最新記事
BOOKS

メーガン妃は「ブランドのバッグを喜んで受け取る人物」として知られていた...「スタッフ辞職」の背景とは?

2024年12月15日(日)10時05分
ヴァレンタイン・ロウ(「タイムズ」紙・王室担当記者)

サン紙は関係者の話を紹介している。「プレゼントを受け取るのは女優であれば全く問題なかった。でも、ロイヤルファミリーの常識とは違うとしっかり教わる必要があった」。

作家ティナ・ブラウンによると、メーガンの豪華なプレゼント好きは、ブログ「ザ・ティグ(The Tig)」を書いていた女優時代に遡るという。

「彼女は、デザイナーブランドのバッグを喜んで受け取る人物として、ラグジュアリーブランドのマーケターたちの間ではよく知られていた」とブラウンは書いている。


 

トゥバチ辞職の報道が出たのは、メーガンとケイトがよそよそしいという噂や、シャーロット王女のブライズメイド用ドレスの試着後にケイトが泣かされたという疑惑がちょうど取りざたされたころだ。

特にケイトを泣かせた疑惑は、この先長い間、メーガンの不満の種になる(後に本人は、泣いたのはケイトではなく自分だと主張している)。スタッフの辞職やメーガンの執拗な要求など、絶えず流れてくる噂は、結局メーガンに不利な話にしかならなかった。

「メーガンは気難しい」、「メーガンはスタッフに優しくない」、「メーガンはケイトが好きではない」、そんな噂が飛び交い、次第に新聞各社はメーガンを「気難しい公爵夫人(Duchess Difficult)」と呼ぶようになった。

一方のメーガンも、スタッフの離職話をますます気にするようになった。メーガンの支援者たちは、彼女こそ人種差別や性差別、もしくはその両方の犠牲者だとして、メーガンを擁護しようとしていた。

メーガン応援団のリーダーといえば、『自由を求めて(Finding Freedom: Harry and Meghan and the Making of a Modern Royal Family)』の共著者オミッド・スコビーとキャロリン・ドゥランドだ。この2人は、メーガンの友人の言葉を著書で紹介している。

「気難しい公爵夫人、皆が問題視しているのはそこなのです。メーガンほど一緒に働きやすい人はこの世の中にいないのに」

ただそれは、全くの真実というわけではない。


ヴァレンタイン・ロウ(Valentine Low)
イギリスのジャーナリスト。全寮制パブリックスクール、ウィンチェスターカレッジを経て、オックスフォード大学を卒業。1987年から『The London Evening Standard』で記者を務めた後、2008 年から『The Times』で王室取材を担当。2021年5月、オプラ・ウィンフリーのインタビュー映像が放映される数日前に、メーガンによるパワハラ疑惑の記事を発表する。著書に『One Man and His Dig』(Simon & Schuster、2008年、未邦訳)がある。


newsweekjp_20241009063736.png

 『廷臣たちの英国王室──王冠を支える影の力
  ヴァレンタイン・ロウ[著] 保科 京子 [訳]
  作品社[刊]


(※画像をクリックするとアマゾンに飛びます)


ニューズウィーク日本版 世界も「老害」戦争
※画像をクリックすると
アマゾンに飛びます

2025年11月25日号(11月18日発売)は「世界も『老害』戦争」特集。アメリカやヨーロッパでも若者が高齢者の「犠牲」に

※バックナンバーが読み放題となる定期購読はこちら


あわせて読みたい
ニュース速報

ワールド

MAGA派グリーン議員、来年1月の辞職表明 トラン

ワールド

アングル:動き出したECB次期執行部人事、多様性欠

ビジネス

米国株式市場=ダウ493ドル高、12月利下げ観測で

ビジネス

NY外為市場=円急伸、財務相が介入示唆 NY連銀総
あわせて読みたい
MAGAZINE
特集:世界も「老害」戦争
特集:世界も「老害」戦争
2025年11月25日号(11/18発売)

アメリカもヨーロッパも高齢化が進み、未来を担う若者が「犠牲」に

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    ポルノ依存症になるメカニズムが判明! 絶対やってはいけない「3つの行動」とは?【国際研究チーム】
  • 2
    膝が痛くても足腰が弱くても、一生ぐんぐん歩けるようになる!筋トレよりもずっと効果的な「たった30秒の体操」〈注目記事〉
  • 3
    AIの浸透で「ブルーカラー」の賃金が上がり、「ホワイトカラー」は大量に人余り...変わる日本の職業選択
  • 4
    「週4回が理想です」...老化防止に効くマスターベー…
  • 5
    中国の新空母「福建」の力は如何ほどか? 空母3隻体…
  • 6
    マムダニの次は「この男」?...イケメンすぎる「ケネ…
  • 7
    「髪形がおかしい...」実写版『モアナ』予告編に批判…
  • 8
    ロシアのウクライナ侵攻、「地球規模の被害」を生ん…
  • 9
    「裸同然」と批判も...レギンス注意でジム退館処分、…
  • 10
    「まじかよ...」母親にヘアカットを頼んだ25歳女性、…
  • 1
    東京がニューヨークを上回り「世界最大の経済都市」に...日本からは、もう1都市圏がトップ10入り
  • 2
    高速で回転しながら「地上に落下」...トルコの軍用輸送機「C-130」謎の墜落を捉えた「衝撃映像」が拡散
  • 3
    「999段の階段」を落下...中国・自動車メーカーがPR動画撮影で「大失態」、遺跡を破壊する「衝撃映像」にSNS震撼
  • 4
    「髪形がおかしい...」実写版『モアナ』予告編に批判…
  • 5
    ポルノ依存症になるメカニズムが判明! 絶対やって…
  • 6
    【銘柄】ソニーグループとソニーFG...分離上場で生ま…
  • 7
    【写真・動画】「全身が脳」の生物の神経系とその生態
  • 8
    「まじかよ...」母親にヘアカットを頼んだ25歳女性、…
  • 9
    筋肉の正体は「ホルモン」だった...テストステロン濃…
  • 10
    膝が痛くても足腰が弱くても、一生ぐんぐん歩けるよ…
  • 1
    【クイズ】本州で唯一「クマが生息していない県」はどこ?
  • 2
    東京がニューヨークを上回り「世界最大の経済都市」に...日本からは、もう1都市圏がトップ10入り
  • 3
    英国で「パブ離れ」が深刻化、閉店ペースが加速...苦肉の策は「日本では当たり前」の方式だった
  • 4
    一瞬にして「巨大な橋が消えた」...中国・「完成直後…
  • 5
    「不気味すぎる...」カップルの写真に映り込んだ「謎…
  • 6
    【写真・動画】世界最大のクモの巣
  • 7
    高速で回転しながら「地上に落下」...トルコの軍用輸…
  • 8
    【クイズ】クマ被害が相次ぐが...「熊害」の正しい読…
  • 9
    【クイズ】ヒグマの生息数が「世界で最も多い国」は…
  • 10
    「999段の階段」を落下...中国・自動車メーカーがPR…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中