最新記事
インド経済

「これからはインドだ!」は本当か?日本企業が知っておくべきインドビジネスの可能性と落とし穴

2025年8月18日(月)07時30分
楢橋広基(本誌記者)

手厚いインセンティブは魅力

Q:経済成長に加え、人口増加も注目が高い理由なのか。

A:少子高齢化問題が迫る中国に対し、インドは2023年に人口が世界一となった。インドの出生率は現在2.0で都市部を中心に生まれる子供の数は以前より減少しているとはいえ、人口ボーナス期は2050年頃まで続くと考えられている。東南アジアの中進国や人口規模の比較的小規模な国々と異なり、工場などで人材不足に悩むことは現時点ではほとんどない。実際、ジェトロはインドに5カ所事務所を設置しているが、いずれの事務所でも人手不足に関する相談が寄せられるケースは稀だ。


加えて、中間層が拡大してきており、今後さらにその層は拡大していくことが予想される。ユーロモニター・インターナショナルの調査によると、2020年時点でのインドの低所得者層は43.1%だったが、2040年には3.5%まで減少し、その分中間層の割合が大きく高まると考えられている。

制度面では、近年製造業を中心に補助金制度が手厚くなっているのも魅力だ。例えば、生産連動型優遇策(PLI)という制度では、原産地割合など細かい基準があるものの、インド政府が定める14の重点分野で適格基準を満たせば、新規工場を設立した製造業企業に対し、売上高の増加額などに応じてインセンティブ(補助金)が支給される。同様の制度は各州も実施しており、インドビジネスを考える企業にとって魅力的なインセンティブとなるだろう。

また、中国では中国語ができないとビジネスや日常生活を送ることが難しいのに対し、インドの多くの地域では英語が広く使われている。日本人にとって、言語的なハードルが中国ほど高くないのも魅力的に映る。

あわせて読みたい
ニュース速報

ワールド

イラン抗議デモで死者500人超、トランプ氏「強力な

ビジネス

トランプ氏、ベネズエラ投資巡りエクソン排除示唆 C

ワールド

G7重要鉱物会合、豪印も参加と米財務長官 12日ワ

ビジネス

米政権が刑事訴追警告とパウエル氏、利下げ圧力強化の
あわせて読みたい
MAGAZINE
特集:AI兵士の新しい戦争
特集:AI兵士の新しい戦争
2026年1月13日号(1/ 6発売)

ヒューマノイド・ロボット「ファントムMK1」がアメリカの戦場と戦争をこう変える

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    【クイズ】世界で最も「レアアースの埋蔵量」が多い国はどこ?【2025年の話題クイズ5選】
  • 2
    中国製防空レーダーは米軍のベネズエラ攻撃に屈した──台湾高官が分析
  • 3
    中国が投稿したアメリカをラップで風刺するAI動画をネット民冷笑...「本当に痛々しい」
  • 4
    Netflix『ストレンジャー・シングス』最終シーズンへ…
  • 5
    【クイズ】世界で唯一「蚊のいない国」はどこ?【202…
  • 6
    【クイズ】ヒグマの生息数が「世界で最も多い国」は…
  • 7
    【クイズ】本州で唯一「クマが生息していない県」は…
  • 8
    【クイズ】アメリカを貿易赤字にしている国...1位は…
  • 9
    飛行機内で「マナー最悪」の乗客を撮影...SNS投稿が…
  • 10
    決死の嘘が救ったクリムトの肖像画 ──ナチスの迫害を…
  • 1
    【クイズ】世界で最も「レアアースの埋蔵量」が多い国はどこ?【2025年の話題クイズ5選】
  • 2
    中国製防空レーダーは米軍のベネズエラ攻撃に屈した──台湾高官が分析
  • 3
    【クイズ】世界で唯一「蚊のいない国」はどこ?【2025年の話題クイズ5選】
  • 4
    【クイズ】本州で唯一「クマが生息していない県」は…
  • 5
    中国が投稿したアメリカをラップで風刺するAI動画を…
  • 6
    次々に船に降り立つ兵士たち...米南方軍が「影の船団…
  • 7
    Netflix『ストレンジャー・シングス』最終シーズンへ…
  • 8
    ベネズエラの二の舞を恐れイランの最高指導者ハメネ…
  • 9
    【クイズ】アメリカを貿易赤字にしている国...1位は…
  • 10
    「グリーンランドにはロシアと中国の船がうじゃうじ…
  • 1
    日本がゲームチェンジャーの高出力レーザー兵器を艦載、海上での実戦試験へ
  • 2
    【クイズ】世界で最も「レアアースの埋蔵量」が多い国はどこ?【2025年の話題クイズ5選】
  • 3
    90代でも元気な人が「必ず動かしている体の部位」とは何か...血管の名医がたどり着いた長生きの共通点
  • 4
    ウクライナ水中ドローンが、ロシア潜水艦を爆破...「…
  • 5
    アジアの豊かな国ランキング、日本は6位──IMF予測
  • 6
    人口減少が止まらない中国で、政府が少子化対策の切…
  • 7
    中国製防空レーダーは米軍のベネズエラ攻撃に屈した─…
  • 8
    【クイズ】世界で唯一「蚊のいない国」はどこ?【202…
  • 9
    「腸が弱ると全身が乱れる」...消化器専門医がすすめ…
  • 10
    『SHOGUN 将軍』の成功は嬉しいが...岡田准一が目指…
トランプ2.0記事まとめ
Real
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中