最新記事

つみたてNISA

つみたてNISAの利点と注意点、ベテラン投資家も知っておきたいこと

2018年9月27日(木)18時35分
株の窓口

つみたてNISAで買えるのは投資信託のみ

NISAとつみたてNISAでは、投資の手法とその対象も大きく異なっています。NISAの場合、自分の好きなように株式や投資信託を買うことができますが、つみたてNISAは、その名のとおり積立のみ。

そして、NISAでは、国内外の上場株式と、ほとんどの投資信託(ETF、リート含む)が対象ですが、つみたてNISAを利用して買うことができるのは「一定の条件を満たした投資信託」のみ。つまり、個別の株式を買うことはできません。

言い換えると、NISAでは、非課税となる投資枠や期間こそ制限がありますが、それ以外は自由に運用することができます。長期保有するもよし、短期トレードをやってみるもよし。自分が好きな会社の株を好きなときに買うことができますし、なかには積立のできる投資信託もあります。

一方、つみたてNISAなら、投資枠が小さいことが、かえって気軽に始められるポイントかもしれません(買いすぎる心配がない)。また、投資対象が限られているので悩む幅も少なく選びやすいでしょうし、さらに、積立なら「買いのタイミング」を気にする必要もありません。

つみたてNISAならではの魅力

金融庁のサイトによると、つみたてNISAは「特に少額からの長期・積立・分散投資を支援するための非課税制度」です。そのため対象商品は、手数料が低水準で、頻繁に分配金が支払われないなど、長期・積立・分散投資に適した投資信託に限定されています。

具体的には、以下の要件をすべてクリアした投資信託(ファンド)のみが対象です(ETFはこれに該当しません)。


【つみたてNISA対象商品の要件(公募株式投資信託の場合)】

・販売手数料はゼロ(ノーロード)
・信託報酬は一定水準以下(例:国内株のインデックス投信の場合5%以下)に限定
・顧客一人ひとりに対して、その顧客が過去1年間に負担した信託報酬の概算金額を通知すること
・信託契約期間が無期限または20年以上であること
・分配頻度が毎月でないこと
・ヘッジ目的の場合等を除き、デリバティブ取引による運用を行っていないこと

手数料がほとんどかからない

要件にある「販売手数料」とは、ファンド購入時にかかる手数料です。通常1〜3%で、最近は1%以下のものも増えていますが、つみたてNISAの対象商品はすべて0%(ノーロード)。

たとえば、20万円で投資信託を購入しようと思った場合、販売手数料が3%のファンドでは、19万4000円分しか買うことができません。ノーロードで20万円分を買える場合と比べると、「スタート地点でまず損をしている」わけです。

「信託報酬」はファンドを運用するための費用で、保有している間ずっとかかります。年率で0.1〜2.4%程度が一般的ですが、毎年かかるだけに、この差も決して侮ることはできません(要件の具体的数値はファンドのタイプによって異なります)。

わかりやすく言うと、つみたてNISAの対象商品は「とにかく手数料が低い」ということです。ファンド選びにおいて手数料は意外と見過ごされがちですが、チリも積もればなんとやら。実は重要なポイントでもあります。

今、あなたにオススメ

関連ワード

ニュース速報

ビジネス

独VW、中国合弁工場閉鎖へ 生産すでに停止=独紙

ビジネス

ECB、ディスインフレ傾向強まれば金融緩和継続を=

ワールド

米中外相がマレーシアで会談、対面での初協議

ワールド

米政府、大規模人員削減加速へ 最高裁の判断受け=関
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:大森元貴「言葉の力」
特集:大森元貴「言葉の力」
2025年7月15日号(7/ 8発売)

時代を映すアーティスト・大森元貴の「言葉の力」の源泉にロングインタビューで迫る

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    「弟ができた!」ゴールデンレトリバーの初対面に、ネットが感動の渦
  • 2
    シャーロット王女の「ロイヤル・ボス」ぶりが話題に...「曾祖母エリザベス女王の生き写し」
  • 3
    トランプ関税と財政の無茶ぶりに投資家もうんざり、「強いドルは終わった」
  • 4
    日本企業の「夢の電池」技術を中国スパイが流出...AP…
  • 5
    アメリカを「好きな国・嫌いな国」ランキング...日本…
  • 6
    完璧な「節約ディズニーランド」...3歳の娘の夢を「…
  • 7
    アメリカの保守派はどうして温暖化理論を信じないの…
  • 8
    名古屋が中国からのフェンタニル密輸の中継拠点に?…
  • 9
    トランプはプーチンを見限った?――ウクライナに一転パ…
  • 10
    【クイズ】日本から密輸?...鎮痛剤「フェンタニル」…
  • 1
    ディズニー・クルーズラインで「子供が海に転落」...父親も飛び込み大惨事に、一体何が起きたのか?
  • 2
    「弟ができた!」ゴールデンレトリバーの初対面に、ネットが感動の渦
  • 3
    日本企業の「夢の電池」技術を中国スパイが流出...APB「乗っ取り」騒動、日本に欠けていたものは?
  • 4
    後ろの川に...婚約成立シーンを記録したカップルの幸…
  • 5
    シャーロット王女の「ロイヤル・ボス」ぶりが話題に..…
  • 6
    「やらかした顔」がすべてを物語る...反省中のワンコ…
  • 7
    「本物の強さは、股関節と脚に宿る」...伝説の「元囚…
  • 8
    「飛行機内が臭い...」 原因はまさかの「座席の下」…
  • 9
    為末大×TAKUMI──2人のプロが語る「スポーツとお金」 …
  • 10
    職場でのいじめ・パワハラで自死に追いやられた21歳…
  • 1
    「コーヒーを吹き出すかと...」ディズニーランドの朝食が「高額すぎる」とSNSで大炎上、その「衝撃の値段」とは?
  • 2
    「あまりに愚か...」国立公園で注意を無視して「予測不能な大型動物」に近づく幼児連れ 「ショッキング」と映像が話題に
  • 3
    10歳少女がサメに襲われ、手をほぼ食いちぎられる事故...「緊迫の救護シーン」を警官が記録
  • 4
    JA・卸売業者が黒幕説は「完全な誤解」...進次郎の「…
  • 5
    ディズニー・クルーズラインで「子供が海に転落」...…
  • 6
    気温40℃、空港の「暑さ」も原因に?...元パイロット…
  • 7
    燃え盛るロシアの「黒海艦隊」...ウクライナの攻撃で…
  • 8
    「小麦はもう利益を生まない」アメリカで農家が次々…
  • 9
    イランを奇襲した米B2ステルス機の謎...搭乗した専門…
  • 10
    「うちの赤ちゃんは一人じゃない」母親がカメラ越し…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中