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IMF、新興・途上国の26年成長率予想引き下げ 中東紛争で先行き不透明

2026年04月14日(火)22時11分

国際通貨基金(IMF)本部で2018年撮影 REUTERS/Yuri Gripas/File Photo

Rodrigo Campos

[ニュ‌ーヨーク 14日 ロイター] - 国際通貨基金(IMF)‌は14日、新興・途上国の2026年の成長率を3.9%と見込み、1月時点の予想4.2%を下​方修正した。エネルギーと食料価格の高騰、中東戦争による不確実性が、脆弱性⁠の高い資源輸入国に最も大​きな打撃を与える。

予想の引き下げ幅は先進国よりも大きく、途上国の多くが依然として原油価格の変動、通貨安、投資家心理の悪化に脆弱であることを示している。IMFは、戦争の影響は国によって大きく異なり、紛争地域との⁠地理的な近さ、貿易や金融のつながり、送金への依存度、エネルギー依存度によっても左右されるとの見方を示した。

世⁠界経済見​通しの最新版で「中東における現在の紛争は、インフレ抑制と経済成長の維持、生活費上昇の影響を受ける人々への支援と財政バッファーの再構築という、政策上のトレードオフを突きつけている」と指摘した。

IMFによると、最もリスクが高いのは、もともと脆弱性を抱える一次産品輸入型の新興国であり、輸入⁠コストの増加、通貨安、資本流入の減少がインフ‌レを助長し、資金調達のストレスを激化させる可能性がある。

予想は、紛争⁠が限定的⁠かつ比較的短期間で収束し、26年半ばまでに混乱が緩和し始めるという、楽観的なシナリオに基づいている。IMFは、戦争が拡大したり、原油・ガス価格が長期にわたって高止まりしたりすれば、新興国への打撃はさらに深刻化するとみている。

経済‌成長は地域間格差が大きい。アジアの新興・途上国は、主​要な途上‌国の中で依然として最⁠も速い成長率を示すと予想​されているが、その成長率は25年の5.5%から26年には4.9%に減速し、27年にはさらに4.8%に低下する見通し。

中国の26年の成長率予想は4.4%と、1月の見通しより0.1%ポイント下方修正された。一方、インドは例外で、26年の成長率予想は0.1%ポイント上方修正され6.5%となった。

最大の経済的影響は紛争地域に近い国々に集中する。IMFは、中東‌・中央アジアの26年の成長率予想を2.0%ポイント引き下げて1.9%とした。基本シナリオでは27年に4.6%に回復すると見込んだ。より狭い範囲の中東​・北アフリカ地域では、26年の成長率予想は2.8%ポ⁠イントとさらに大きく引き下げられ、1.1%となった。

サウジアラビアの26年の成長率予想は1.4%ポイント下方修正され、3.1%となった。イランの26年の成長率予想は1月時点の見通しから7.2%ポイント引き​下げられ、マイナス6.1%となった。

サブサハラ・アフリカの成長率は、25年の4.5%から26年には4.3%へと緩やかに減速すると予想した。

中南米・カリブ海地域の26年の成長率予想は0.1%ポイント上方修正され、2.3%となった。ブラジルなどの石油輸出国が全体を下支えすると見込んだ。

ロイター
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