最新記事

育児

父親の育休取得9割のスウェーデンに学ぶ「イクメン」ライフスタイルとは?

2020年3月24日(火)11時00分

自分たちのライフスタイルに合わせて育休を取得する

現在、スウェーデンでは共働きの家庭が多く、家事・育児の分担も夫婦平等。男女ともに労働時間は短く残業がほとんどないため、平日は早く帰宅するのが一般的だ。そこで注目されるのが480日の育休の取り方。単純に男性が90日、女性が390日取得するわけではなく、男女ぞれぞれのキャリアプランなどの要因を考慮し、復職するタイミングを計って育休を取得するパターンが多いという。つまり、どの時期にどれくらいの期間にすれば、世帯収入を最大化できるかを考えて取得するのである。

一方で480日のうち384日は子どもが4歳になるまで、残りの96日は 子どもが12歳になるまで取得できるため、家族間の絆を強めるための育休の取り方もある。将来的に、このような制度が日本に導入されるとしたら、スウェーデンの人たちの育休の取り方は大いに参考になるだろう。

大切なのは辛いことに向き合うのではなく、ハッピーな時間を増やすこと

newsweek_20200310_sub.jpg

スウェーデン発祥のバウンサーは「イクメン」生活をサポートしてくれるアイテム。開発したベビービョルン社の製品は日本でも愛用者が多い。

育休先進国のスウェーデンだが、育児そのものに関する悩みや苦労は日本とそれほど変わることはない。例えばスウェーデンでは母乳志向が強いため、育児で最も手間がかかる1歳までの時期はどうしても女性が育休を取得することになる。

一方で、育児に対する考え方は日本と大きく異なり、辛いと感じているときにその辛いことに対して何か対処するのではなく、それ以外のハッピーな時間をできるだけ増やそうという考え方を重視するという。例えば、たまにはデイケアに子どもを預けて夫婦で食事や映画を楽しむなど、すべてを育児に費やすのではなく、自分たちの夫婦の時間をつくってバランスを取るのだ。

そして、そういったときにはバウンサーと呼ばれる育児用品などをうまく活用するという。バウンサーとは1961年にスウェーデンのベビービョルン社が開発したもので、赤ちゃんを優しく揺らすことでリラックスさせる効果があるというもの。もともとは赤ちゃんをおとなしくさせるためのものなのだが、赤ちゃんが一人で過ごすことで、両親が子育て以外の時間をつくってリフレッシュするためにも使われる。つまり男性、女性が自分らしくあり続けるためのツールとしての側面ももち合わせている。

日本でこのような育休を過ごせるようになるには、まだまだ時間がかかるだろう。しかし、充実した育休制度が普及し、男性の育休取得率が向上した際には、育児期においてどうやって自分らしく働き、遊び、楽しむかが問われるに違いない。そのときは、二歩も三歩も先を行くスウェーデンの事例は大いに参考になるはずだ。

今、あなたにオススメ

関連ワード

ニュース速報

ビジネス

アングル:「AIよ、うちの商品に注目して」、変わる

ワールド

エアバス、A320系6000機のソフト改修指示 A

ビジネス

ANA、国内線65便欠航で約9400人に影響 エア

ワールド

アングル:平等支えるノルウェー式富裕税、富豪流出で
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:ガザの叫びを聞け
特集:ガザの叫びを聞け
2025年12月 2日号(11/26発売)

「天井なき監獄」を生きるパレスチナ自治区ガザの若者たちが世界に向けて発信した10年の記録

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    7歳の息子に何が? 学校で描いた「自画像」が奇妙すぎた...「心配すべき?」と母親がネットで相談
  • 2
    100年以上宇宙最大の謎だった「ダークマター」の正体を東大教授が解明? 「人類が見るのは初めて」
  • 3
    128人死亡、200人以上行方不明...香港最悪の火災現場の全貌を米企業が「宇宙から」明らかに
  • 4
    【クイズ】世界遺産が「最も多い国」はどこ?
  • 5
    【寝耳に水】ヘンリー王子&メーガン妃が「大焦り」…
  • 6
    子どもより高齢者を優遇する政府...世代間格差は5倍…
  • 7
    「攻めの一着すぎ?」 国歌パフォーマンスの「強めコ…
  • 8
    【最先端戦闘機】ミラージュ、F16、グリペン、ラファ…
  • 9
    エプスタイン事件をどうしても隠蔽したいトランプを…
  • 10
    メーガン妃の「お尻」に手を伸ばすヘンリー王子、注…
  • 1
    インド国産戦闘機に一体何が? ドバイ航空ショーで墜落事故、浮き彫りになるインド空軍の課題
  • 2
    膝が痛くても足腰が弱くても、一生ぐんぐん歩けるようになる!筋トレよりもずっと効果的な「たった30秒の体操」〈注目記事〉
  • 3
    マムダニの次は「この男」?...イケメンすぎる「ケネディの孫」の出馬にSNS熱狂、「顔以外も完璧」との声
  • 4
    海外の空港でトイレに入った女性が見た、驚きの「ナ…
  • 5
    ポルノ依存症になるメカニズムが判明! 絶対やって…
  • 6
    【最先端戦闘機】ミラージュ、F16、グリペン、ラファ…
  • 7
    7歳の息子に何が? 学校で描いた「自画像」が奇妙す…
  • 8
    老後資金は「ためる」より「使う」へ──50代からの後…
  • 9
    AIの浸透で「ブルーカラー」の賃金が上がり、「ホワ…
  • 10
    「髪形がおかしい...」実写版『モアナ』予告編に批判…
  • 1
    【クイズ】本州で唯一「クマが生息していない県」はどこ?
  • 2
    東京がニューヨークを上回り「世界最大の経済都市」に...日本からは、もう1都市圏がトップ10入り
  • 3
    一瞬にして「巨大な橋が消えた」...中国・「完成直後」の橋が崩落する瞬間を捉えた「衝撃映像」に広がる疑念
  • 4
    「不気味すぎる...」カップルの写真に映り込んだ「謎…
  • 5
    【写真・動画】世界最大のクモの巣
  • 6
    高速で回転しながら「地上に落下」...トルコの軍用輸…
  • 7
    「999段の階段」を落下...中国・自動車メーカーがPR…
  • 8
    【クイズ】クマ被害が相次ぐが...「熊害」の正しい読…
  • 9
    まるで老人...ロシア初の「AIヒト型ロボット」がお披…
  • 10
    「髪形がおかしい...」実写版『モアナ』予告編に批判…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中