最新記事

自己啓発

誰でも今すぐ「頭がよい人」になれる、「往復運動」の能力を鍛えれば

2020年2月19日(水)14時45分
ニューズウィーク日本版ウェブ編集部

ALLVISIONN-iStock.

<「頭がよい」とは何か。東大出身で教育関連のビジネスを手掛ける谷川祐基氏によれば、思考とは具体化と抽象化の往復運動であり、それがうまい人が「頭がいい人」だという。目から鱗の谷川流「賢さ」論を紐解く>

「頭はよくなる。よくなりたければ」――そう言われれば、多くの人が「よくなりたい!」と前のめりになるだろう。だが実は、それぞれの人が思い描いている「頭がよい」の中身は千差万別だ。

にもかかわらず、世の中には「頭がよくなる方法」が氾濫している。

いわゆる「脳トレ」やクロスワードパズル、あるいは将棋をやると頭がよくなるとか、たくさん本を読めばいいとか、それよりも論理的思考のほうが大事だとか、青魚をたくさん食べるといいとか......。

そうした方法論の前に、そもそも「頭がよい」とは何なのか、どうすれば他人から「頭がよい」と思われるのか、それを解明することから始めようというのが、谷川祐基氏の新著『賢さをつくる――頭はよくなる。よくなりたければ。』(CCCメディアハウス)だ。

本書は、概念だけが語られて、結局、読者が最も知りたい「頭がよくなる方法」については何ひとつ触れられずに終わるような物足りなさとは無縁だ。前半では、身近な例を取り上げながら、頭のよさの本質を多角的に捉えている。そして後半では、今すぐ誰にでも実践できる「頭をよくする方法」を紹介している。

インプットかアウトプットか、抽象化か具体化か

教育関連のビジネスを手掛ける著者の谷川氏は、日本一「頭がよい」と言われる東京大学の出身。塾には一切通わず、高校3年生の秋から始めた受験勉強だけで現役合格を果たした。

そう聞けば、さぞかし生まれつき頭がよいのだろうと思ってしまう。当の谷川氏も「人それぞれ頭のよさは違う」と、頭のよさに個人差があることを否定しない。しかし、その上で、頭のよさの個人差をタブー視する態度こそ、頭のよさは生まれつきであり、変えることができないと決めてかかっている考え方ではないかと疑義を呈する。

頭のよさを生まれつきだとするならば、そうでない人には頭がよくなる道が閉ざされているのか。

そうではなく、「頭のよさ」というのは、考え方や思考方法の違いにすぎないのだと谷川氏は主張する。本のタイトルどおり、頭はよくなるのである。もし、よくなりたいと願うならば。

では一体、頭のよさとは何なのか。

学校のテストの点数が高い人こそ頭がよいと考える人もいれば、飲み込みが早い人や知識量の多い人を頭がよい人とする場合もある。あるいは、自分の頭で考えることのできる人、頭の回転が速い人、論理的な人、応用力がある人が頭がよい人である、といった回答もあるだろう。

さらに別の視点からだと、発想が豊か、説明がうまい、行動が効率的、判断が的確といった人を指して「頭がよい」とすることもある。

今、あなたにオススメ

関連ワード

ニュース速報

ワールド

イスラエルに人質1人の遺体返還、残り1人か ラファ

ビジネス

米の同盟国支援縮小、ドルの地位を脅かす可能性=マン

ワールド

トランプ政権、燃費規制の大幅緩和提案 ガソリン車支

ワールド

ヘグセス長官の民間アプリ使用は問題、「米軍危険に」
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:日本時代劇の挑戦
特集:日本時代劇の挑戦
2025年12月 9日号(12/ 2発売)

『七人の侍』『座頭市』『SHOGUN』......世界が愛した名作とメイド・イン・ジャパンの新時代劇『イクサガミ』の大志

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    人生の忙しさの9割はムダ...ひろゆきが語る「休む勇気」
  • 2
    日本酒の蔵元として初の快挙...スコッチの改革に寄与し、名誉ある「キーパー」に任命された日本人
  • 3
    イスラエル軍幹部が人生を賭けた内部告発...沈黙させられる「イスラエルの良心」と「世界で最も倫理的な軍隊」への憂い
  • 4
    【クイズ】17年連続でトップ...世界で1番「平和な国…
  • 5
    【クイズ】日本で2番目に「ホタテの漁獲量」が多い県…
  • 6
    戦争中に青年期を過ごした世代の男性は、終戦時56%…
  • 7
    台湾に最も近い在日米軍嘉手納基地で滑走路の迅速復…
  • 8
    7歳の息子に何が? 学校で描いた「自画像」が奇妙す…
  • 9
    トランプ王国テネシーに異変!? 下院補選で共和党が…
  • 10
    トランプ支持率がさらに低迷、保守地盤でも民主党が…
  • 1
    7歳の息子に何が? 学校で描いた「自画像」が奇妙すぎた...「心配すべき?」と母親がネットで相談
  • 2
    100年以上宇宙最大の謎だった「ダークマター」の正体を東大教授が解明? 「人類が見るのは初めて」
  • 3
    インド国産戦闘機に一体何が? ドバイ航空ショーで墜落事故、浮き彫りになるインド空軍の課題
  • 4
    【最先端戦闘機】ミラージュ、F16、グリペン、ラファ…
  • 5
    128人死亡、200人以上行方不明...香港最悪の火災現場…
  • 6
    【寝耳に水】ヘンリー王子&メーガン妃が「大焦り」…
  • 7
    【クイズ】次のうち、マウスウォッシュと同じ効果の…
  • 8
    【クイズ】世界遺産が「最も多い国」はどこ?
  • 9
    【銘柄】関電工、きんでんが上昇トレンド一直線...業…
  • 10
    子どもより高齢者を優遇する政府...世代間格差は5倍…
  • 1
    東京がニューヨークを上回り「世界最大の経済都市」に...日本からは、もう1都市圏がトップ10入り
  • 2
    一瞬にして「巨大な橋が消えた」...中国・「完成直後」の橋が崩落する瞬間を捉えた「衝撃映像」に広がる疑念
  • 3
    「不気味すぎる...」カップルの写真に映り込んだ「謎の存在」がSNSで話題に、その正体とは?
  • 4
    【写真・動画】世界最大のクモの巣
  • 5
    高速で回転しながら「地上に落下」...トルコの軍用輸…
  • 6
    「999段の階段」を落下...中国・自動車メーカーがPR…
  • 7
    まるで老人...ロシア初の「AIヒト型ロボット」がお披…
  • 8
    【クイズ】本州で唯一「クマが生息していない県」は…
  • 9
    「髪形がおかしい...」実写版『モアナ』予告編に批判…
  • 10
    膝が痛くても足腰が弱くても、一生ぐんぐん歩けるよ…
トランプ2.0記事まとめ
Real
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中