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ADB、パキスタン鉄道網改修に資金提供へ 中国に代わり

2025年08月25日(月)15時21分

8月22日、 パキスタンの鉄道網改修を巡り、アジア開発銀行(ADB)が中国に代わって資金を提供することが、分かった。カラチの駅で4月撮影(20205年 ロイター/Akhtar Soomro)

Saeed Shah Ariba Shahid

[イスラマバード 22日 ロイター] - パキスタンの鉄道網改修を巡り、アジア開発銀行(ADB)が中国に代わって資金を提供することが22日、分かった。中国政府からの融資確保が遅れ、鉱山事業に支障が出る恐れがあるため。関係者2人がロイターに明らかにした。

約1800キロに及ぶ鉄道網の全面刷新は、中国が「一帯一路」構想の一環として2015年に打ち出したパキスタンへの600億ドルの投資プログラムの目玉だった。

交渉は10年にわたったが、鉄道網改修事業を巡って融資パッケージがまとまらなかった。パキスタンは別事業で中国から受けた融資の返済にも苦慮している。

関係者によると、中国が担っていた南部カラチとローリを結ぶ500キロの路線改修に対し、ADBが20億ドルの融資を主導する方向で協議が進展した段階にある。

カナダ産金大手バリック・マイニングが開発を手掛けるレコディク鉱山で採掘された銅鉱石を運搬するため、鉄道網の改修は急務となっている。

パキスタン鉄道省からはコメントを得られていない。

ADBはロイター宛ての声明で「当行によるあらゆる支援の可能性は、正式な契約前に、包括的デューデリジェンス(資産査定)と検討の対象となる」と説明した。

中国外務省は「中国とパキスタンは鉄の友であり、全天候型の戦略的パートナーだ。中国はパキスタン側と協力して質の高い回廊を建設し、アップグレード版を築くことを望んでいる」と表明。将来の協力は産業、農業、鉱業に及ぶだろうと付け加えた。

ロイター
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