MRI検査で体内に「有害金属」が残留する可能性【最新研究】
Scientists Find MRI Scans Could Leave Toxic Metal Behind in Your Body
シュウ酸が造影剤から微量のガドリニウムを析出させ、ナノ粒子を形成し、複数の臓器の細胞に浸潤することが実験で確認された。ワグナー教授は次のように述べる。
「金属の反応性を考慮すると、MRI検査を受ける際には、ビタミンCは摂取しないほうがよいでしょう」
また、人それぞれの「代謝環境(metabolic milieu)」によって、ナノ粒子の形成傾向が異なることについても指摘。一部の人に深刻な症状が出るのは、ガドリニウムと結合しやすい体質が影響している可能性を指摘する。
ガドリニウムが体内に残っていた患者のうち、約半数は造影剤を一度しか投与されていなかったことが本研究で判明している。
異物である金属ナノ粒子に細胞が反応し、体全体に危険信号を送っているなど、何らかの要因が反応を増幅させている可能性を示唆しており、その仕組みの一端を解明する糸口になるとみている。
現在、ワグナー教授の研究チームは造影剤のリスクを高めている要因を特定するため、血液、尿、爪、毛髪サンプルを用いて、ガドリニウムの蓄積を検証するための国際的なデータベースの構築を進めている。
【参考文献】
Henderson, I. M., Benevidez, A. D., Mowry, C. D., Watt, J., Bachand, G. D., Kirk, M. L., Dokładny, K., DeAguero, J., Escobar, G. P., & Wagner, B. (2025). Precipitation of gadolinium from magnetic resonance imaging contrast agents may be the Brass tacks of toxicity. Magnetic Resonance Imaging, 119.

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