これが「女性ウケする男性像」で間違いない...『君の名前で僕を呼んで』『クィア』の監督流、ひと味違う「男の世界」
Luca’s Boys
そんな強い思慕の念を持つキャラクターのどこがいいのかと思う人もいるかもしれない。男にしては軟弱ではないかと。
旧来のジェンダー観からはそう見えるかもしれない。だが、私(異性愛者の女性だ)はここで断言したい。私自身を含め、私の世代の女性は男性のこの手の強い思慕が大好物なのだ。
グァダニーノが描く男性キャラクターは愛されること、愛することを激しく求める。そうした点が私たちには、映画の男性キャラクターにありがちな男っぽさよりもずっと魅力的に映る。
グァダニーノは同性愛者の男性の視線を意識して物語を紡ぎつつも、どういうわけか女性のニーズにも応えているようだ。
グァダニーノは、これまでとはひと味違う、でも私たちのニーズに合った魅力的な男性像を提示してきた。かわいくてひょろっとしていて、攻撃的でなく、ひたすら相手を思う人物──これぞ、本当に女性受けする男性のイメージなのだ。
これが男の世界だというなら、グァダニーノ流の男の世界、最高ではないか。
Queer
『クィア/QUEER』
監督/ルカ・グァダニーノ
主演/ダニエル・クレイグ、ドリュー・スターキー
日本公開中

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