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「欲求」に支配された自分の人生を、取り戻すための「最強のファスティング術」

2022年3月10日(木)17時50分
ニューズウィーク日本版ウェブ編集部

パンやチーズ、チョコレートにビール、フライドポテト......そうした中毒性のきわめて高い食べ物は空腹を満たすというより、とめどない渇望感を呼び起こす。いっときは収まっても、容赦ない渇望は完全に消えることなく、気づけば食べ物なる「牢獄」の囚われの身となってしまうのだ。

デイヴが提唱するのは、人生の主導権を自分に取り戻すための、断食(ファスティング)である。あなたがもし食事にコントロールされているのなら、それは摂食障害だ。けれどもあなたが食事をコントロールしているなら、人生を思い通りに生きるすべのひとつになりうる。

ローマ皇帝にしてストア派の哲人でもあったマルクス・アウレリウスは、人々に多大な影響を与えた『自省録』に次のように記した。

「君が意のままにできるのは自分の心だ。外的なことではない。それに気づけば、強さを手に入れられる」

ファスティングはあなたにそうした力を奮い立たせて心の舵を取る方法を教えてくれる。タバコ、お酒、(人によっては多大な量のエネルギーを消費する)ポルノ、あるいはあなたが目的をもって断つと決めたものなど、何をやめるかにかかわらずだ。

自分なりのバイオハックを見つける

「何かを断つ」のは「すべてを断つ」ことではない。デイヴが教えるバイオハック、つまり自分をコントロールする感覚を大切にし、苦痛を避けるための方法はたくさんあるということだ。体がどう機能するか、いつ食べるべきかを知っていれば、ケーキを食べたっていい。

ファスティングの方法はひとつではない。だが10年以上定期的にファスティングを実践し、広範に及ぶリサーチと実験の結果、最良の方法は「断続的ファスティング」だという。基本は、何かを断つ期間と普段どおりの行動をとる期間を交互に繰り返すこと。

16時間ファスティング(1日のうち16時間は断食し、それ以外の8時間に食事をとるというサイクルを繰り返す)がいいとか、24時間ファスティングを勧めるものもあるが、成功したければステージを徐々に上げながら準備するのがいいだろう。細かい部分にこだわりすぎる必要はない。きついことにいきなり挑戦するより先に、体の代謝を柔軟にしておくのがベストな戦略だ。

それに、長期にわたり過度なファスティングを続けると、免疫系が最適な反応をするためのエネルギーが不足する可能性があるので要注意だ。

誰にでも効果的な方法として、朝起きたら1杯の「完全無欠コーヒー」を飲むことをすすめる。レシピは、ブラックコーヒーにグラスフェッドバター大さじ1杯、C8 MCTオイル小さじ1~2杯。血中のケトン濃度を上昇させてファスティング中の空腹感をハックする。それに加えて、十分な睡眠とトレーニング、呼吸のコントロールさえ行えばいい。

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