最新記事
韓流カルチャー

世界を席巻するK-POP・韓ドラ、他国のエンタメにはない「ユニークな特徴」とは?...BTSからイカゲームまで

K-WAVE FUSION

2024年8月23日(金)14時37分
トム・オコナー(米国版副編集長)

外国と自国の文化を融合


スポーツの分野でも、韓国は18年の平昌冬季五輪を成功させている。開会式では、韓国と北朝鮮の選手たちが朝鮮半島をかたどった「統一旗」を掲げて合同入場を果たし、野心的な和平交渉の基礎となった。

近年、再び朝鮮半島の緊張が高まるなか、韓国の活動家らは北朝鮮を内側から揺さぶるべく、Kポップを大量に保存したUSBドライブを風船に入れて、北朝鮮に向けて飛ばしている。

だが、現代のほとんどの韓国人にとって、北朝鮮との対立は最も差し迫った懸念ではなくなりつつあるし、国家としても個人としても、成功を妨げる最大の要因ではなくなった。平和的な統一の希望がほぼ消えつつあるなかでは、なおさらだ。

韓国の文化には極めて特徴的な側面があり、それが中国や日本といった、韓国よりもはるかに大きな近隣諸国(とそのエンタメ業界)と競争する上で大きな武器になってきたと、柳は考えている。なにしろ韓国の人口は5200万人だが、中国は14億人、日本も1億2500万人だ。

「韓国はアーティストについて多様な考え方があり、アートの多様性を認めている」と柳は言う。「成功したフォーマットを繰り返すのではなく、常に変化している。それが世界のエンタメ業界とは異なる点であり、ダイナミクスをもたらしている」

韓国以外のアジア諸国も世界のエンタメ業界に進出を図っているが、韓国は独特の方法で世界の影響を取り入れてきたと、柳は指摘する。

「韓国の文化産業の最大かつ最もユニークな点の1つは、外国文化の影響を取り入れて、少しひねりを加えるのではなく、自国の文化と混ぜ合わせ、醸成させ、新しいものに作り変えることだ」

昔から優れた発酵食品や酒を生み出し、今は韓流が世界を席巻しているように、韓国は外国のさまざまな材料を吸収して、さらに口当たりの良いモノを生み出してきた。

西洋生まれの楽器で韓国の伝統音楽を演奏する音楽家もいる。柳自身、伝統的な韓服にスニーカーを合わせてインタビューにやって来た。

「韓国の文化は古い伝統的な要素と現代的な要素が見事にかみ合っている。つまり、現在の芸術は伝統に基づいているが、伝統は現代的な要素と融合しており、私たちはその新しい表現方法を見いだしている」

あわせて読みたい
ニュース速報

ワールド

韓国の李ヘチャン元首相が死去 訪問先のベトナムで心

ワールド

テスラ、一部運転支援機能をサブスク課金で提供へ 米

ワールド

中国人民銀、中国・香港市場の連携強化を推進

ワールド

焦点:ダボス会議「トランプ・ショー」で閉幕、恐怖と
あわせて読みたい
MAGAZINE
特集:「外国人問題」徹底研究
特集:「外国人問題」徹底研究
2026年1月27日号(1/20発売)

日本の「外国人問題」は事実か錯誤か? 7つの争点を国際比較で大激論

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    セーターが消えた冬 ── 暖かさの主戦場が「インナー」と「フリース」に移った日
  • 2
    【銘柄】「住友金属鉱山」の株価が急上昇...銅の高騰に地政学リスク、その圧倒的な強みとは?
  • 3
    海上自衛隊が水中無人機(UUV)を導入 中国の海軍拡張に新たな対抗手段
  • 4
    防衛省が「新SSM」の映像を公開、ノルウェー・コング…
  • 5
    「外国人価格」で日本社会が失うもの──インバウンド…
  • 6
    「楽園のようだった」移住生活が一転...購入価格より…
  • 7
    麻薬中毒が「アメリカ文化」...グリーンランド人が投…
  • 8
    【銘柄】「古河機械金属」の株価が上昇中...中国のレ…
  • 9
    私たちの体は「食べたもの」でできている...誰もが必…
  • 10
    完全に「ホクロ」かと...医師も見逃した「皮膚がん」…
  • 1
    海上自衛隊が水中無人機(UUV)を導入 中国の海軍拡張に新たな対抗手段
  • 2
    防衛省が「新SSM」の映像を公開、ノルウェー・コングスベルグ社のNSMにも似ているが...
  • 3
    データが示す、中国の「絶望的な」人口動態...現実味を帯びる「超高齢化」による「中国社会崩壊」
  • 4
    ラブロフ、グリーンランドは‌デンマーク​の「自然な…
  • 5
    セーターが消えた冬 ── 暖かさの主戦場が「インナー」…
  • 6
    【銘柄】「古河機械金属」の株価が上昇中...中国のレ…
  • 7
    ニュージーランドの深海に棲む、300年以上生きている…
  • 8
    完全に「ホクロ」かと...医師も見逃した「皮膚がん」…
  • 9
    ピラミッドよりも昔なのに...湖底で見つかった古代の…
  • 10
    麻薬中毒が「アメリカ文化」...グリーンランド人が投…
  • 1
    【クイズ】世界で最も「レアアースの埋蔵量」が多い国はどこ?【2025年の話題クイズ5選】
  • 2
    ウクライナ水中ドローンが、ロシア潜水艦を爆破...「史上初の攻撃成功」の裏に、戦略的な「事前攻撃」
  • 3
    中国製防空レーダーは米軍のベネズエラ攻撃に屈した──台湾高官が分析
  • 4
    【クイズ】世界で唯一「蚊のいない国」はどこ?【202…
  • 5
    「腸が弱ると全身が乱れる」...消化器専門医がすすめ…
  • 6
    【クイズ】本州で唯一「クマが生息していない県」は…
  • 7
    前進するロシア、忍び寄る限界...勝者に見えるプーチ…
  • 8
    海上自衛隊が水中無人機(UUV)を導入 中国の海軍拡…
  • 9
    【クイズ】韓国を抜いて1位に...世界で最も「出生率…
  • 10
    中国軍の挑発に口を閉ざす韓国軍の危うい実態 「沈黙…
トランプ2.0記事まとめ
Real
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中