「70年代の日本」を彷彿...発展を謳歌する「これからの国」ベトナムで見た日本企業の存在感
Seeking Growth in Vietnam

だが、彼にも警戒する存在がある。この国で急速に存在感を増している中国企業だ。「彼らはスピードと順応性にたけている」と、ルーンは言う。「学ぶのが速く、コピーするのも速い。すぐにアレンジしてしまう。顧客が高い品質を求めなければ、あっという間に形にして差し出せる」
実際に隣国フィリピンでは、かつて配線器具のシェアでパナソニックが1位だったものの、不動産不況による内需の低迷で国外に活路を求めた中国メーカーの進出により23年には3位へと転落した。
さらにこの動きを加速させる要因になりそうなのが、アメリカの動向だ。2月4日にはトランプ政権が中国に対して10%の追加関税を発動した。関税を逃れるために中国企業が生産拠点を東南アジアに移管する動きは第1次トランプ政権時にも見られたが、今回も同様の動きが起きることは間違いない。

これに日本企業はどう対抗するのか。坂部は「商品力で勝ち切っていく」と意気込む。ルーンも、ベトナム人にとって同社製品は「プレミアム」なものであり、購入できるのは「誇らしいこと」とされてきたと言う。高所得層が増え、高い生活水準へのニーズが高まっていることは、同社だけでなく多くの日本企業にとって追い風と言えるだろう。
長年にわたり浸透したブランド力と、全土に築いたネットワークから顧客の要望を吸い上げて新商品に転化する仕組みは、容易に「コピー」できるものではないはずだ。
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