最新記事
東南アジア

もうグローバル経済の「傍観者」ではない...マレーシア首相が語る、ASEANが世界経済にもたらす成長と繁栄

SOUTHEAST ASIA

2025年1月12日(日)15時10分
アンワル・イブラヒム(マレーシア首相)
世界経済への貢献を誓うASEAN

VISOOT UTHAIRAM/GETTY IMAGES

<今年ASEANの議長国を務めるマレーシアのアンワル・イブラヒム首相が掲げた、東南アジアの未来を築くためのマレーシア主導の新ルネサンス宣言>

マレーシアが議長国に就任する2025年、ASEANは大きな転換点を迎える。世界の分断が進むなか、マレーシアは「ASEAN共同体ビジョン2045」を提唱している。今後20年間にわたり地域の成長と繁栄を導くことを目的とした戦略的計画だ。東南アジア全体の平和と繁栄を支える包摂性と強靱性のある未来を築くことを目指している。

ASEANが創設された1967年、この地域は冷戦の戦場だった。現在も再び、大国間の対立に巻き込まれようとしている。

だが平和、安定、発展を育むというASEANの設立当初からの使命は、今も全く変わらぬ重要性を持つ。現在ASEANは10の加盟国と6億7000万人を超える人口を擁し、さまざまな政治的状況が混在しているが、域内経済は世界有数の活力を誇る。


マレーシアの議長国就任を支えるのは、包摂性と持続可能性という「ASEAN共同体ビジョン2025」のテーマの下に前進するというビジョンだ。これは経済的な実利主義と人間中心の価値観を融合し、誰一人取り残さないことを目指す。

戦略的競争から気候変動まで世界に緊張が高まるなか、ASEANの協調精神はこれまでになく重要だ。選択肢ははっきりしている。団結して前進するのか、それとも勢いを増す分断の力にのみ込まれるのか。

ASEANにおけるマレーシアの責務は、対外的な同盟関係を強化することにもある。ASEANプラスのパートナー(中国、日本、韓国、インド、オーストラリア、ニュージーランド)やBRICSプラスのような新興のグローバルグループとより深く関わることが不可欠だ。

SDGs
2100年には「寿司」がなくなる?...斎藤佑樹×佐座槙苗と学ぶ「サステナビリティ」 スポーツ界にも危機が迫る!?
あわせて読みたい
ニュース速報

ワールド

英財務相、増税不可避と強く示唆 昨年総選挙の公約破

ビジネス

日経平均は続伸で寄り付く、米株高を好感 主力株しっ

ワールド

イスラエル首相とクシュナー氏が会談、ガザ和平計画「

ビジネス

バフェット氏、株主へ「最後の手紙」 後任アベル氏を
あわせて読みたい
MAGAZINE
特集:世界最高の投手
特集:世界最高の投手
2025年11月18日号(11/11発売)

日本最高の投手がMLB最高の投手に──。全米が驚愕した山本由伸の投球と大谷・佐々木の活躍

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    ドジャースの「救世主」となったロハスの「渾身の一撃」は、キケの一言から生まれた
  • 2
    『プレデター: バッドランド』は良作?駄作?...批評家たちのレビューは「一方に傾いている」
  • 3
    【写真・動画】世界最大のクモの巣
  • 4
    コロンビアに出現した「謎の球体」はUFOか? 地球外…
  • 5
    「不気味すぎる...」カップルの写真に映り込んだ「謎…
  • 6
    中年男性と若い女性が「スタバの限定カップ」を取り…
  • 7
    インスタントラーメンが脳に悪影響? 米研究が示す「…
  • 8
    「座席に体が収まらない...」飛行機で嘆く「身長216c…
  • 9
    レイ・ダリオが語る「米国経済の危険な構造」:生産…
  • 10
    「爆発の瞬間、炎の中に消えた」...UPS機墜落映像が…
  • 1
    「不気味すぎる...」カップルの写真に映り込んだ「謎の存在」がSNSで話題に、その正体とは?
  • 2
    【写真・動画】世界最大のクモの巣
  • 3
    【クイズ】本州で唯一「クマが生息していない県」はどこ?
  • 4
    『プレデター: バッドランド』は良作?駄作?...批評…
  • 5
    「座席に体が収まらない...」飛行機で嘆く「身長216c…
  • 6
    ドジャースの「救世主」となったロハスの「渾身の一…
  • 7
    「遺体は原型をとどめていなかった」 韓国に憧れた2…
  • 8
    筋肉を鍛えるのは「食事法」ではなく「規則」だった.…
  • 9
    「路上でセクハラ」...メキシコ・シェインバウム大統…
  • 10
    クマと遭遇したら何をすべきか――北海道80年の記録が…
  • 1
    【クイズ】本州で唯一「クマが生息していない県」はどこ?
  • 2
    英国で「パブ離れ」が深刻化、閉店ペースが加速...苦肉の策は「日本では当たり前」の方式だった
  • 3
    【クイズ】ヒグマの生息数が「世界で最も多い国」はどこ?
  • 4
    「不気味すぎる...」カップルの写真に映り込んだ「謎…
  • 5
    【写真・動画】世界最大のクモの巣
  • 6
    1000人以上の女性と関係...英アンドルー王子、「称号…
  • 7
    【クイズ】クマ被害が相次ぐが...「熊害」の正しい読…
  • 8
    【クイズ】日本でツキノワグマの出没件数が「最も多…
  • 9
    お腹の脂肪を減らす「8つのヒント」とは?...食事以…
  • 10
    今年、記録的な数の「中国の飲食店」が進出した国
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中