最新記事

セックス

韓国男子、性との遭遇 日本のAVから性教育での仏「過激」映画まで

2019年9月11日(水)18時00分
ウォリックあずみ(映画配給コーディネーター)

10代の若者にはこれだけでも刺激的? whyframestudio - iStockphoto

<徴用工問題に端を発した日本による韓国向け輸出規制は長期化しそうだが、長年非合法な形で日本から韓国へと輸出されてきたヤバいものがある>

8月8日、Netflixが全世界190か国に配信を開始したオリジナルドラマ『全裸監督』が空前の人気を博し話題だ。配信後わずか8日後の8月16日には続編制作が発表され、その人気を物語っている。このドラマは全8話の構成で、実在のAV監督・村西とおるの破天荒な半生を描いた作品だ。村西の熱血漢あふれる姿を通して80年代の日本で活気づいてきた頃のアダルト・ビデオ業界を紹介している。

このようなアダルト業界の裏の世界を描いた作品は多く、ここ数年フィーチャーされているように見える。現役人気AV女優・紗倉まなが、AV業界の現場を舞台に書いて話題になった小説『最低。』が映画化されたほか、WOWOWではオリジナルドラマとして田舎の町がAV業界に侵食されていく姿を描いた『モザイクジャパン』を放送した。企画物と呼ばれるAV女優たちを主人公にした『名前のない女たち』は、世界四大映画祭といわれる第33回モスクワ映画祭で正式上映されている。この業界が注目を集めるのは、誰もが興味はあるがベールに包まれた裏の業界というイメージをもっているからだろう。

韓国のAV事情

お隣りの韓国でも日本のAVは人気である。もともと韓国ではポルノについては規制が厳しく、公的にはAVは存在しないため、日本のものを輸入している。もちろんビジネスベースでの輸入はできないため、その大部分は不法ダウンロードや海賊版DVD作品である。韓国では、全ての映像は「韓国映像物等級委員会」と呼ばれる行政の機関を通さなくてはいけないのだが、一般的な日本のAVは劇映画として認められていないのだ。

たとえセリフがあり、女優や男優らが演技しているAV作品であっても、局部のシーンやリアルな器具を使うシーンはカットしなければならず、胸はOKでも下半身はNGというのが今の定説なので、韓国のR-18は日本のR-15程度の作品に仕上がる。

さらに、この規制もその時々で変わってくるので厄介だ。韓国史上初の女性大統領となった朴槿恵政権時代は特に厳しく、たとえ女優の年齢が未成年ではなくても、制服を着ているシーンが入っていると輸入しにくく、看護婦やCAなどある特定の職業を女優が演じるAVは職業差別であるという理由で輸入を控える傾向にあった。特に儒教の影響なのか、「女教師」など先生を扱う作品は、特別規制があったわけではないが暗黙の了解でタブー化されていた。

しかし、そうした制限があるにも関わらず韓国の男性は日本のAVにとても詳しい。日本の人気AV女優を招いてファンミーティングまで行われており、筆者も縁があって当時の人気AV女優の麻美ゆまのファンミーティングに通訳として参加する機会があったが、韓国の男性ファンたちの熱気には驚かされた。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ビジネス

米国株式市場=ほぼ横ばい、経済指標や企業決算見極め

ビジネス

NY外為市場=ドル上昇、米指標やFRB高官発言受け

ビジネス

ネットフリックス、第1四半期加入者が大幅増 売上高

ビジネス

USスチール買収計画の審査、通常通り実施へ=米NE
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:老人極貧社会 韓国
特集:老人極貧社会 韓国
2024年4月23日号(4/16発売)

地下鉄宅配に古紙回収......繁栄から取り残され、韓国のシニア層は貧困にあえいでいる

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1

    最強生物クマムシが、大量の放射線を浴びても死なない理由が明らかに

  • 2

    「毛むくじゃら乳首ブラ」「縫った女性器パンツ」の衝撃...米女優の過激衣装に「冗談でもあり得ない」と怒りの声

  • 3

    止まらぬ金価格の史上最高値の裏側に「中国のドル離れ」外貨準備のうち、金が約4%を占める

  • 4

    価値は疑わしくコストは膨大...偉大なるリニア計画っ…

  • 5

    「イスラエルに300発撃って戦果はほぼゼロ」をイラン…

  • 6

    中ロ「無限の協力関係」のウラで、中国の密かな侵略…

  • 7

    ハーバード大学で150年以上教えられる作文術「オレオ…

  • 8

    中国のロシア専門家が「それでも最後はロシアが負け…

  • 9

    ヨルダン王女、イランの無人機5機を撃墜して人類への…

  • 10

    紅麴サプリ問題を「規制緩和」のせいにする大間違い.…

  • 1

    韓国で「イエス・ジャパン」ブームが起きている

  • 2

    最強生物クマムシが、大量の放射線を浴びても死なない理由が明らかに

  • 3

    NASAが月面を横切るUFOのような写真を公開、その正体は

  • 4

    犬に覚せい剤を打って捨てた飼い主に怒りが広がる...…

  • 5

    攻撃と迎撃の区別もつかない?──イランの数百の無人…

  • 6

    「燃料気化爆弾」搭載ドローンがロシア軍拠点に突入…

  • 7

    アインシュタインはオッペンハイマーを「愚か者」と…

  • 8

    天才・大谷翔平の足を引っ張った、ダメダメ過ぎる「無…

  • 9

    帰宅した女性が目撃したのは、ヘビが「愛猫」の首を…

  • 10

    ハリー・ポッター原作者ローリング、「許すとは限ら…

  • 1

    人から褒められた時、どう返事してますか? ブッダが説いた「どんどん伸びる人の返し文句」

  • 2

    韓国で「イエス・ジャパン」ブームが起きている

  • 3

    88歳の現役医師が健康のために「絶対にしない3つのこと」目からうろこの健康法

  • 4

    ロシアの迫撃砲RBU6000「スメルチ2」、爆発・炎上の…

  • 5

    バルチック艦隊、自国の船をミサイル「誤爆」で撃沈…

  • 6

    最強生物クマムシが、大量の放射線を浴びても死なな…

  • 7

    ロシアが前線に投入した地上戦闘ロボットをウクライ…

  • 8

    「燃料気化爆弾」搭載ドローンがロシア軍拠点に突入…

  • 9

    1500年前の中国の皇帝・武帝の「顔」、DNAから復元に…

  • 10

    浴室で虫を発見、よく見てみると...男性が思わず悲鳴…

日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中