最新記事

インタビュー

連続殺人鬼とFBI分析官の奇妙な友情...テッド・バンディをイライジャ・ウッドが語る

A New Ted Bundy Story

2021年9月16日(木)18時03分
H・アラン・スコット
イライジャ・ウッド

ウッドは俳優としても製作者としても作品に関わった KURT KRIEGERーCORBIS/GETTY IMAGES

<米史上に残る犯罪者の語られざる物語に焦点を当てた映画『ノー・マン・オブ・ゴッド』の魅力を、主演のイライジャ・ウッドが語る>

テッド・バンディといえば、1970年代にアメリカで少なくとも30人の女性を殺害した連続殺人鬼。彼を題材にした本や映画は、たくさんある。

しかしバンディを必死に取り調べ、罪を認めさせたFBI分析官のビル・ハグマイヤーについては、今まで全く語られていなかった。

そのハグマイヤーに焦点を当てた映画『ノー・マン・オブ・ゴッド』が、8月27日からアメリカでオンデマンド配信されている(一部映画館でも上映中)。ルーク・カービー演じるバンディと対決するハグマイヤーは、イライジャ・ウッドが演じている。

この作品では製作も手掛け、5年前から企画を温めてきたというウッドに、本誌H・アラン・スコットが話を聞いた。

――ハグマイヤーの物語のどんなところに魅力を感じた?

まず、ハグマイヤーとバンディの会話記録を基に書かれた脚本があると知って、関心を持った。それから、今まで全く知られていない物語であることに興味を引かれた。

バンディはハグマイヤーを親友だとまで思うようになった。彼はFBIを信用しておらず、ハグマイヤーとの会話記録が当局者に利用されることを恐れていた。でもハグマイヤーは約束を守る人物で、誠実さを最も重んじた。バンディの暴露話で儲けようなどとは思わなかった。

――バンディのどこが人々の興味をかき立てるのだろう?

連続殺人犯といっても、バンディは物静かでも控えめでもなく、社会の一員であり続けていた。地元政界にも携わり、弁護士を目指して勉強し、彼の無実を信じる人々と関係を築いていた。彼が人々の想像力をかき立てる理由は、そういう点だと思う。

――バンディ役のルーク・カービーと組んだ感想は?

素晴らしい体験だった。ルークは私とは全く違うやり方で、作品に向き合っていた。

彼は役作りに当たって多くのインタビューを聞き、不快な資料も丹念に読み込んだ。(取調室のセットで)彼と向かい合って座っていると、時として本当に連続殺人犯を前にしているように思えた。

今、あなたにオススメ

関連ワード

ニュース速報

ビジネス

米新規失業保険申請、20万8000件と横ばい 4月

ビジネス

米貿易赤字、3月は0.1%減の694億ドル 輸出入

ワールド

ウクライナ戦争すぐに終結の公算小さい=米国家情報長

ワールド

ロシア、北朝鮮に石油精製品を輸出 制裁違反の規模か
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:世界が愛した日本アニメ30
特集:世界が愛した日本アニメ30
2024年4月30日/2024年5月 7日号(4/23発売)

『AKIRA』からジブリ、『鬼滅の刃』まで、日本アニメは今や世界でより消費されている

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1

    常圧で、種結晶を使わず、短時間で作りだせる...韓国の研究チームが開発した「第3のダイヤモンド合成法」の意義とは?

  • 2

    「2枚の衛星画像」が伝える、ドローン攻撃を受けたロシア空軍基地の被害規模

  • 3

    ロシア「BUK-M1」が1発も撃てずに吹き飛ぶ瞬間...ミサイル発射寸前の「砲撃成功」動画をウクライナが公開

  • 4

    「500万ドルの最新鋭レーダー」を爆破...劇的瞬間を…

  • 5

    ロシアの大規模ウクライナ空爆にNATO軍戦闘機が一斉…

  • 6

    ロシア軍の拠点に、ウクライナ軍FPVドローンが突入..…

  • 7

    「複雑で自由で多様」...日本アニメがこれからも世界…

  • 8

    どの顔が好き? 「パートナーに求める性格」が分かる…

  • 9

    中国のコモディティ爆買い続く、 最終兵器「人民元切…

  • 10

    「みっともない!」 中東を訪問したプーチンとドイツ…

  • 1

    ロシア「BUK-M1」が1発も撃てずに吹き飛ぶ瞬間...ミサイル発射寸前の「砲撃成功」動画をウクライナが公開

  • 2

    一瞬の閃光と爆音...ウクライナ戦闘機、ロシア軍ドローンを「空対空ミサイルで撃墜」の瞬間映像が拡散

  • 3

    「おやつの代わりにナッツ」でむしろ太る...医学博士が教えるスナック菓子を控えるよりも美容と健康に大事なこと

  • 4

    AIパイロットvs人間パイロット...F-16戦闘機で行われ…

  • 5

    どの顔が好き? 「パートナーに求める性格」が分かる…

  • 6

    日本マンガ、なぜか北米で爆売れ中...背景に「コロナ…

  • 7

    「2枚の衛星画像」が伝える、ドローン攻撃を受けたロ…

  • 8

    「すごい胸でごめんなさい」容姿と演技を酷評された…

  • 9

    ウクライナ軍ブラッドレー歩兵戦闘車の強力な射撃を…

  • 10

    ロシアの大規模ウクライナ空爆にNATO軍戦闘機が一斉…

  • 1

    韓国で「イエス・ジャパン」ブームが起きている

  • 2

    ロシア「BUK-M1」が1発も撃てずに吹き飛ぶ瞬間...ミサイル発射寸前の「砲撃成功」動画をウクライナが公開

  • 3

    「おやつの代わりにナッツ」でむしろ太る...医学博士が教えるスナック菓子を控えるよりも美容と健康に大事なこと

  • 4

    最強生物クマムシが、大量の放射線を浴びても死なな…

  • 5

    ロシアが前線に投入した地上戦闘ロボットをウクライ…

  • 6

    「燃料気化爆弾」搭載ドローンがロシア軍拠点に突入…

  • 7

    世界3位の経済大国にはなれない?インドが「過大評価…

  • 8

    タトゥーだけではなかった...バイキングが行っていた…

  • 9

    一瞬の閃光と爆音...ウクライナ戦闘機、ロシア軍ドロ…

  • 10

    NASAが月面を横切るUFOのような写真を公開、その正体…

日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中