最新記事
マーケット

イラン核施設攻撃、市場はどう動くか「間違いなくエネルギー価格、インフレにも波及する可能性」

2025年6月22日(日)17時33分

一方で、歴史的に見れば株価の下落は一時的なものに過ぎないかもしれない。2003年のイラク侵攻や19年のサウジアラビア石油施設への攻撃など、中東情勢の緊張が高まった際には株価は当初低迷したものの、数カ月後にはすぐに回復し上昇に転じた。

ウェドブッシュ証券とキャップIQプロが過去の紛争事例を分析したデータによると、S&P500は紛争開始後3週間で平均0.3%下落したが、紛争から2カ月後には平均2.3%上昇していた。

<ドルへの影響は複雑>

「米国例外主義」が色あせつつあるとの懸念からドルは今年に入って下落しているが、紛争の激化は複雑な影響をもたらす可能性がある。

アナリストらは、米国によるイラン・イスラエル紛争への直接介入により、ドルは当初安全資産として買われる可能性があると指摘する。

IBKRのチーフ市場ストラテジスト、スティーブ・ソスニック氏は、安全資産への逃避が見られれば、米国債利回りは低下しドルは上昇することになるだろうと述べた。

「株価がマイナスに反応しないのは想像し難いが、問題はどの程度マイナスに反応するかだ。それはイランの反応と原油価格が急騰するかどうかにかかっている」と語った。

[ロイター]


トムソンロイター・ジャパン

Copyright (C) 2024トムソンロイター・ジャパン(株)記事の無断転用を禁じます

ニューズウィーク日本版 山に挑む
※画像をクリックすると
アマゾンに飛びます

2025年7月29日号(7月23日発売)は「山に挑む」特集。心と身体に健康をもたらすクライミングが世界的に大ブーム [PLUS]世界トレッキング名峰5選

※バックナンバーが読み放題となる定期購読はこちら


あわせて読みたい
ニュース速報

ワールド

トルコ外相、シリアの分裂阻止に決意 直接介入辞さな

ワールド

トランプ氏、習主席と「近い将来」に会談 訪中の招待

ワールド

パウエルFRB議長は「もうすぐ辞める」=トランプ氏

ワールド

米、AI技術の海外展開や規制緩和を計画 23日発表
あわせて読みたい
MAGAZINE
特集:山に挑む
特集:山に挑む
2025年7月29日号(7/23発売)

野外のロッククライミングから屋内のボルダリングまで、心と身体に健康をもたらすクライミングが世界的に大ブーム

メールマガジンのご登録はこちらから。
メールアドレス

ご登録は会員規約に同意するものと見なします。

人気ランキング
  • 1
    その首輪に書かれていた「8文字」に、誰もが言葉を失った
  • 2
    頭はどこへ...? 子グマを襲った「あまりの不運」が話題に
  • 3
    「細身パンツ」はもう古い...メンズファッションは「ゆったり系」がトレンドに
  • 4
    ロシアの労働人口減少問題は、「お手上げ状態」と人…
  • 5
    日本より危険な中国の不動産バブル崩壊...目先の成長…
  • 6
    アメリカで「地熱発電革命」が起きている...来年夏に…
  • 7
    「マシンに甘えた筋肉は使えない」...背中の筋肉細胞…
  • 8
    「想像を絶する」現場から救出された164匹のシュナウ…
  • 9
    約558億円で「過去の自分」を取り戻す...テイラー・…
  • 10
    父の急死後、「日本最年少」の上場企業社長に...サン…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中