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中国は新ビジネスのヒントの宝庫...中国人AI起業家が語る日本の「遅さ」、孫正義のすごさ

2021年5月26日(水)19時05分
flier編集部

── 本書では60の便利なアプリを「SNS・情報」「生活」「移動・旅行」「ビジネス」など9つのテーマに分け、ビジュアル付きで分かりやすく紹介されています。「中国版Googleマップ」など「中国版~」と銘打ったアプリも多数ありますが、特に日本で参考になりそうなアプリはありますか?

すべてですね。日本で広まったり、参考にされたりする可能性が高いものばかりです。そもそも60個の選定にあたっては、日本で受け入れられそうという点を判断基準として選びました。

特に社会問題とされている医療の分野や、不動産、自動車、行政サービス、子どもの教育などの分野は、まだまだ新しいアプリが開発される余地が大きいと感じています。

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Alex Wang

── どんな方に読んでほしいでしょうか?

一番は起業家の方々ですね。今はネットビジネスの時代なので、これから起業される方々にも役に立ててもらえると思います。

── 本書に「なぜ中国のアプリは多機能なのか」とのコラムがありました。日本のアプリもそうした多機能化が進むと思いますか。

そうですね。実際、LINEやPayPayはそういう方向性に進んでいると感じています。本書でご紹介したグルメや映画、美容院、デリバリーなど、多くのサービスをワンストップで利用できる「大衆点評」というアプリのように。

今後ますます広がるモバイル決済は、ユーザーがどのような商品を買ったか、どこへ出掛けたかといったデータが価値となって積み上がっていきます。そのデータに基づいてさまざまなサービスを提供するために、異業種間で提携するケースが増えていくでしょう。

兵法を実践

── 電子書籍サービスとして「掌閲」というアプリも紹介されていましたね。

「掌閲」は中国で最も有名な電子書籍アプリの1つです。中国では、中国企業によるアプリのほうが有名で、AmazonのKindleを使っている友人はあまり多くない印象です。中国人は面倒くさい作業を嫌うので、開発者はみな一番短いルートで希望のサービスに辿り着けるという点を意識していますね。ユーザーインターフェースを徹底的に良くしようと腐心しています。

書籍で言えば、今はそもそも紙ではなくてオンラインの電子のみという本も増えてきています。漫画も昔なら横にめくっていくというのが普通でしたが、現代はスマホで下から上にスクロールしながら読み進めるのが主流となりつつあります。

また、本1冊ではなく、1冊を細分化して、例えば1章分だけ売るといったビジネスも広がってきています。

── 王さんご自身の読書習慣をお教えください。

1日1、2時間ほど、読書やニュースに触れる時間を確保しています。テキストの読み上げサービスも駆使して、顔を洗ったり、シャワーを浴びたりしているときにも情報を頭に入れるようにしています。

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