最新記事

ビジネス

中国は新ビジネスのヒントの宝庫...中国人AI起業家が語る日本の「遅さ」、孫正義のすごさ

2021年5月26日(水)19時05分
flier編集部
華和結ホールディングスCEO王沁氏

『中国オンラインビジネスモデル図鑑』著者・王沁氏 Alex Wang

<IT大国・中国で人気のアプリから厳選した60種を紹介する『中国オンラインビジネスモデル図鑑』の筆者にインタビュー>

※この記事は、本の要約サービス「flier(フライヤー)」からの転載です。

新型コロナウイルス感染拡大を背景に、オンライン化の機運が一気に高まった日本。この潮流は日本に限らず世界各地で加速し、新しい時代を快適に過ごすためのサービスが次々と登場しています。今秋にデジタル庁発足を控え、日本のデジタル革命はこれからが本番です。

IT先進国と言えばアメリカで、中でもシリコンバレーが有名ですが、中国も「アジアのシリコンバレー」と呼ばれる深圳をはじめ各地でスタートアップが勃興し、IT大国として存在感を増しています。

日々量産される中国系アプリ。はやりすたりも激しい中、特に利便性の高い60のアプリを厳選したのが2021年3月に発売された『中国オンラインビジネスモデル図鑑』(かんき出版)です。

来日10年超のIT起業家の著者、王沁(おう しん)さんに本書に込めた思いや日本への期待を伺いました。

来日後に日本語習得、大学で起業

── 王さんはもともと中国の大学に通われていたそうですね。

はい、大学でITを学んでいましたが、一念発起して中退し、2010年に日本へ来ました。もともと日本の文化、コンテンツに魅力を感じていました。来日当初は日本語をほとんど読み書きできない状態でした。カタカナ数文字のお店の看板を読むのに30秒もかかったほどです。

来日後は日本語学校で言葉を学びながら、引っ越しのアルバイトをしていました。体を鍛えながら、勉強にもなってお金も稼げました。ただ、同時に大学の受験勉強をしていたので、目が回る忙しさでした。人生で一番大変な時期でしたね。

慶應義塾大学に合格し、商学部でビジネスを学びました。在学中に日本と中国の企業の橋渡しをする華和結(かわゆい)ホールディングスを立ち上げました。

── 卒業後はどうされたのですか。

2016年にリクルートに入社しました。中国など海外企業との交渉を担当し、新規事業の開発もするようになりました。同時に華和結ホールディングスの経営も続けており、2021年2月にはリクルートを退社し、社長業に専念するようになりました。

中国の人気アプリを網羅

── 『中国オンラインビジネスモデル図鑑』を書かれたきっかけをお教えください。

リクルートで中国関連の新規事業開発の部署にいたとき、同僚に「中国にこういったアプリはありますか?」とか「中国のこのアプリの使い方はどうですか?」とかよく聞かれていたんですね。そうした経験から中国のオンラインサービスに対する日本の関心の高さを実感しました。中国のアプリをまとめた本があれば便利だしニーズがあるだろうと感じ、出版を思いつきました。

私はいいなと思ったらすぐに実行に移すタイプなのですが、実際書き始めたら大変なことも多かったです(笑)。本当は中国の開発者のインタビューも入れようとしていたのですが、コロナ禍でなかなか難しい状況でした。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ワールド

ウクライナ議会、8日に鉱物資源協定批准の採決と議員

ビジネス

仏ラクタリスのフォンテラ資産買収計画、豪州が非公式

ワールド

ドイツ情報機関、極右政党AfDを「過激派」に指定

ビジネス

ユーロ圏インフレ率、4月は横ばい サービス上昇でコ
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:英語で学ぶ 国際ニュース超入門
特集:英語で学ぶ 国際ニュース超入門
2025年5月 6日/2025年5月13日号(4/30発売)

「ゼロから分かる」各国・地域情勢の超解説と時事英語

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    日本の未婚男性の「不幸感」は他国と比べて特異的に高く、女性では反対に既婚の方が高い
  • 2
    マリフアナを合法化した末路とは? 「バラ色の未来が来るはずだったのに...」
  • 3
    タイタニック生存者が残した「不気味な手紙」...何が書かれていた?
  • 4
    インドとパキスタンの戦力比と核使用の危険度
  • 5
    日々、「幸せを実感する」生活は、実はこんなに簡単…
  • 6
    インド北部の「虐殺」が全面「核戦争」に発展するか…
  • 7
    ウクライナ戦争は終わらない──ロシアを動かす「100年…
  • 8
    目を「飛ばす特技」でギネス世界記録に...ウルグアイ…
  • 9
    MRI検査で体内に「有害金属」が残留する可能性【最新…
  • 10
    悲しみは時間薬だし、幸せは自分次第だから切り替え…
  • 1
    日本史上初めての中国人の大量移住が始まる
  • 2
    日本旅行が世界を魅了する本当の理由は「円安」ではない
  • 3
    MRI検査で体内に「有害金属」が残留する可能性【最新研究】
  • 4
    中国で「ネズミ人間」が増殖中...その驚きの正体とは…
  • 5
    ロシア国内エラブガの軍事工場にウクライナが「ドロ…
  • 6
    日本の未婚男性の「不幸感」は他国と比べて特異的に…
  • 7
    マリフアナを合法化した末路とは? 「バラ色の未来…
  • 8
    タイタニック生存者が残した「不気味な手紙」...何が…
  • 9
    パニック発作の原因の多くは「ガス」だった...「ビタ…
  • 10
    使うほど脱炭素に貢献?...日建ハウジングシステムが…
  • 1
    【話題の写真】高速列車で前席のカップルが「最悪の行為」に及ぶ...インド人男性の撮影した「衝撃写真」にネット震撼【画像】
  • 2
    日本史上初めての中国人の大量移住が始まる
  • 3
    日本旅行が世界を魅了する本当の理由は「円安」ではない
  • 4
    健康寿命を伸ばすカギは「人体最大の器官」にあった.…
  • 5
    【心が疲れたとき】メンタルが一瞬で “最…
  • 6
    間食はなぜ「ナッツ一択」なのか?...がん・心疾患・抜…
  • 7
    北朝鮮兵の親たち、息子の「ロシア送り」を阻止する…
  • 8
    【クイズ】世界で最も「半導体の工場」が多い国どこ…
  • 9
    クレオパトラの墓をついに発見? 発掘調査を率いた…
  • 10
    中居正広は何をしたのか? 真相を知るためにできる…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中