最新記事

株の基礎知識

初心者が知らない、株価の「底」の見分け方

2022年8月8日(月)16時05分
網代奈都子 ※かぶまどより転載

「底を探す」というのは現実的なやり方じゃないとわかっていただけるのではないでしょうか。底については、あとから「結果的にそこが底だった」ということしか誰にも言えないわけですから。

それでも、前回安値のところで張っていたトレーダーはいます。さらに落ちていくかもしれない一方で、もし底を打ったら一気に儲かりますからね。

でも、多くの方が想像しがちな「待って待って待って、一番の底を見極めて、全資金をどかーんとつぎ込んでバーンと買う」なんてことはプロはしません。負ける可能性も見越した上で反発を狙いにいくわけですから、それは決して「賭け」などではなく、通常の取引となんら変わらないのです。

2020年3月の「大底」で買えたプロは、たぶんこんな感じです。

1つ目の前回安値で、「ここで上がるだろう」と10万円を投入
→ 失敗。底が割れる
さらに過去の前回安値で、「もう上がるだろう」と10万円を投入
→ 失敗。さらに底が割れる
さらに過去の前回安値で、「そろそろ上がってくれるだろう」と10万円を投入
→ 成功。反発する
「よっしゃいける」と30万円、50万円を順次投入。反発が終わった時点でさっさと利益確定

もちろん、これはあくまで一例で、実際には、上げと下げの複数シナリオを持ってポジション管理しながら買っていく(売っていく)のがプロの仕掛け方です。

暴落相場でもプロが勝てる理由

実際に株価が反発して「行ける」ことがわかってから大きな資金投入し、上昇が収まってきたらさっさと回収。プロのトレードって、想像以上に地味というか、手堅いんですね......という私のつぶやきに、K氏はひとこと「プロですから」。そう、どんな場面でも確実に勝つのがプロなのです。

・底とは、「あとから見ればアレが底だった」とわかるもの
・目安は前回安値。ただし、必ず反発するとは限らない
・前回安値で張ることもできるが、くれぐれも資金管理は慎重に

プロトレーダーの話を聞く度に、自分のトレードの「なんとなくぶり」を思い知らされ、よく今まで大けがをしなかったもんだと眩暈がします。それと同時に、このままではいずれ痛い目に遭うであろうことも痛感。いま一度、正しいトレードのあり方を復習したいと思います。

(参考記事)アメリカ株投資を始める前に知っておきたい「おはぎゃー」の基礎知識

※本記事は再掲載です(初出:2020年9月9日)

[執筆者]
網代奈都子(あじろ・なつこ)
30代OL。仕事のかたわらトレードを行っており、そのスキルを磨くべく日々勉強中。目下の目標は年間の利益100万円。安定した利益を出し、ペット可物件に引っ越すのが夢。 【かぶまどアワード2021SNS賞】

※当記事は「かぶまど」の提供記事です
kabumado_newlogo200-2021.jpg

今、あなたにオススメ

関連ワード

ニュース速報

ワールド

日中双方と協力可能、バランス取る必要=米国務長官

ビジネス

マスク氏のテスラ巨額報酬復活、デラウェア州最高裁が

ワールド

米、シリアでIS拠点に大規模空爆 米兵士殺害に報復

ワールド

エプスタイン文書公開、クリントン元大統領の写真など
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:教養としてのBL入門
特集:教養としてのBL入門
2025年12月23日号(12/16発売)

実写ドラマのヒットで高まるBL(ボーイズラブ)人気。長きにわたるその歴史と深い背景をひもとく

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    懲役10年も覚悟?「中国BL」の裏にある「検閲との戦い」...ドラマ化に漕ぎ着けるための「2つの秘策」とは?
  • 2
    待望の『アバター』3作目は良作?駄作?...人気シリーズが直面した「思いがけない批判」とは?
  • 3
    「食べ方の新方式」老化を防ぐなら、食前にキャベツよりコンビニで買えるコレ
  • 4
    日本がゲームチェンジャーの高出力レーザー兵器を艦…
  • 5
    「何度でも見ちゃう...」ビリー・アイリッシュ、自身…
  • 6
    70%の大学生が「孤独」、問題は高齢者より深刻...物…
  • 7
    香港大火災の本当の原因と、世界が目撃した「アジア…
  • 8
    中国最強空母「福建」の台湾海峡通過は、第一列島線…
  • 9
    ロシア、北朝鮮兵への報酬「不払い」疑惑...金正恩が…
  • 10
    ウクライナ軍ドローン、クリミアのロシア空軍基地に…
  • 1
    日本がゲームチェンジャーの高出力レーザー兵器を艦載、海上での実戦試験へ
  • 2
    人口減少が止まらない中国で、政府が少子化対策の切り札として「あるもの」に課税
  • 3
    「勇気ある選択」をと、IMFも警告...中国、輸出入ともに拡大する「持続可能な」貿易促進へ
  • 4
    【実話】学校の管理教育を批判し、生徒のため校則を…
  • 5
    「最低だ」「ひど過ぎる」...マクドナルドが公開した…
  • 6
    ミトコンドリア刷新で細胞が若返る可能性...老化関連…
  • 7
    自国で好き勝手していた「元独裁者」の哀れすぎる末…
  • 8
    香港大火災の本当の原因と、世界が目撃した「アジア…
  • 9
    【銘柄】資生堂が巨額赤字に転落...その要因と今後の…
  • 10
    身に覚えのない妊娠? 10代の少女、みるみる膨らむお…
  • 1
    日本がゲームチェンジャーの高出力レーザー兵器を艦載、海上での実戦試験へ
  • 2
    人口減少が止まらない中国で、政府が少子化対策の切り札として「あるもの」に課税
  • 3
    日本人には「当たり前」? 外国人が富士山で目にした「信じられない」光景、海外で大きな話題に
  • 4
    【銘柄】オリエンタルランドが急落...日中対立が株価…
  • 5
    日本の「クマ問題」、ドイツの「問題クマ」比較...だ…
  • 6
    膝が痛くても足腰が弱くても、一生ぐんぐん歩けるよ…
  • 7
    「勇気ある選択」をと、IMFも警告...中国、輸出入と…
  • 8
    インド国産戦闘機に一体何が? ドバイ航空ショーで…
  • 9
    【衛星画像】南西諸島の日米新軍事拠点 中国の進出…
  • 10
    ポルノ依存症になるメカニズムが判明! 絶対やって…
トランプ2.0記事まとめ
Real
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中