金を爆買いする中国のアメリカ離れ
Why Is China Buying So Much Gold?

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<金価格が急騰する中、中国がますます買いを加速している。背景には、世界に先駆けアメリカへの依存脱却を急ぐ狙いがある。トランプは「アメリカ孤立」への引き金を引いてしまったのか>
金価格がこの数週間で急騰している。経済と地政学の不安定化が進むなか、安全資産としての金に対する関心が再燃していることが背景にある。
この価格上昇を牽引しているのはアジア市場、特に中国だと専門家は指摘する。民間と政府の双方で金への信頼が高まり、長期的なリスク回避手段として買いが加速しているという。
先週初め、金価格は史上初めて1オンスあたり3500ドル(1ドル=155円換算で1グラム約1万7400円)を突破。その後やや下落して現在は3300ドル台前半となっているが、それでも前年同時期比で約40%高い水準だ。2025年末の到達を予想していたアナリストの見通しをすでに上回っている。
金取引プラットフォーム「ブリオンボールト」の調査責任者エイドリアン・アッシュは、今回の上昇について「中国の民間トレーダーによる大量取引が主因」と分析。上海黄金交易所と上海先物取引所では、取引量が急増しているという。