エヌビディアやソフト大手の決算、AI相場の次の試金石に=今週の米株式市場
23日から始まる週の米株式市場は、人工知能(AI)関連の懸念で揺れる中、半導体大手エヌビディアの決算が最大の焦点となる。米連邦最高裁がトランプ大統領の広範な関税措置を違法と判断したことも、市場の不透明要因としてくすぶる。写真はニューヨーク証券取引所で働くトレーダー。2025年10月撮影(2025年 ロイター/Jeenah Moon)
[ニューヨーク 20日 ロイター] - 23日から始まる週の米株式市場は、人工知能(AI)関連の懸念で揺れる中、半導体大手エヌビディアの決算が最大の焦点となる。米連邦最高裁がトランプ大統領の広範な関税措置を違法と判断したことも、市場の不透明要因としてくすぶる。
最高裁はトランプ氏の関税措置を無効と判断。発表直後は株価と米国債利回りが上昇したが、政権が今後どのような形で関税を再構築するのか、訴訟対応や還付問題をどう処理するのかを巡り、投資家は不確実性に直面している。
こうした中、23日から始まる週はテクノロジー企業の四半期決算が相次ぐ。AIが事業モデルを揺るがすとの懸念にさらされているソフトウエア企業の動向も注目される。
エヌビディアは25日に決算を発表する。同社は時価総額で世界最大の企業。大型ハイテク株は2026年入り後に不安定な滑り出しとなっており、過去数年にわたり相場をけん引してきた主要指数の重荷となっている。
AI向けの大規模クラウド事業者(ハイパースケーラー)はデータセンターなどインフラ整備に向け設備投資を拡大する計画を示しており、エヌビディア製品の需要拡大が見込まれる。
資産運用会社エンパワーのチーフ投資ストラテジスト、マルタ・ノートン氏は「ここ数年、エヌビディアが市場予想を大きく上回るとの期待は根強い」と指摘。「誰もがサプライズを予想しているため、逆に驚きを演出するのは難しい」と話した。
S&P総合500種指数は年初来で0.2%高にとどまる。一方、ソフトウエアやウエルスマネジメント、不動産サービスなど一部業種は、AIによる業界再編への懸念から大きく売られている。
<エヌビディア、業績見通しとCEO発言に注目>
エヌビディア株は22年後半から昨年末までに1500%超上昇。今年はこれまでに約0.8%高と伸び悩む。「マグニフィセント・セブン」と呼ばれる他の大型株も軟調で、マイクロソフトは年初来で17%超安、アマゾン・ドット・コムも11%安となっている。
エヌビディアはS&P500種指数でのウエートが7.8%と高く、単独で指数動向に大きな影響を与える。
LSEG集計によると、同社の第4・四半期(25年11月─26年1月)は1株利益が前年同期比71%増、売上高は659億ドルが見込まれている。通期(26年2月─27年1月)の1株利益予想は平均7.76ドルと、66%増。ただし予想レンジは6.28ドルから9.68ドルまで幅が大きい。
S&Pグローバル・ビジブル・アルファの調査責任者、メリッサ・オットー氏は「強気派が正しければ株価は割高ではないが、弱気派が正しければ決して安くはない」と指摘した。
決算説明会でのジェンスン・フアン最高経営責任者(CEO)の発言も、AI業界全体に波及する可能性がある。設備投資のリターン不足への懸念から株価が圧迫されているハイパースケーラー各社にとっても重要だ。
<ソフト大手や一般教書演説も焦点>
ソフトウエア大手セールスフォースやインテュイットの決算も例年以上に注目される。S&P500ソフトウエア・サービス指数は年初来で約20%下落している。
ベーカーアベニュー・ウエルス・マネジメントのチーフストラテジスト、キング・リップ氏は「来週はソフトウエア業界にとって極めて重要になる」と述べ、全体的な売りは「行き過ぎ」の面もあるが、適応や革新を迫られる銘柄もあると指摘した。
AIインフラ関連ではデルやコアウィーブも決算を発表する。
テクノロジー以外では、ホーム・デポやロウズなど小売り大手の決算が予定されており、第4・四半期決算シーズンは終盤を迎える。トランプ大統領が24日に行う一般教書演説も投資家の関心を集めそうだ。
ハイテク株が苦戦する一方、エネルギーや資本財、生活必需品などへの資金シフトが指数を下支えしている。ノートン氏は「25年に好調だった分野が26年は苦戦し、取り残されていた分野が浮上している。不可解な相場だ」と述べた。
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