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ガソリン時代に取り残される米科学技術

2009年11月12日(木)15時14分
ダニエル・ライオンズ(テクノロジー担当)

進歩への恐怖と疑念をあおる戦術

 マーカウスキは法案の支持者を増やすために、恐怖と疑念をあおってライバルの足を引っ張る戦術を使っている。かつてIBMが、より安価で高性能なコンピューターを製造する新興企業に対して使った戦術だ。「新しい技術のほうがいいかもしれないが、問題発生のリスクは高い。新製品を導入するのは何かと面倒だ。冒険はやめて、現行体制でいこう」

 マーカウスキとその賛同者たちは、エネルギー技術に関する論争にこの戦術を用いているのだ。

 だがアメリカがもたついている間に、諸外国は猛スピードで技術を進歩させている。太陽エネルギーでトップを走るのは日本やドイツ、中国。風力エネルギーではドイツやスペイン、デンマーク。原子力ではフランスが先頭を行く。

 オバマ政権はエネルギー研究への支出を増やした。だが全米科学アカデミーのラルフ・シセローネ会長は、外国の技術水準に追い付くには「これまでにない持続的な取り組み」が必要だと言う。

 アメリカにそれだけの気概があるとは思えない。50年にわたって繁栄を享受してきた私たちは変化を恐れ、長期的な利益のために短期的な犠牲を払うことに消極的だ。

 代替エネルギーは、グーグルやマイクロソフトのような先端企業を生み出す巨大市場になるはずだ。未来の巨大テクノロジー企業はアメリカから生まれるだろうか。そうなることを望むなら、科学者の足を引っ張るようなまねは絶対にしないほうがいい。

[2009年10月21日号掲載]

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