最新記事

経営

取引先から切られる?  SDGsが中小企業にとって重要になる理由

2021年9月9日(木)11時30分
矢萩大輔 ※経営ノウハウの泉より転載

もし、SDGsを意識しないと...?

SDGsを意識しないまま突き進んでいったらどうなるでしょうか。仮に数年は売上が好調でも、社会性が乏しいビジネスになってしまうかもしれません。

例えば対面のみの飲食店が、今の時代にそぐわず廃業してしまうケースは増えています。コロナ禍では、社会性がマッチせず事業を持続できない場合があります。

解決策の一つとしては、組織全体を通したオペレーションを考え、デリバリー販売手法を構築したり、工場のラインを変えたりすることが考えられます。SDGsにそって動いていく世の中の流れを見ながら、ビジネスの社会性がしっかり担保されているのかを確認することが、企業の経営とっても大事なポイントになっていくはずです。

SDGsは業務・雇用にも影響する

現在では、中高生や大学の授業の中でもSDGsを詳しく学んでいます。そのため、就職時にもSDGsの視点をもって企業を選ぶ人も多くなっています。そのような中で、労基法違反や健康経営を重要視しないような、社会性に乏しい企業は学生たちから就職先として選ばれなくなっているのです。

長時間の残業やパワハラがある会社なども、ブラック企業として公表されてしまう可能性があります。もし社員が過労死してしまえば、社会的制裁とともに、多額な損害賠償を背負うリスクもあるのです。

社会的な環境という点では、2021年から中小企業の"同一労働同一賃金"や、70歳雇用への努力義務が始まります。そういった雇用環境の変化も意識しておかないと、持続可能な経営が難しくなってくるのです。

やはり意識をしてSDGsの17の目標をチェックしていくのが大事だと思いますし、そこにビジネスのチャンスがあるのではないでしょうか。

【参考】
※SDGs17の目標 - 日本ユニセフ協会
※やるべきことがすぐわかる! SDGs実践入門 ~中小企業経営者&担当者が知っておくべき85の原則

2021.05.31

[執筆者]
矢萩大輔
(有)人事・労務 代表取締役
一般社団法人日本ES開発協会 会長
ES地域企業プロデューサー 社会保険労務士
一般社団法人グリーン経営者フォーラム 代表幹事
泉先生のSDGs講座 受講生 他


※当記事は「経営ノウハウの泉」の提供記事です

keieiknowhow_logo200.jpg




今、あなたにオススメ

関連ワード

ニュース速報

ワールド

トランプ政権、民主党主導4州提訴 気候変動関連法の

ワールド

石破首相、国益譲ってまで早期妥結望ます 関税協議で

ワールド

ウクライナ紛争の早期終結予想せず、当事国次第=米副

ワールド

マスク氏のミサイル防衛システムへの関与で調査要請=
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:英語で学ぶ 国際ニュース超入門
特集:英語で学ぶ 国際ニュース超入門
2025年5月 6日/2025年5月13日号(4/30発売)

「ゼロから分かる」各国・地域情勢の超解説と時事英語

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    日本の未婚男性の「不幸感」は他国と比べて特異的に高く、女性では反対に既婚の方が高い
  • 2
    マリフアナを合法化した末路とは? 「バラ色の未来が来るはずだったのに...」
  • 3
    タイタニック生存者が残した「不気味な手紙」...何が書かれていた?
  • 4
    ウクライナ戦争は終わらない──ロシアを動かす「100年…
  • 5
    日々、「幸せを実感する」生活は、実はこんなに簡単…
  • 6
    インド北部の「虐殺」が全面「核戦争」に発展するか…
  • 7
    MRI検査で体内に「有害金属」が残留する可能性【最新…
  • 8
    悲しみは時間薬だし、幸せは自分次第だから切り替え…
  • 9
    日本旅行が世界を魅了する本当の理由は「円安」では…
  • 10
    インドとパキスタンの戦力比と核使用の危険度
  • 1
    日本史上初めての中国人の大量移住が始まる
  • 2
    日本旅行が世界を魅了する本当の理由は「円安」ではない
  • 3
    MRI検査で体内に「有害金属」が残留する可能性【最新研究】
  • 4
    中国で「ネズミ人間」が増殖中...その驚きの正体とは…
  • 5
    ロシア国内エラブガの軍事工場にウクライナが「ドロ…
  • 6
    日本の未婚男性の「不幸感」は他国と比べて特異的に…
  • 7
    パニック発作の原因の多くは「ガス」だった...「ビタ…
  • 8
    マリフアナを合法化した末路とは? 「バラ色の未来…
  • 9
    使うほど脱炭素に貢献?...日建ハウジングシステムが…
  • 10
    私の「舌」を見た医師は、すぐ「癌」を疑った...「口…
  • 1
    【話題の写真】高速列車で前席のカップルが「最悪の行為」に及ぶ...インド人男性の撮影した「衝撃写真」にネット震撼【画像】
  • 2
    日本史上初めての中国人の大量移住が始まる
  • 3
    日本旅行が世界を魅了する本当の理由は「円安」ではない
  • 4
    健康寿命を伸ばすカギは「人体最大の器官」にあった.…
  • 5
    【心が疲れたとき】メンタルが一瞬で “最…
  • 6
    間食はなぜ「ナッツ一択」なのか?...がん・心疾患・抜…
  • 7
    北朝鮮兵の親たち、息子の「ロシア送り」を阻止する…
  • 8
    【クイズ】世界で最も「半導体の工場」が多い国どこ…
  • 9
    クレオパトラの墓をついに発見? 発掘調査を率いた…
  • 10
    中居正広は何をしたのか? 真相を知るためにできる…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中