インド人男性の撮影した「衝撃写真」にネット震撼【画像】
  • 2
    日本史上初めての中国人の大量移住が始まる
  • 3
    日本旅行が世界を魅了する本当の理由は「円安」ではない
  • 4
    健康寿命を伸ばすカギは「人体最大の器官」にあった.…
  • 5
    【心が疲れたとき】メンタルが一瞬で “最…
  • 6
    間食はなぜ「ナッツ一択」なのか?...がん・心疾患・抜…
  • 7
    北朝鮮兵の親たち、息子の「ロシア送り」を阻止する…
  • 8
    中居正広は何をしたのか? 真相を知るためにできる…
  • 9
    【クイズ】世界で最も「半導体の工場」が多い国どこ…
  • 10
    自らの醜悪さを晒すだけ...ジブリ風AIイラストに「大…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中