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アフターコロナを見据えた働き方とオフィス戦略の在り方──短期的なコスト削減のためにオフィスを手放すな、GAFAの大規模な投資はこれからも続く

2021年6月15日(火)16時15分
百嶋 徹(ニッセイ基礎研究所)

インターネットや人工知能など仮想空間でのテクノロジーも上手に使いながら、コロナ禍で制限されていた実世界での創造的活動を取り戻すことこそが、コロナ後の在り方ではないだろうか。人間社会の本来の在り方である、リアルな場で共鳴・協働することを放棄すべきではない。

変えてはいけない原理原則

1|メインオフィスの重要性

イノベーション創出の起点や経営理念・企業文化の象徴と位置付けられるメインオフィスの機能は、テレワークでは代替できず、主として大都市圏に立地する「メインオフィスの重要性」は今後も変わらない。逆にメインオフィスで醸成される従業員間の信頼感は、テレワークの円滑な運用に欠かせない。

筆者がコロナ禍の中で昨年いち早く打ち出した「コロナ前後でオフィスの重要性は何ら変わらない」との主張を裏付けるように、オフィス戦略の先進事例である米アマゾン・ドット・コムと同グーグルが、コロナ禍の中で、あえて米国内でのオフィス増床を続行するとの力強い表明を揃って行った。

グーグルのCEO(最高経営責任者)サンダー・ピチャイ氏は、「社員間でコラボレーションしコミュニティを構築するために直接集まることは、グーグルの文化の中核であり、今後も我々の将来の重要な部分となるだろう。だから我々は、全米にわたってオフィスへの大規模な投資を引き続き行う」と述べている。同社では、社内にコミュニティを形成しイノベーションを創出するための場としてのオフィスの重要性が企業文化として根付いているため、コロナ禍の中でも必要不可欠な投資としてオフィスの大幅な拡張を躊躇なく続行できているのであり、ピチャイ氏のブレない考え方に筆者は強く共感する。

両社ともに、米国全土でオフィス増床を行う計画だが、広範なオフィス分散化により、BCPの強化や全米の多様なコミュニティでの雇用増・投資増を通じた地域活性化・地域貢献などを果そうとしているとみられる。シリコンバレーやシアトルでは、一極集中による集積の不経済が一部で現れ始める一方で、ニューヨークには、ハイテク企業が近年相次いで進出し、両社もオフィス拡張に積極的に動いていることから、世界有数のメガシティであるニューヨークでは、集積の経済(メリット)が依然として働いているとみられる。

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