最新記事

自己啓発

これだけは絶対にやってはいけない 稲盛和夫が断言した「成功しない人」に共通するたった1つのこと

2023年2月20日(月)15時45分
宮崎直子(ライフコーチ) *PRESIDENT Onlineからの転載

鋼の自己肯定感を手に入れた理由

1.他人からの評価
まず、何かを決める時、人にどう評価されるかを気にして判断するのではなく、「もし天が見ているとしたら私にどうしてほしいだろう、私がどんな決断を下したら天は喜んでくれるだろう」という観点で考えることが習慣化された。自分は常に天にOKを出してもらえる決断、行動をしているという自負がある。だから、自分が下した判断を他人が評価してくれればもちろんうれしいが、評価してくれなくても落ち込むことはなくなった。

鋼の自己肯定感2.他人との比較における自己評価
稲盛さんは「才能を私物化するな」という言葉を使って、「我々一人一人にはなんらかの才能があり、それを世のために使え、私利私欲で出し惜しみするな」と解いている。私には私にしかできない天から与えられた才能がある。私がすべきことはそれを最大限世のお役に立てることだ......。そう考えて自分にできることを出し惜しみなく行動に移すようになってからは、他人と比較して自己肯定感が下がることもなくなった。

3.成功と失敗
また、損得勘定で考える成功や失敗と、敬天愛人がベースの成功や失敗は180度異なる。損得勘定で考える成功は自分がすぐに得をすることだが、自分のことしか考えていないので視野が狭い。一見得をしているように見えるが、その先にあるさまざまな障害が見えていないので、長期的には失敗に終わりやすい。

一方で天が考える成功は、なるべく多くの人に恩恵をもたらすことだ。目先の利益に心を奪われることなく、天が喜ぶ成功を意識すると、視座が高くなり、結果としてより良い判断ができる。これを理解して実践するようになってからは損得ベースでの成功失敗に一喜一憂することはなくなり、本当の意味での成功を手に入れることが容易になった。

4.不測の事態
不測の事態は会社を経営していた私たちにも時折降り掛かってきた。例えば、12年間経営している間に私たちは二度訴えられたことがあった。以前の私なら慌てふためき、損か得かという狭い視野でしか判断できなかったが、敬天愛人で物事を判断できるようになっていた私は、極めて冷静に対処することができた。

稲盛さんから教えてもらった「絶対にやってはいけない」たった1つのこと、「損得勘定で生きること」をやめたことで、私は、仕事が好転していっただけでなく、何事にも振り回されることのない鋼の自己肯定感を手に入れることができたのである。

宮崎直子

ライフコーチ
三重県生まれ。シリコンバレー郊外在住。津田塾大学英文学科卒業後、イリノイ大学で社会言語学や心理言語学を学んで修士号を取得。シリコンバレーでソフトウエア会社を起業、経営し大手コンピュータ会社に売却。稲盛和夫氏の盛和塾シリコンバレーに8年間塾生として所属し、広報を務める。アラン・コーエン氏のもとでコーチングを学び、ライフコーチに。自己肯定感を高める方法を講座、執筆、SNSを通して提供している。著書に『鋼の自己肯定感』(かんき出版)がある。宮崎直子公式サイト


※当記事は「PRESIDENT Online」からの転載記事です。元記事はこちら
presidentonline.jpg




今、あなたにオススメ
ニュース速報

ワールド

サウジ原油輸出、6月急増し1年超ぶり高水準 供給途

ワールド

ダライ・ラマ、「輪廻転生」制度を存続 後継選定で中

ワールド

豪小売売上高、5月は前月比0.2%増と低調 8日の

ビジネス

豪カンタス航空、600万人分の顧客データベースにサ
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:トランプvsイラン
特集:トランプvsイラン
2025年7月 8日号(7/ 1発売)

「平和主義者」のはずの大統領がなぜ? 核施設への電撃攻撃で中東と世界はこう変わる

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    ワニに襲われた男性の「最期の姿」...捜索隊が捉えた発見の瞬間とは
  • 2
    ワニに襲われ女性が死亡...カヌー転覆後に水中へ引きずり込まれる
  • 3
    仕事ができる人の話の聞き方。3位は「メモをとる」。2位は「身を乗り出す」。では、1位は?
  • 4
    ディズニー・クルーズラインで「子供が海に転落」...…
  • 5
    ワニに襲われた直後の「現場映像」に緊張走る...捜索…
  • 6
    突然ワニに襲われ、水中へ...男性が突いた「ワニの急…
  • 7
    砂浜で見かけても、絶対に触らないで! 覚えておくべ…
  • 8
    世紀の派手婚も、ベゾスにとっては普通の家庭がスニ…
  • 9
    燃え盛るロシアの「黒海艦隊」...ウクライナの攻撃で…
  • 10
    あり?なし? 夫の目の前で共演者と...スカーレット…
  • 1
    燃え盛るロシアの「黒海艦隊」...ウクライナの攻撃で大爆発「沈みゆく姿」を捉えた映像が話題に
  • 2
    「コーヒーを吹き出すかと...」ディズニーランドの朝食が「高額すぎる」とSNSで大炎上、その「衝撃の値段」とは?
  • 3
    イランを奇襲した米B2ステルス機の謎...搭乗した専門家が語る戦略爆撃機の「内側」と「実力」
  • 4
    ワニに襲われた男性の「最期の姿」...捜索隊が捉えた…
  • 5
    定年後に「やらなくていいこと」5選──お金・人間関係…
  • 6
    突然ワニに襲われ、水中へ...男性が突いた「ワニの急…
  • 7
    夜道を「ニワトリが歩いている?」近付いて撮影して…
  • 8
    仕事ができる人の話の聞き方。3位は「メモをとる」。…
  • 9
    サブリナ・カーペンター、扇情的な衣装で「男性に奉…
  • 10
    「小麦はもう利益を生まない」アメリカで農家が次々…
  • 1
    日本の「プラごみ」で揚げる豆腐が、重大な健康被害と環境汚染を引き起こしている
  • 2
    「コーヒーを吹き出すかと...」ディズニーランドの朝食が「高額すぎる」とSNSで大炎上、その「衝撃の値段」とは?
  • 3
    「あまりに愚か...」国立公園で注意を無視して「予測不能な大型動物」に近づく幼児連れ 「ショッキング」と映像が話題に
  • 4
    一瞬にして村全体が消えた...スイスのビルヒ氷河崩壊…
  • 5
    妊娠8カ月の女性を襲ったワニ...妊婦が消えた川辺の…
  • 6
    庭にクマ出没、固唾を呑んで見守る家主、そして次の…
  • 7
    10歳少女がサメに襲われ、手をほぼ食いちぎられる事…
  • 8
    JA・卸売業者が黒幕説は「完全な誤解」...進次郎の「…
  • 9
    「ママ...!」2カ月ぶりの再会に駆け寄る13歳ラブラ…
  • 10
    気温40℃、空港の「暑さ」も原因に?...元パイロット…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中