仕事にも人生にも大いに役立つ「気付き」と「教養」をくれる、いまイチオシの本をピックアップ

2024年5月1日(水)19時17分
flier編集部

「なるほど」と思わず唸る、深くて鋭い指摘が炸裂

校閲至極
 著者:毎日新聞校閲センター
 出版社:毎日新聞出版

出版社の校閲部が舞台となった宮木あや子さんの小説『校閲ガール』が、石原さとみさん主演でテレビドラマ化されたことで、「校閲」の仕事が広く知られるようになりました。

本書は、誰にでも読みやすく正確に伝わる日本語をめざし、誤字や不適切表記と格闘する新聞校閲記者のコラム。校閲とは人の間違いを見つけて「悦」に入るというより、見逃して「恐れ」を抱くような仕事。正解のない問題に日々あがき続ける姿に、共感の声が集まっています。

事実確認を徹底する執念と行動力、その真摯な働きぶりに胸が熱くなります。そうか、なるほど!と思わず膝を打ってしまう、校閲の仕事の奥深さと面白さが分かる良書です。

(毎日新聞出版 図書編集部 峯晴子)

「自己肯定感は低いくらいでちょうどいい」

発達障害で「ぐちゃぐちゃな私」が最高に輝く方法
 著者:中村郁
 出版社:秀和システム

フジテレビ「土曜はナニする?!」、関西テレビ「ちゃちゃ入れマンデー」。著者は複数の人気番組でナレーションを担当し、声優としても活躍してきました。そんな著者は、実は発達障害を抱えており、「苦手なことを手放し、好きなことを選択して生きていく」を実践しています。

著者は、過剰に集中し過ぎてしまう「過集中」の傾向があり、物忘れがひどく、片づけも苦手でした。アルバイトもすぐクビになる日々。自信がなく就職活動をしませんでしたが、ナレーターの道を勧められ、大学卒業と同時に現在の事務所に所属します。

ナレーターは高い集中力が必要な仕事です。著者は人の声が聞こえなくなるほど集中するので、噛まずに読めます。また、没頭したときの調査力にくわえ、表現力・国語力の高さが評価され、数々のオーディションに合格! 短所が立派な長所になったのです。

著者は自己肯定感が低いままでもいいといいます。「できないことをできるようになるために特訓するのではなく、工夫をしよう」と考えているのです(どのように工夫しているかは本書にて)。本書では、発達障害の著者を成功に導いた数々のライフハックを大公開します。いずれも自分の人生を幸せにしてくれる「シンプル」な方法です。

「発達障害で困っている」「私ってADHD?」という方や、「子どものことで悩んでいる」という方に、ぜひご一読いただきたい一冊です。

(秀和システム 担当)

あわせて読みたい
ニュース速報

ビジネス

バークシャー、第2四半期は減益 クラフト株で37.

ビジネス

クグラーFRB理事が退任、8日付 トランプ氏歓迎

ビジネス

アングル:米企業のCEO交代加速、業績不振や問題行

ビジネス

アングル:消費財企業、米関税で価格戦略のジレンマ
あわせて読みたい
MAGAZINE
特集:トランプ関税15%の衝撃
特集:トランプ関税15%の衝撃
2025年8月 5日号(7/29発売)

例外的に低い日本への税率は同盟国への配慮か、ディールの罠か

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    「週4回が理想です」...老化防止に効くマスターベーション、医師が語る熟年世代のセルフケア
  • 2
    オーランド・ブルームの「血液浄化」報告が物議...マイクロプラスチックを血中から取り除くことは可能なのか?
  • 3
    12歳の娘の「初潮パーティー」を阻止した父親の投稿がSNSで話題に、母親は嫌がる娘を「無視」して強行
  • 4
    カムチャツカも東日本もスマトラ島沖も──史上最大級…
  • 5
    メーガンとキャサリン、それぞれに向けていたエリザ…
  • 6
    日本人の児童買春ツアーに外務省が異例の警告
  • 7
    いま玄関に「最悪の来訪者」が...ドアベルカメラから…
  • 8
    ウォーキングだけでは「寝たきり」は防げない──自宅…
  • 9
    ハムストリングスは「体重」を求めていた...神が「脚…
  • 10
    枕元に響く「不気味な咀嚼音...」飛び起きた女性が目…
  • 1
    「週4回が理想です」...老化防止に効くマスターベーション、医師が語る熟年世代のセルフケア
  • 2
    ウォーキングだけでは「寝たきり」は防げない──自宅で簡単にできる3つのリハビリ法
  • 3
    12歳の娘の「初潮パーティー」を阻止した父親の投稿がSNSで話題に、母親は嫌がる娘を「無視」して強行
  • 4
    日本人の児童買春ツアーに外務省が異例の警告
  • 5
    囚人はなぜ筋肉質なのか?...「シックスパック」は夜…
  • 6
    いま玄関に「最悪の来訪者」が...ドアベルカメラから…
  • 7
    いきなり目の前にヒグマが現れたら、何をすべき? 経…
  • 8
    枕元に響く「不気味な咀嚼音...」飛び起きた女性が目…
  • 9
    【クイズ】1位は韓国...世界で2番目に「出生率が低い…
  • 10
    一帯に轟く爆発音...空を横切り、ロシア重要施設に突…
  • 1
    「週4回が理想です」...老化防止に効くマスターベーション、医師が語る熟年世代のセルフケア
  • 2
    その首輪に書かれていた「8文字」に、誰もが言葉を失った
  • 3
    ウォーキングだけでは「寝たきり」は防げない──自宅で簡単にできる3つのリハビリ法
  • 4
    頭はどこへ...? 子グマを襲った「あまりの不運」が…
  • 5
    幸せホルモン「セロトニン」があなたを変える──4つの…
  • 6
    囚人はなぜ筋肉質なのか?...「シックスパック」は夜…
  • 7
    「細身パンツ」はもう古い...メンズファッションは…
  • 8
    「ベンチプレス信者は損している」...プッシュアップ…
  • 9
    ロシアの労働人口減少問題は、「お手上げ状態」と人…
  • 10
    いきなり目の前にヒグマが現れたら、何をすべき? 経…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中