最新記事

キャリア

起業のサポート本 お荷物社員の活用法から燃え尽き対策まで

2018年3月27日(火)20時46分
ニューズウィーク日本版ウェブ編集部

Ildo Frazao-iStock.

<急速に成長し、成功を収めた米おもちゃ会社のCEOが直伝。起業してから1年間をリーダーはどう思考し、行動すべきか>

日本では毎年30万人近くの「起業家」が誕生している。

ただし、この数字は「過去1年間に職を変えた又は新たに職に就いた者のうち、現在は会社等の役員又は自営業主となっている者」という定義で算出されたものなので、実際には、自分を「起業家」だと認識していない人も含まれているだろう(参照:「中小企業白書」2017年版)。

それでも、会社員という安定した地位を捨て(あるいは選ばずに)、自分の力でビジネスをしていこうと決めた人たちの数であることに違いはない。近年では女性の起業希望者も増え、高校生や中学生にも起業意識が浸透してきているという。

だが言うまでもなく、起業はスタート地点に過ぎない。そこから苦難の道のりが始まる......そう語るのは、『全米最速成長企業のCEO直伝 356日スタートアップ大作戦!』(前田雅子訳、CCCメディアハウス)の著者、レット・パワーだ。

「全米最速」の成長を遂げられた理由

レット・パワーは2007年、パートナーと共にワイルドクリエーションズ(Wild Creations)という、公共空間に遊べるオブジェを作るおもちゃ会社を設立する。

同社は革新的なおもちゃを次々と発表し、これまでに40以上の国でさまざまな賞をもらっている。そして、インク誌が選ぶ「最も急速に成長しているアメリカ企業」や、米商工会議所の「Blue Ribbon Top 75 US Company」に選ばれるなど、輝かしい成功を収めた。

だが実のところ、起業からわずか2年後の2009年には、破産寸前にまで追いつめられていたという。パワーに言わせれば、「その長い2年間で私たちはほぼすべてを失った」。進むべき方向を見失ったことで、パワーはいったん立ち止まり、自分自身とビジネスについて考えさせられることになった。

自分たちは何をしてきたのか、何が足りなかったのか、これからどこを目指していくのか。会社存続の危機にまで追いつめられたことが、かえってリセットボタンを押すきっかけとなり、これによって彼の会社は再び上昇気流に乗ることができた。

パワーが窮地で見出した「成功するためのマインドセット」を、迷える多くの新人起業家たちに伝えること、それが本書の趣旨だ。

本書はまた、1年365日にわたって活用できる"アクション・ブック"でもある。週ごとにテーマが設けられ、「今日はこれについて考えるべし」という課題が日々与えられるのだ。今では世界的なコンサルタントでもあるパワーが、二人三脚で新人起業家のサポートをしてくれる、というわけだ。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ビジネス

NY外為市場=円が軟化、介入警戒続く

ビジネス

米国株式市場=横ばい、AI・貴金属関連が高い

ワールド

米航空会社、北東部の暴風雪警報で1000便超欠航

ワールド

ゼレンスキー氏は「私が承認するまで何もできない」=
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:ISSUES 2026
特集:ISSUES 2026
2025年12月30日/2026年1月 6日号(12/23発売)

トランプの黄昏/中国AI/米なきアジア安全保障/核使用の現実味......世界の論点とキーパーソン

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    90代でも元気な人が「必ず動かしている体の部位」とは何か...血管の名医がたどり着いた長生きの共通点
  • 2
    アジアの豊かな国ランキング、日本は6位──IMF予測
  • 3
    中国、インドをWTOに提訴...一体なぜ?
  • 4
    『SHOGUN 将軍』の成功は嬉しいが...岡田准一が目指…
  • 5
    アベノミクス以降の日本経済は「異常」だった...10年…
  • 6
    「衣装がしょぼすぎ...」ノーラン監督・最新作の予告…
  • 7
    中国、米艦攻撃ミサイル能力を強化 米本土と日本が…
  • 8
    【世界を変える「透視」技術】数学の天才が開発...癌…
  • 9
    ウクライナ水中ドローンが、ロシア潜水艦を爆破...「…
  • 10
    赤ちゃんの「足の動き」に違和感を覚えた母親、動画…
  • 1
    90代でも元気な人が「必ず動かしている体の部位」とは何か...血管の名医がたどり着いた長生きの共通点
  • 2
    アジアの豊かな国ランキング、日本は6位──IMF予測
  • 3
    「食べ方の新方式」老化を防ぐなら、食前にキャベツよりコンビニで買えるコレ
  • 4
    『SHOGUN 将軍』の成功は嬉しいが...岡田准一が目指…
  • 5
    中国、インドをWTOに提訴...一体なぜ?
  • 6
    【過労ルポ】70代の警備員も「日本の日常」...賃金低…
  • 7
    海水魚も淡水魚も一緒に飼育でき、水交換も不要...ど…
  • 8
    批評家たちが選ぶ「2025年最高の映画」TOP10...満足…
  • 9
    待望の『アバター』3作目は良作?駄作?...人気シリ…
  • 10
    アベノミクス以降の日本経済は「異常」だった...10年…
  • 1
    日本がゲームチェンジャーの高出力レーザー兵器を艦載、海上での実戦試験へ
  • 2
    90代でも元気な人が「必ず動かしている体の部位」とは何か...血管の名医がたどり着いた長生きの共通点
  • 3
    人口減少が止まらない中国で、政府が少子化対策の切り札として「あるもの」に課税
  • 4
    アジアの豊かな国ランキング、日本は6位──IMF予測
  • 5
    日本人には「当たり前」? 外国人が富士山で目にした…
  • 6
    【銘柄】オリエンタルランドが急落...日中対立が株価…
  • 7
    日本の「クマ問題」、ドイツの「問題クマ」比較...だ…
  • 8
    「勇気ある選択」をと、IMFも警告...中国、輸出入と…
  • 9
    【衛星画像】南西諸島の日米新軍事拠点 中国の進出…
  • 10
    「食べ方の新方式」老化を防ぐなら、食前にキャベツ…
トランプ2.0記事まとめ
Real
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中