最新記事
話題作

今年最高のNetflixドラマはこれ...13歳の容疑者を追う『アドレセンス』が描く「マノスフィア」とは?

Toxic Adolescence

2025年4月4日(金)15時19分
レベッカ・オニオン(スレート誌記者)
ドラマ『アドレセンス』場面写真、オーウェン・クーパー演じる13歳のジェイミー

13歳のジェイミー(オーウェン・クーパー)は同級生を刺殺した容疑で警察に連行される COURTESY OF NETFLIX

<全4話で各エピソードは長回しのワンカット撮影。話題作が描く家族、友達、異性、そしてソーシャルメディアの闇──(ネタバレありあらすじ、レビュー)>

ネットフリックスをのぞいてみたけれど、ろくでもない映画やドラマしかない──。最近はそんなふうに思うことが少なくないが、『アドレセンス(Adolescence)』のような傑作が見つかるときもある。

ネットフリックス『アドレセンス』予告編

イギリスの郊外の町を舞台にした全4話の犯罪ミステリーで、3月13日の配信開始以来、たちまち世界各国で視聴回数上位に食い込む話題作に。今年最高のドラマの1つになるのは間違いなさそうだ。


全4話は、同級生殺しの容疑者となった13歳の少年ジェイミー・ミラーを、1話ずつ別の角度から見つめる構成になっている。それぞれのエピソードが長回しのワンカットで撮影されており、出演者と一緒に事件を追いかける臨場感を味わうことができる。

ただ、ドラマの中核を成すのは、犯罪の手段や動機を明らかにする捜査ではなく、アドレセンス(思春期)という難しい時期に入った少年が、友達や家族や異性との関係、そしてソーシャルメディアという現代ならではの要因によって、極端にバランスを崩す危険性だ。

同時にこのドラマは、事件の原因は1つに特定できないことを近年の類似作品にはないほど巧みに描いており、視聴してからかなり時間がたっても、深く考え込まずにいられないインパクトがある。

ビジネス
栄養価の高い「どじょう」を休耕田で養殖し、来たるべき日本の食糧危機に立ち向かう
あわせて読みたい
ニュース速報

ビジネス

米財務長官、FRBに利下げ求める

ビジネス

アングル:日銀、柔軟な政策対応の局面 米関税の不確

ビジネス

米人員削減、4月は前月比62%減 新規採用は低迷=

ビジネス

GM、通期利益予想引き下げ 関税の影響最大50億ド
あわせて読みたい
MAGAZINE
特集:英語で学ぶ 国際ニュース超入門
特集:英語で学ぶ 国際ニュース超入門
2025年5月 6日/2025年5月13日号(4/30発売)

「ゼロから分かる」各国・地域情勢の超解説と時事英語

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    日本の未婚男性の「不幸感」は他国と比べて特異的に高く、女性では反対に既婚の方が高い
  • 2
    マリフアナを合法化した末路とは? 「バラ色の未来が来るはずだったのに...」
  • 3
    タイタニック生存者が残した「不気味な手紙」...何が書かれていた?
  • 4
    ポンペイ遺跡で見つかった「浴場」には、テルマエ・…
  • 5
    日本旅行が世界を魅了する本当の理由は「円安」では…
  • 6
    中国で「ネズミ人間」が増殖中...その驚きの正体とは…
  • 7
    インド北部の「虐殺」が全面「核戦争」に発展するか…
  • 8
    クルミで「大腸がんリスク」が大幅に下がる可能性...…
  • 9
    日本史上初めての中国人の大量移住が始まる
  • 10
    悲しみは時間薬だし、幸せは自分次第だから切り替え…
  • 1
    日本史上初めての中国人の大量移住が始まる
  • 2
    日本旅行が世界を魅了する本当の理由は「円安」ではない
  • 3
    MRI検査で体内に「有害金属」が残留する可能性【最新研究】
  • 4
    中国で「ネズミ人間」が増殖中...その驚きの正体とは…
  • 5
    ロシア国内エラブガの軍事工場にウクライナが「ドロ…
  • 6
    日本の未婚男性の「不幸感」は他国と比べて特異的に…
  • 7
    パニック発作の原因の多くは「ガス」だった...「ビタ…
  • 8
    使うほど脱炭素に貢献?...日建ハウジングシステムが…
  • 9
    私の「舌」を見た医師は、すぐ「癌」を疑った...「口…
  • 10
    マリフアナを合法化した末路とは? 「バラ色の未来…
  • 1
    【話題の写真】高速列車で前席のカップルが「最悪の行為」に及ぶ...インド人男性の撮影した「衝撃写真」にネット震撼【画像】
  • 2
    日本史上初めての中国人の大量移住が始まる
  • 3
    日本旅行が世界を魅了する本当の理由は「円安」ではない
  • 4
    健康寿命を伸ばすカギは「人体最大の器官」にあった.…
  • 5
    【心が疲れたとき】メンタルが一瞬で “最…
  • 6
    間食はなぜ「ナッツ一択」なのか?...がん・心疾患・抜…
  • 7
    北朝鮮兵の親たち、息子の「ロシア送り」を阻止する…
  • 8
    中居正広は何をしたのか? 真相を知るためにできる…
  • 9
    【クイズ】世界で最も「半導体の工場」が多い国どこ…
  • 10
    自らの醜悪さを晒すだけ...ジブリ風AIイラストに「大…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中