最新記事

つみたてNISA

つみたてNISAの利点と注意点、ベテラン投資家も知っておきたいこと

2018年9月27日(木)18時35分
株の窓口

Indysystem-iStock.

<NISAとつみたてNISAはどう違うか。つみたてNISAならではの利点と注意点は何か。そして投資初心者でない人も、つみたてNISAから得られる気づきとは>

2014年から始まった「NISA」と、今年からスタートした「つみたてNISA」。もう利用していますか? ベテランの投資家ならば自分には必要ないと思っているかもしれませんが、株初心者向けだからこその魅力があるだけでなく、そこから投資のある重要な気づきを得ることもできます。

従来のNISAを比較しながら、つみたてNISAならではの利点と注意点を見ていきましょう。

NISAとの共通点・相違点

NISAとは「少額投資非課税制度」のことで、若い世代など初心者の人が株を始めやすいようにと、一定の金額までを非課税にする制度です。さらに、少額で長期の運用を支援しようということで始まったのが、つみたてNISAです。

(参考記事)これで納得! 5分でわかるNISAのメリット・デメリット

どちらの場合も税金20%がゼロになる

どちらも最大の特徴は、もちろん「運用益が非課税」という点でしょう。運用益とは、株式や投資信託を買ったり売ったりすることで得られる利益です(配当も含む)。要するに、「儲けた分に税金はかかりませんよ」という、なんとも魅力的な制度なのです。

通常、株式や投資信託を運用して得た利益にかかる税金は20.315%です(所得税15.315%+住民税5%)。結構取られるなぁ〜と思った方も多いのではないでしょうか?

ある投資信託を10万円で買って、それが12万円になった時点で売却すると、2万円の利益になります(売却手数料はないものとします)。通常であれば、ここから税金が差し引かれて、手元に残るのは1万5937円ですが、NISAやつみたてNISAを利用していれば、まるまる2万円が手に入ります。

枠は小さいが期間が長い「つみたてNISA」

ただし、NISAの場合なら年間120万円、つみたてNISAでは年間40万円という非課税投資枠が設けられています。これは、1年間に新規で購入できる金額であって、非課税となる利益の額ではありません。また、途中で売却したとしても、投資枠は増えません。

つみたてNISAでは、NISAの3分の1しか投資枠がないわけですが、その代わり、非課税期間が長いのが特徴です。NISAの5年間に対して、つみたてNISAは20年間。今年つみたてNISAを利用して投資信託を40万円で買えば、そこから得られる利益は今後20年にわたって非課税、ということです。

年間の非課税投資枠と非課税期間をかけた最大非課税金額を比べると、NISAは600万円(年間120万円×5年)ですが、つみたてNISAなら800万円(年間40万円×20年)で200万円も多くなります。

今、あなたにオススメ

関連ワード

ニュース速報

ビジネス

ユーロ圏GDP、第3四半期速報+0.2%で予想上回

ビジネス

日産、今期は2750億円の営業赤字を予想 売上高は

ビジネス

デジタルユーロ、27年にも試験運用開始の可能性=E

ワールド

米大統領、対中関税10%下げ表明 レアアース輸出継
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:高市早苗研究
特集:高市早苗研究
2025年11月 4日/2025年11月11日号(10/28発売)

課題だらけの日本の政治・経済・外交を初の女性首相はこう変える

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    【クイズ】本州で唯一「クマが生息していない県」はどこ?
  • 2
    【クイズ】ヒグマの生息数が「世界で最も多い国」はどこ?
  • 3
    女性の後を毎晩つけてくるストーカー...1週間後、雨の夜の急展開に涙
  • 4
    【ウクライナ】要衝ポクロウシクの攻防戦が最終局面…
  • 5
    コレがなければ「進次郎が首相」?...高市早苗を総理…
  • 6
    【クイズ】開館が近づく「大エジプト博物館」...総工…
  • 7
    【話題の写真】自宅の天井に突如現れた「奇妙な塊」…
  • 8
    【クイズ】1位は「蚊」...世界で「2番目に」人間を殺…
  • 9
    【クイズ】12名が死亡...世界で「最も死者数が多い」…
  • 10
    リチウムイオンバッテリー火災で国家クラウドが炎上─…
  • 1
    【クイズ】本州で唯一「クマが生息していない県」はどこ?
  • 2
    英国で「パブ離れ」が深刻化、閉店ペースが加速...苦肉の策は「日本では当たり前」の方式だった
  • 3
    中国レアアース輸出規制強化...代替調達先に浮上した国は?
  • 4
    【話題の写真】自宅の天井に突如現れた「奇妙な塊」…
  • 5
    超大物俳優、地下鉄移動も「完璧な溶け込み具合」...…
  • 6
    【クイズ】ヒグマの生息数が「世界で最も多い国」は…
  • 7
    熊本、東京、千葉...で相次ぐ懸念 「土地の買収=水…
  • 8
    女性の後を毎晩つけてくるストーカー...1週間後、雨…
  • 9
    【クイズ】1位は「蚊」...世界で「2番目に」人間を殺…
  • 10
    【ウクライナ】要衝ポクロウシクの攻防戦が最終局面…
  • 1
    【クイズ】本州で唯一「クマが生息していない県」はどこ?
  • 2
    英国で「パブ離れ」が深刻化、閉店ペースが加速...苦肉の策は「日本では当たり前」の方式だった
  • 3
    【クイズ】ヒグマの生息数が「世界で最も多い国」はどこ?
  • 4
    かばんの中身を見れば一発でわかる!「認知症になり…
  • 5
    「大谷翔平の唯一の欠点は...」ドジャース・ロバーツ…
  • 6
    1000人以上の女性と関係...英アンドルー王子、「称号…
  • 7
    増加する「子どもを外注」する親たち...ネオ・ネグレ…
  • 8
    悲しみで8年間「羽をむしり続けた」オウム...新たな…
  • 9
    バフェット指数が異常値──アメリカ株に「数世代で最…
  • 10
    「日本の高齢化率は世界2位」→ダントツの1位は超意外…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中