最新記事

環境

トヨタ、ガソリン・ディーゼル車販売を50年にほぼゼロへ

走行時のCO2排出量を90%削減という目標を設定

2015年10月15日(木)10時36分

10月14日、トヨタ自動車は2020年までにハイブリッド車で年150万台の販売を目指すと発表した。都内で昨年3月撮影(2015年 ロイター/Toru Hanai)

 トヨタ自動車<7203.T>は14日、中長期な環境への取り組みを発表した。地球温暖化につながるCO2(二酸化炭素)削減のため、2050年にはディーゼルやガソリンといったエンジン車の新車販売をほぼゼロにする方針を明らかにした。

 一方、走行時に水しか出さず、究極の環境対応車と位置づける燃料電池車(FCV)は20年以降に年3万台以上の販売を目指す。

 同社は50年時点での車種別の新車販売比率のイメージ図を公表。具体的な数字での比率は示さなかったが、新車販売のほとんどがFCVをはじめ、ハイブリッド車(HV)、プラグインハイブリッド車(PHV)、電気自動車(EV)といった車両にし、エンジン車は限りなくゼロに設定した。

 都内で会見した伊勢清貴専務役員は「地域によっては電気が使えないなどインフラ上の制約もあるため、少しは残る」としながらも、エンジン車は「なかなか生き残れない」と説明。自動車業界にとって「天変地異に等しい」とし、トヨタも対応していかなければならないとの考えを示した。

 FCVの世界販売は、普及に向けた「熱を冷ましたくない」(伊勢専務)として、20年以降に年3万台以上とする目標を掲げた。日本では年1万数千台の販売を目指す。昨年末に発売した市販車「ミライ」は日本で約350台を販売したが、受注に生産が追いつかず、現在も納期まで3年以上かかる状態だ。欧米でも今秋から販売を開始。年生産規模は15年末までは約700台、16年は約2000台、17年には約3000台に拡大する計画。

 HVの世界販売は、20年までに年150万台と14年の約126万台から2割近く増やし、累計で現在の800万台超から1500万台に引き上げる方針を示した。伊勢専務はHV販売拡大のため、引き続き燃費改善やコストの引き下げ、低価格化を進めるとした。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ワールド

トランプ氏の訪ロ招待「検討中」、現時点で準備ない=

ビジネス

FRBの金融政策「適切」、労働市場巡るリスクを警告

ビジネス

FRBの独立性に対する脅威は「非常に深刻」=英中銀

ビジネス

英財務相、11月26日に年次予算発表 財政を「厳し
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:豪ワーホリ残酷物語
特集:豪ワーホリ残酷物語
2025年9月 9日号(9/ 2発売)

円安の日本から「出稼ぎ」に行く時代──オーストラリアで搾取される若者たちの実態は

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    「怖すぎる」「速く走って!」夜中に一人ランニングをする女性、異変を感じ、背後に「見えたモノ」にSNS震撼
  • 2
    「見せびらかし...」ベッカム長男夫妻、家族とのヨットバカンスに不参加も「価格5倍」の豪華ヨットで2日後同じ寄港地に
  • 3
    50歳を過ぎても運動を続けるためには?...「動ける体」をつくる4つの食事ポイント
  • 4
    Z世代の幸福度は、実はとても低い...国際研究が彼ら…
  • 5
    【動画あり】9月初旬に複数の小惑星が地球に接近...…
  • 6
    「よく眠る人が長生き」は本当なのか?...「睡眠障害…
  • 7
    1日「5分」の習慣が「10年」先のあなたを守る――「動…
  • 8
    【クイズ】世界で2番目に「農産物の輸出額」が多い「…
  • 9
    上から下まで何も隠さず、全身「横から丸見え」...シ…
  • 10
    信じられない...「洗濯物を干しておいて」夫に頼んだ…
  • 1
    東北で大腸がんが多いのはなぜか――秋田県で死亡率が下がった「意外な理由」
  • 2
    1日「5分」の習慣が「10年」先のあなたを守る――「動ける体」をつくる、エキセントリック運動【note限定公開記事】
  • 3
    50歳を過ぎても運動を続けるためには?...「動ける体」をつくる4つの食事ポイント
  • 4
    25年以内に「がん」を上回る死因に...「スーパーバグ…
  • 5
    豊かさに溺れ、非生産的で野心のない国へ...「世界が…
  • 6
    信じられない...「洗濯物を干しておいて」夫に頼んだ…
  • 7
    「怖すぎる」「速く走って!」夜中に一人ランニング…
  • 8
    日本の「プラごみ」で揚げる豆腐が、重大な健康被害…
  • 9
    首を制する者が、筋トレを制す...見た目もパフォーマ…
  • 10
    上から下まで何も隠さず、全身「横から丸見え」...シ…
  • 1
    「自律神経を強化し、脂肪燃焼を促進する」子供も大人も大好きな5つの食べ物
  • 2
    こんな症状が出たら「メンタル赤信号」...心療内科医が伝授、「働くための」心とカラダの守り方とは?
  • 3
    デカすぎ...母親の骨盤を砕いて生まれてきた「超巨大ベビー」の姿にSNS震撼「ほぼ幼児では?」
  • 4
    デンマークの動物園、飼えなくなったペットの寄付を…
  • 5
    「まさかの真犯人」にネット爆笑...大家から再三「果…
  • 6
    信じられない...「洗濯物を干しておいて」夫に頼んだ…
  • 7
    山道で鉢合わせ、超至近距離に3頭...ハイイログマの…
  • 8
    「レプトスピラ症」が大規模流行中...ヒトやペットに…
  • 9
    「あなた誰?」保育園から帰ってきた3歳の娘が「別人…
  • 10
    将来ADHDを発症する「幼少期の兆候」が明らかに?...…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中