最新記事

インタビュー

『あなたのセックスによろしく』著者に聞く、フランスのタブー、身体のこと、驚きだった部位の構造

2021年6月11日(金)16時20分
madame FIGARO編集部 ※madame FIGARO.jpより転載

最初の一歩を踏み出すためには、まず、このステップが誰にとっても動揺を伴うものだと知っておきましょう。セックスに関することであろうと、ほかのことであろうと、新しいことを始めるのは難しいものです。私からのアドバイスは、自分に合ったリズムで始めることです。相手を喜ばせるためや、他人と同じようにするために自分にプレッシャーをかけないこと。そして、自分の望み、迷い、リミット、必要なことなどをパートナーに言葉で伝えることです。これもまた、難しく感じる人もいると思いますが、一度やってしまえば、いいことばかりです。保証しますよ。

――社会には男女不平等やセクシュアリティについての無理解がまだあり、セックスについて語るのもタブーです。私たちひとりひとりがこの状況を進化させるためにできるアクションは何だと思われますか?

まず、中学や高校での性教育の充実のために政府がもっと予算を投じるべき時だ、と考えています。

それから、個人的なレベルでは、セックスについて、直面する問題や好みの方法について、友だち同士やパートナー同士でもう少し話し合うことができると思います。言葉を分かち合うことで、素晴らしい議論が生まれる。なぜなら、疑いや疑問に直面しているのは自分だけではない、とすぐにわかるからです。

そして、繰り返しになりますが、自分の身体と、身体が送ってくるサインを信頼することです。たとえば挿入で苦痛を感じる時などは、挿入にこだわる理由は一切ありません。プレッシャーが大きくて勃起が難しい。ならば幸いなことに、手や口があるのだから、これを駆使して、ペニスよりもずっと大きな無限の可能性を試せばいい。そして、セックスをしたくない時は、そう言いましょう。

こんなふうに言うと当たり前みたいに聞こえますが、この社会において、私たちは自分の直感を信じること、自分のライフスタイルを直感に従って適応させることを学んでいないのです。

――あなたの次のチャレンジは何ですか?

私の野望は、カーマスートラ(注:古代インドの性愛経典)の競合になり、世界中の家庭に私の本が置かれることです。ははは!

もっと地に足のついたお答えをすれば、より若い世代に向けたセクシャリティについての本を書くことでしょうか。まずはそれから始めたいと思います。

ジュン・プラ Jüne Plã
マルセイユ出身。オンラインゲームのキャラクターデザイナーとして活動しながら、2018年より、インスタグラム@jouissance.clubにて、セクシャリティを限定しないシンプルなイラストでのセックスに関する創造的なティップスの発信をスタート。そのフォロワーは2021年5月現在で85万人に増え、11カ国語で書籍化に。


あなたのセックスによろしく
 ――快楽へ導く挿入以外の140の技法ガイド』
 ジュン・プラ 著
 高橋幸子 医療監修
 吉田良子 訳
 CCCメディアハウス

(※画像をクリックするとアマゾンに飛びます)

今、あなたにオススメ

関連ワード

ニュース速報

ワールド

仏航空管制官がスト、旅行シーズンに数百便が欠航

ワールド

ウクライナ・米首脳が4日に電話会談、兵器供給停止が

ワールド

インドネシア、340億ドルの対米投資・輸入合意へ 

ワールド

ベトナム、対米貿易協定「企業に希望と期待」 正式条
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:トランプvsイラン
特集:トランプvsイラン
2025年7月 8日号(7/ 1発売)

「平和主義者」のはずの大統領がなぜ? 核施設への電撃攻撃で中東と世界はこう変わる

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    ディズニー・クルーズラインで「子供が海に転落」...父親も飛び込み大惨事に、一体何が起きたのか?
  • 2
    「やらかした顔」がすべてを物語る...反省中のワンコに1400万人が注目
  • 3
    ワニに襲われた直後の「現場映像」に緊張走る...捜索隊が発見した「衝撃の痕跡」
  • 4
    ワニに襲われた男性の「最期の姿」...捜索隊が捉えた…
  • 5
    米軍が「米本土への前例なき脅威」と呼ぶ中国「ロケ…
  • 6
    吉野家がぶちあげた「ラーメンで世界一」は茨の道だ…
  • 7
    【クイズ】「宗教を捨てる人」が最も多い宗教はどれ?
  • 8
    燃え盛るロシアの「黒海艦隊」...ウクライナの攻撃で…
  • 9
    「22歳のド素人」がテロ対策トップに...アメリカが「…
  • 10
    熱中症対策の決定打が、どうして日本では普及しない…
  • 1
    燃え盛るロシアの「黒海艦隊」...ウクライナの攻撃で大爆発「沈みゆく姿」を捉えた映像が話題に
  • 2
    ワニに襲われた男性の「最期の姿」...捜索隊が捉えた発見の瞬間とは
  • 3
    イランを奇襲した米B2ステルス機の謎...搭乗した専門家が語る戦略爆撃機の「内側」と「実力」
  • 4
    突然ワニに襲われ、水中へ...男性が突いた「ワニの急…
  • 5
    ディズニー・クルーズラインで「子供が海に転落」...…
  • 6
    夜道を「ニワトリが歩いている?」近付いて撮影して…
  • 7
    仕事ができる人の話の聞き方。3位は「メモをとる」。…
  • 8
    サブリナ・カーペンター、扇情的な衣装で「男性に奉…
  • 9
    定年後に「やらなくていいこと」5選──お金・人間関係…
  • 10
    「コーヒーを吹き出すかと...」ディズニーランドの朝…
  • 1
    日本の「プラごみ」で揚げる豆腐が、重大な健康被害と環境汚染を引き起こしている
  • 2
    「コーヒーを吹き出すかと...」ディズニーランドの朝食が「高額すぎる」とSNSで大炎上、その「衝撃の値段」とは?
  • 3
    「あまりに愚か...」国立公園で注意を無視して「予測不能な大型動物」に近づく幼児連れ 「ショッキング」と映像が話題に
  • 4
    一瞬にして村全体が消えた...スイスのビルヒ氷河崩壊…
  • 5
    妊娠8カ月の女性を襲ったワニ...妊婦が消えた川辺の…
  • 6
    庭にクマ出没、固唾を呑んで見守る家主、そして次の…
  • 7
    10歳少女がサメに襲われ、手をほぼ食いちぎられる事…
  • 8
    JA・卸売業者が黒幕説は「完全な誤解」...進次郎の「…
  • 9
    「ママ...!」2カ月ぶりの再会に駆け寄る13歳ラブラ…
  • 10
    気温40℃、空港の「暑さ」も原因に?...元パイロット…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中