最新記事

キャリア

いま、凡人でも起業して成功できる──その理由

2019年5月10日(金)17時20分
小原聖誉

筆者は大学在学中に起業を意識し始めたが、実際にスマホゲームのマーケティング支援事業で起業したのはその15年後。創業の3年後に大手通信グループにバイアウトし、現在はIT起業の支援・投資活動を行っている。いわば「凡人起業」の伝道師だ。

「凡人起業」とはひと言でいえば、自分の経験を生かし、自分の土地勘のある業界で起業すること。その業界内で、どの会社がどんなことで困っていそうかは、それまでの経験で当たりがつくはずだ。つまり、それまでコツコツやってきたことが「わらしべ長者」式になって起業するというのが「凡人起業」で、起業後のどのフェーズでもコツコツやるということは変わらない。

先述したように、(飲食店などではなく)ITビジネスこそが「凡人起業」に最も向いている。起業へのハードルは低くなってきつつあり、起業したあとも大企業などにイグジットしやすくなっているのだ。誰もが「わらしべ長者」の権利を持っていて、そのことに多くの人が気づいているのだが行動に至らない、というのが現状である。

実際に起業するにせよしないにせよ、次につながる行動をしていくというマインドセットがこれからは重要になる。

だからまず、自分は何をしてきて何ができるのか、冷静に客観的事実を集めてみよう。ミスなく働いているのなら、身に着いた知見や自分にしか見えないもの、自分ならできることが見えるはずだ。自分が発揮できる価値を、幅広い人に提供してゆく、というのが「凡人起業」のあり方だ。

やりたいことではなく、負けないものを見つける。負けない領域とは、競争がない領域である。そんな負けない領域を見つけて、まずはその領域の第一人者になること。

「凡人起業」の3原則は、

1.成長市場に参入する
2.その道のプロになる
3.仕事に集中する仕組みをつくる

だ。

そして自分の領域で第一人者になる具体的な方法が、以下に挙げる「凡人起業ドリブン」である。

【凡人起業ドリブン】
0:今いる会社の社長に起業の相談をする
1:競争を避ける
2:毎日継続できる、レベルの低いことをする
3:毎日継続せざる得ない養成ギブスをはめる
4:無料セミナーをし、資料をつくらざるを得ないよう追い込む
5:自分を信用していないからヒアリングを大切にする
6:誰も否定できないことを整理して先駆者感を出す
7:お金がないから広報に取り上げられる工夫をする
8:自分にはチャンスが少ないことを認識し、真剣に提案する
9:事業が進捗して追い風に乗ってから資金調達する
10:提案先の担当者の社内稟議の面倒さを解決する
11:社員に名前を売ってもらう。売れば売るほど営業が不要になる
12:ニッチでも No.1と言える領域を徹底的につくる。そこが伸びるとトップシェアの自分たちも伸びる

この「凡人起業ドリブン」はどんな業界においても、どんな人でも応用可能だ。

今、あなたにオススメ

関連ワード

ニュース速報

ビジネス

GDPギャップ、25年4―6月期は需要超2兆円=内

ビジネス

午後3時のドルはドル147円付近、売り材料重なる 

ワールド

ロシア、200以上の施設でウクライナの子どもを再教

ワールド

アングル:米保守活動家の銃撃事件、トランプ氏が情報
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:世界が尊敬する日本の小説36
特集:世界が尊敬する日本の小説36
2025年9月16日/2025年9月23日号(9/ 9発売)

優れた翻訳を味方に人気と評価が急上昇中。21世紀に起きた世界文学の大変化とは

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    「最悪」「悪夢だ」 飛行機内で眠っていた女性が撮影...目覚めた時の「信じがたい光景」に驚きの声
  • 2
    「二度見した」「小石のよう...」マッチョ俳優ドウェイン・ジョンソンの、あまりの「激やせぶり」にネット騒然
  • 3
    腹斜筋が「発火する」自重トレーニングとは?...硬く締まった体幹は「横」で決まる【レッグレイズ編】
  • 4
    【クイズ】次のうち、飲むと「蚊に刺されやすくなる…
  • 5
    ケージを掃除中の飼い主にジャーマンシェパードがま…
  • 6
    観光客によるヒグマへの餌付けで凶暴化...74歳女性が…
  • 7
    電車内で「ウクライナ難民の女性」が襲われた驚愕シ…
  • 8
    「我々は嘘をつかれている...」UFOらしき物体にミサ…
  • 9
    【クイズ】世界で1番「島の数」が多い国はどこ?
  • 10
    「この歩き方はおかしい?」幼い娘の様子に違和感...…
  • 1
    【クイズ】世界で唯一「蚊のいない国」はどこ?
  • 2
    「最悪」「悪夢だ」 飛行機内で眠っていた女性が撮影...目覚めた時の「信じがたい光景」に驚きの声
  • 3
    「中野サンプラザ再開発」の計画断念、「考えてみれば当然」の理由...再開発ブーム終焉で起きること
  • 4
    「我々は嘘をつかれている...」UFOらしき物体にミサ…
  • 5
    【クイズ】次のうち、飲むと「蚊に刺されやすくなる…
  • 6
    科学が解き明かす「長寿の謎」...100歳まで生きる人…
  • 7
    「二度見した」「小石のよう...」マッチョ俳優ドウェ…
  • 8
    【クイズ】世界で1番「島の数」が多い国はどこ?
  • 9
    埼玉県川口市で取材した『おどろきの「クルド人問題…
  • 10
    観光客によるヒグマへの餌付けで凶暴化...74歳女性が…
  • 1
    「4針ですかね、縫いました」日本の若者を食い物にする「豪ワーホリのリアル」...アジア出身者を意図的にターゲットに
  • 2
    【クイズ】世界で唯一「蚊のいない国」はどこ?
  • 3
    「まさかの真犯人」にネット爆笑...大家から再三「果物泥棒」と疑われた女性が無実を証明した「証拠映像」が話題に
  • 4
    信じられない...「洗濯物を干しておいて」夫に頼んだ…
  • 5
    「最悪」「悪夢だ」 飛行機内で眠っていた女性が撮影…
  • 6
    「レプトスピラ症」が大規模流行中...ヒトやペットに…
  • 7
    「あなた誰?」保育園から帰ってきた3歳の娘が「別人…
  • 8
    「中野サンプラザ再開発」の計画断念、「考えてみれ…
  • 9
    プール後の20代女性の素肌に「無数の発疹」...ネット…
  • 10
    「我々は嘘をつかれている...」UFOらしき物体にミサ…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中