最新記事
K-POP

BTS・BLACKPINK不在でK-POPは冬の時代へ? アルバム販売が失速、株価半落の大手事務所も

2024年7月25日(木)16時22分
ニューズウィーク日本版ウェブ編集部
NewJeansのポップアップストア

ソウルのLINE FRIENDS広場内にオープンしたNewJeansのポップアップストア yllyso - shuttestock

<9年ぶりのアルバム輸出減少......。K-POPバブルは弾けたか?>

この夏、民放各局の音楽特番にはNewJeansをはじめとしたK-POPグループが出演。また夏の野外音楽フェスにも多くのK-POPアーティストの参加が発表され、すっかり日本の音楽シーンにもK-POPは定着した感がある。

ところがそんなタイミングで韓国から届いたのは2024年上半期の韓国CDアルバム輸出が金額ベースで9年ぶりの減少となり、主要音楽事務所が軒並み株価を下げているというニュース。とうとうK-POPバブルは弾けてしまったのか? 韓国メディアの聯合ニュース、JTBC、ソウル経済、MTNニュースなどが報じた。

元祖ガールクラッシュ、2NE1復活の意味するところ

7月22日午前0時、BLACKPINKなどが所属するYGエンターテインメントのユーチューブチャンネルに1本の動画がアップされた。動画の中で同社の創業者で現在は統括プロデューサーのヤン・ヒョンソクが語ったのは、同社を大手芸能事務所へと成長させた原動力ともいえるガールズグループ、2NE1(トゥエニーワン)のカムバックだった。

2NE1は2009年にデビューした4人組ガールズグループで、ヒップホップ系のサウンドと力強い女性像を前面に出して、女性が憧れる女性アイドル像として語られる"ガールクラッシュ"の草分け的存在だった。ちょうど同じYGからBLACKPINKがデビューした2016年に解散したが、いまだに熱烈なファンは多く、2022年にはメンバーのCLが米音楽フェスにソロアーティストとして出演した際に、他のメンバー3人がサプライズで参加し代表曲「I AM THE BEST」を披露したことで活動再開を求める声が高まったこともある。

ユーチューブ動画の中でヤン·ヒョンソクは「2NE1メンバーが15周年を記念したコンサートを開いてみたいという意見を伝えてきた」と明らかにした。事実、6月下旬には2NE1メンバーとヤン·ヒョンソクが8年ぶりに打合せをしたことがYGから発表されて話題を集めていたが、それは今回のコンサートのための打合せだったわけだ。2NE1は10月5日・6日にソウル・オリンピック公園オリンピックホールでの公演を皮切りに11月末に神戸ワールド記念ホール、12月に東京有明アリーナ、さらに2025年もワールドツアーを続ける予定だという。

ヤン・ヒョンソクは「2NE1と共に育ち、その音楽を聴いて育った世代が思い出を共有しています。全スタッフと一緒に一生懸命努力して成功的な公演を作り出したい」と自信を表わした。

1度は解散した2NE1にこれだけYGが期待をかけるのには理由がある。YGには経営危機説が出ているからだ。

2NE1についての動画がアップされたのは22日0時。これは週明けからの株価回復のためにこのタイミングになったと分析されている。韓国では最近、YGをはじめとした音楽芸能事務所の株価が全般的に急落した状況だ。なかでもYGの株価は先週、軒並み下落した。ところが2NE1のカムバックのニュースが伝わると、22日、最高値3万7850ウォンまで記録し、3万5800ウォンで取引を終えた。 結果的には19日対比550ウォン上がって大幅ではないが回復し、取引量も7月中で最も活発となった。

あわせて読みたい
ニュース速報

ワールド

プーチン大統領、トランプ氏にクリスマスメッセージ=

ワールド

ローマ教皇レオ14世、初のクリスマス説教 ガザの惨

ワールド

中国、米が中印関係改善を妨害と非難

ワールド

中国、TikTok売却でバランスの取れた解決策望む
あわせて読みたい
MAGAZINE
特集:ISSUES 2026
特集:ISSUES 2026
2025年12月30日/2026年1月 6日号(12/23発売)

トランプの黄昏/中国AI/米なきアジア安全保障/核使用の現実味......世界の論点とキーパーソン

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    90代でも元気な人が「必ず動かしている体の部位」とは何か...血管の名医がたどり着いた長生きの共通点
  • 2
    アジアの豊かな国ランキング、日本は6位──IMF予測
  • 3
    海水魚も淡水魚も一緒に飼育でき、水交換も不要...どこでも魚を養殖できる岡山理科大学の好適環境水
  • 4
    「時代劇を頼む」と言われた...岡田准一が語る、侍た…
  • 5
    『SHOGUN 将軍』の成功は嬉しいが...岡田准一が目指…
  • 6
    ノルウェーの海岸で金属探知機が掘り当てた、1200年…
  • 7
    批評家たちが選ぶ「2025年最高の映画」TOP10...満足…
  • 8
    「個人的な欲望」から誕生した大人気店の秘密...平野…
  • 9
    「衣装がしょぼすぎ...」ノーラン監督・最新作の予告…
  • 10
    【銘柄】「Switch 2」好調の任天堂にまさかの暗雲...…
  • 1
    「食べ方の新方式」老化を防ぐなら、食前にキャベツよりコンビニで買えるコレ
  • 2
    90代でも元気な人が「必ず動かしている体の部位」とは何か...血管の名医がたどり着いた長生きの共通点
  • 3
    アジアの豊かな国ランキング、日本は6位──IMF予測
  • 4
    【過労ルポ】70代の警備員も「日本の日常」...賃金低…
  • 5
    海水魚も淡水魚も一緒に飼育でき、水交換も不要...ど…
  • 6
    批評家たちが選ぶ「2025年最高の映画」TOP10...満足…
  • 7
    待望の『アバター』3作目は良作?駄作?...人気シリ…
  • 8
    懲役10年も覚悟?「中国BL」の裏にある「検閲との戦…
  • 9
    「最低だ」「ひど過ぎる」...マクドナルドが公開した…
  • 10
    日本がゲームチェンジャーの高出力レーザー兵器を艦…
  • 1
    日本がゲームチェンジャーの高出力レーザー兵器を艦載、海上での実戦試験へ
  • 2
    人口減少が止まらない中国で、政府が少子化対策の切り札として「あるもの」に課税
  • 3
    日本人には「当たり前」? 外国人が富士山で目にした「信じられない」光景、海外で大きな話題に
  • 4
    【銘柄】オリエンタルランドが急落...日中対立が株価…
  • 5
    日本の「クマ問題」、ドイツの「問題クマ」比較...だ…
  • 6
    「勇気ある選択」をと、IMFも警告...中国、輸出入と…
  • 7
    【衛星画像】南西諸島の日米新軍事拠点 中国の進出…
  • 8
    インド国産戦闘機に一体何が? ドバイ航空ショーで…
  • 9
    健康長寿の鍵は「慢性炎症」にある...「免疫の掃除」…
  • 10
    兵士の「戦死」で大儲けする女たち...ロシア社会を揺…
トランプ2.0記事まとめ
Real
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中