マシンピラティスが、世界中の主要都市で存在感を増している。新しいスタジオが相次いでオープンし、フィットネスの新たな選択肢として定着しつつある。では、従来のピラティスや他の運動とは何が異なり、どのような効果が期待できるのか。

ピラティスとは本来、体幹の安定性や柔軟性を軸に筋力や持久力、バランスを高める運動だ。見た目はヨガに近いが、負荷のかけ方はウエートトレーニングに通じている。

一方、マシンピラティスでは、「リフォーマー」と呼ばれる可動式の台とスプリングを備えた専用マシンを使用する。「キャリッジ」と呼ばれるベッド上でストラップやスプリング(バネ)を用い、負荷を細かく調整しながら、特定の筋肉や動作パターンを狙って鍛えていく。

もともとはけがのリハビリ目的で開発されたが、現在では運動パフォーマンスの向上にも広がっている。自重で行うマットピラティスとは異なり、スプリングの抵抗を活用できるため、体力に応じて強度を調整しやすい。筋肉への負荷を高めて運動全体の有酸素的な負荷を上げ、心肺機能の改善も期待されている。

ウエートや有酸素運動と同様の複合的な効果

何十年もの歴史があるにもかかわらず、マシンピラティスに関する研究はまだ限定的だ。しかし、現時点のデータでは減量、筋肉量のわずかな増加、認知機能の改善など、ウエートトレーニングや有酸素運動と同様の複合的な効果が報告されている。

高齢者では筋力や柔軟性の向上、転倒リスクの低下も期待され、リハビリの分野では肩の健康や機能改善、腰痛の軽減、柔軟性の向上を示す研究もある。さらに1回のセッションでも血管機能の指標やコレステロール、インスリン値に改善が見られたというエビデンスも示されている。

ただし、まだ被験者が少なく、他の運動との比較も十分ではないため、「万能な運動」と位置付けるのは早計だ。実際、筋力向上ならウエートトレーニング、柔軟性ならストレッチ、持久力ならランニングやサイクリングのほうが効率的とされる。それでもマシンピラティスはこれら複数の効果を一度に狙える強みがある。

一方で、最大の障壁はコスト面だ。効果を得るには週2〜3回の継続が望ましいが、マシンピラティスのクラスは安くはない。1回20~30豪ドル(3000円前後)でも、定期的に通えば負担は大きい。

また、スタジオの数も限られているため、住む地域によっては利用しにくい。さらに資格制度にもばらつきがあり、効果がインストラクターの力量にも左右される。マシン特有の動きに慣れるまで時間がかかるため、習得するまでに期待したほどの効果を実感しにくい場合もある。

低負荷で筋力と柔軟性を高めたい人には、マシンピラティスは有力な選択肢となる。特に運動習慣を整えたい場合には取り入れやすい。ただし特定の成果を求めるなら、より特化したトレーニングの方が効率的だ。

また、費用面や通いやすさでいえば、自宅でも始められるマットピラティスが現実的な選択肢となり得る。手軽さに加え、筋力や体力向上に関する一定の効果が既に実証されているからだ。その際、YouTubeも良い教材として役立つだろう。

The Conversation

Hunter Bennett, Lecturer in Exercise Science, University of South Australia; Jacinta Brinsley, Exercise Physiologist and Postdoctoral Researcher in the Alliance for Research in Nutrition, Exercise and Activity, University of South Australia, and Lewis Ingram, Lecturer in Physiotherapy, University of South Australia

This article is republished from The Conversation under a Creative Commons license. Read the original article.

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