突然の痛風、原因は「贅沢」とは無縁の生活だった...スポーツ好きの48歳カメラマンが体験した尿酸値との格闘

突然の激痛、原因は「贅沢」とは無縁の生活だった...スポーツ好きの48歳カメラマンが体験した尿酸値との格闘

jazz3311 -shutterstock-

<お酒は控えめ、体重も20年間変わらず。それでも48歳の男性はある日突然、激痛に襲われた。「まるで骨が折れたようだった」と語る彼を痛風へと導いたのは、日常に潜む「ある食習慣」だった――>

ほとんどの人にとって「自分とは無縁の贅沢病」と思われている痛風。発症したら想像を超える痛さだと聞いても、未然に防ごうとはなかなか思えない。

仕事柄、贅沢もせず、同世代よりも健康的に暮らしていると思っていたフリーランスのカメラマンが、昨夏、痛風を発症してから、元の食生活に戻れるまでの体験記をお届けする──。

痛みはある日突然に

去年の夏、痛風の発作に悶絶した。その痛みは突然やってきて、僕の左足の小指側の付け根に1週間悪魔的に居座り、7日目の朝、激痛のわりにあっさりと去っていった。痛みの出た患部に黒い斑紋のようなしこりだけを残して。


贅沢病とよく言われる「痛風」は、自分とは全く無関係だと思って47年間を生きてきた。まず贅沢そのものをしていないし、お酒も好きで嗜むが、そもそも強い方ではない。

魚河岸で仲買業の商いをしていた父親はよく言っていた。

「痛風って本当に痛いらしいぞ。風が吹くだけで痛いって書くんだから」と。

寿司屋やら、料亭やら、親父の交友関係は、商売柄「贅沢な食事」を提供している人が多く、周りには痛風持ちが多かったのかもしれない。でも今思うと、父親は「痛風は本当に痛いらしいぞ」と、自分への戒めで言っていたのかもしれない。

なぜなら、これは痛風発症後に知ったことであるが、どうやら僕自身「痛風家系」であることが疑われる。その証拠に父方のおじさんも、常日頃、痛風の薬を服用しているらしい。

始まりは「どこかで強打したかな?」

痛風の発作に襲われた日、朝から何となく左の小指の付け根に違和感を覚えていた。あれ、どこかで足を強打したかな? と思ったくらいで仕事に出かけた。自覚症状といったものは全くなく、痛風そのものは何の前触れもなくやってくるのだ。

痛みはだんだん時間と共に耐えられないほどになった。仕事場で仕事をしながら、午後にはもはや立っていられなくなり、靴を脱ぐと足がだいぶ赤く腫れ始めていて、その段階で旧知の整形外科に急いで電話した。

「すみません。レントゲンを撮影してほしいんですが。どこかで足をぶつけて、骨にヒビが入ってしまったみたいなんです。骨が折れていないといいのですが」と。

冗談みたいな話だが、痛風の発作(発症時の激痛のこと)時の痛みを、この逸話はよく表していると思う。本気で骨に異常があると思っていた。どこでぶつけたかは覚えていない。でもきっと寝ている間にでも、どこかに打ちつけたのかもしれない。痛みの質は違うけれど、こんなジンジンとする痛みは骨折以外で経験したことがないからだ。

あわせて読みたい
ニュース速報

ビジネス

米小売売上高、5月ー0.9%で予想以上の減少 コア

ビジネス

日産、3代目「リーフ」を米で今秋発売 航続距離など

ワールド

ロシア安保高官が今月2回目の訪朝、金総書記と会談 

ビジネス

アングル:日銀、経済下押しの程度を注視 年内利上げ
あわせて読みたい
MAGAZINE
特集:コメ高騰の真犯人
特集:コメ高騰の真犯人
2025年6月24日号(6/17発売)

なぜ米価は突然上がり、これからどうなるのか? コメ高騰の原因と「犯人」を探る

メールマガジンのご登録はこちらから。
メールアドレス

ご登録は会員規約に同意するものと見なします。

人気ランキング
  • 1
    庭にクマ出没、固唾を呑んで見守る家主、そして次の瞬間...「信じられない行動」にネット驚愕
  • 2
    気温40℃、空港の「暑さ」も原因に?...元パイロットが指摘する、墜落したインド航空機の問題点
  • 3
    大阪万博は特に外国人の評判が最悪...「デジタル化未満」の残念ジャパンの見本市だ
  • 4
    「セレブのショーはもう終わり」...環境活動家グレタ…
  • 5
    ブラッド・ピット新髪型を「かわいい」「史上最高に…
  • 6
    「サイドミラー1つ作れない」レアアース危機・第3波で…
  • 7
    ファスティングをすると、なぜ空腹を感じなくなるの…
  • 8
    「タンパク質」より「食物繊維」がなぜ重要なのか?.…
  • 9
    右肩の痛みが告げた「ステージ4」からの生還...「生…
  • 10
    アメリカは革命前夜の臨界状態、余剰になった高学歴…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中