最新記事

学び直し

自分で成長を止めないで...「このまま終われるか!」から始まる生き直し戦略

2022年6月7日(火)16時42分
flier編集部

本書では、「幸せへの6つの力」として、自己受容を発端に、人格的成長、自律性、人生の目的、環境制御力、積極的な他者関係があると書きました。なかでも特に大切だと感じているのは「人格的成長」です。このままで終われるか!終わりたくない!と怒り、自分で限界さえ決めなければ、可能性は無限大に広がります。自分を信じろ!と、同世代にエールを送りたかった。

半径3メートルの人に愛をケチっていないか?

── 幸せへの6つの力は30代の私でも今から意識しなくてはと思える内容でした。いずれ50歳を迎える読者もふくめ、人生の目的とは何かと迷う方に対して、河合さんはどんなアドバイスをしますか。

人生の目的は何かと聞かれて、即答できる人は滅多にいません。なので、迷っている人には、まずは「大丈夫!」と伝えたいですね。

『夜と霧』で有名な精神科医フランクルは、こんな金言を残しています。「人生に何かを期待するのではなく、人生があなたに期待しているのだ」と。迷っているときって、会社や社会という大きな枠組みの中で、自分の役割が曖昧になっている時だと思うんですね。自分の存在意義が感じられないとか、働く意味や生きている意味がわからないとか。そういう時は、「会社の中の私」ではなく、「私を取り囲む半径3メートルの中の私」としての役割を考えてみてはどうでしょうか。

「幸福の方程式」をつきとめようとしたハーバード・メディカル・スクールの研究「グラント・スタディ」では、自分の生活世界の人々との関係性が幸せのカギを握っていることが明らかになっています。いい人間関係を築くには、愛をケチらないことです。周りの人に愛をケチらなければ、いつしか自分の道のやるべきこと、やりたいこと、進む道が見えてきます。

220603fl_kwk03.jpg

夜と霧
 著者:ヴィクトール・E・フランクル
 翻訳:池田香代子
 出版社:みすず書房
 要約を読む

特別なことをする必要はないのです。だって、誰しもが人を思いやる気持ちをもっているのですから。ただ、余裕がないと、つい意地悪なことをいったり不機嫌に振る舞ったりしてしまう。そんなときこそ、「愛をケチるな!」と自分に言ってください。おばあさんが道に迷っていたら、「お手伝いしましょうか?」と声をかければいい。近所の子供が新しい靴で走っていたら、「かっこいいね!」と声をかければいい。そういった小さな行動をルーティンにすると、不思議と「幸せへの力」が引き出されていくんです。

今、あなたにオススメ

関連ワード

ニュース速報

ビジネス

TDK、4-6月期は2.5%営業減益 幅持たせた通

ワールド

南ア、30%の米関税で数万人の雇用喪失の恐れ

ビジネス

日経平均は反落、東京エレク売られる 半導体関連に波

ワールド

韓国製造業PMI、7月48.0で6カ月連続50割れ
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:トランプ関税15%の衝撃
特集:トランプ関税15%の衝撃
2025年8月 5日号(7/29発売)

例外的に低い日本への税率は同盟国への配慮か、ディールの罠か

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    日本人の児童買春ツアーに外務省が異例の警告
  • 2
    ウォーキングだけでは「寝たきり」は防げない──自宅で簡単にできる3つのリハビリ法
  • 3
    いま玄関に「最悪の来訪者」が...ドアベルカメラから送られてきた「悪夢の光景」に女性戦慄 「這いずり回る姿に衝撃...」
  • 4
    12歳の娘の「初潮パーティー」を阻止した父親の投稿…
  • 5
    枕元に響く「不気味な咀嚼音...」飛び起きた女性が目…
  • 6
    【クイズ】1位は韓国...世界で2番目に「出生率が低い…
  • 7
    一帯に轟く爆発音...空を横切り、ロシア重要施設に突…
  • 8
    【クイズ】2010~20年にかけて、キリスト教徒が「多…
  • 9
    カムチャツカも東日本もスマトラ島沖も──史上最大級…
  • 10
    街中に濁流がなだれ込む...30人以上の死者を出した中…
  • 1
    ウォーキングだけでは「寝たきり」は防げない──自宅で簡単にできる3つのリハビリ法
  • 2
    幸せホルモン「セロトニン」があなたを変える──4つの習慣で脳が目覚める「セロ活」生活のすすめ
  • 3
    囚人はなぜ筋肉質なのか?...「シックスパック」は夜つくられる
  • 4
    いきなり目の前にヒグマが現れたら、何をすべき? 経…
  • 5
    航空機パイロットはなぜ乗員乗客を道連れに「無理心…
  • 6
    中国が強行する「人類史上最大」ダム建設...生態系や…
  • 7
    日本人の児童買春ツアーに外務省が異例の警告
  • 8
    いま玄関に「最悪の来訪者」が...ドアベルカメラから…
  • 9
    12歳の娘の「初潮パーティー」を阻止した父親の投稿…
  • 10
    枕元に響く「不気味な咀嚼音...」飛び起きた女性が目…
  • 1
    その首輪に書かれていた「8文字」に、誰もが言葉を失った
  • 2
    ウォーキングだけでは「寝たきり」は防げない──自宅で簡単にできる3つのリハビリ法
  • 3
    頭はどこへ...? 子グマを襲った「あまりの不運」が話題に
  • 4
    ディズニー・クルーズラインで「子供が海に転落」...…
  • 5
    幸せホルモン「セロトニン」があなたを変える──4つの…
  • 6
    囚人はなぜ筋肉質なのか?...「シックスパック」は夜…
  • 7
    「細身パンツ」はもう古い...メンズファッションは…
  • 8
    「ベンチプレス信者は損している」...プッシュアップ…
  • 9
    ロシアの労働人口減少問題は、「お手上げ状態」と人…
  • 10
    いきなり目の前にヒグマが現れたら、何をすべき? 経…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中