金を爆買いする中国のアメリカ離れ
Why Is China Buying So Much Gold?
「ワールド・ゴールド・カウンシル」のチーフマーケットストラテジスト、ジョセフ・カバトーニも「不安定な状況下でリスク回避を目指す動きが世界中で広がっている」と語る。中国人民銀行による金購入は「過去最多レベル」に達しており、表に出ている資金流入だけでも記録的な規模だという。
カバトーニによれば、中国は過去15年間にわたって官民一体で金を買い増してきたが、トランプ大統領の2期目が始まって以降、その動きは一層顕著になった。
アメリカが主導する貿易秩序の再構築において、中国は中心的な標的とされており、90日間の相互関税猶予の適用対象外とされ、アメリカへの輸出品に対し145%の関税が課されている。
アッシュは「金価格を単純に地政学的緊張のバロメーターとするのは危うい」としながらも、中国がアメリカの政策リスクに備え、自国の経済主権を確保しようとする姿勢は明白だと述べている。