コラム

アメリカから言論の自由が消える...トランプ「思想狩り」の最中に米名門大教授3人が国外に移籍

2025年04月03日(木)15時00分

だがスナイダーは、2017年のベストセラー『暴政(On Tyranny)』(邦訳・慶應義塾大学出版会)から一貫して説いてきた助言を自ら破り、アメリカから逃亡した(本人は個人的な理由による移籍であり、子供たちのことが決定打になったと語っている)。莫大な印税収入と講演料を稼ぐスーパースター研究者でも、アメリカに残ってトランプの政策に反対できないのであれば、その他の学者は言わずもがなだ。

今のアメリカで最もホットなコメディー界の新スターの1人ニッキー・グレイザーも、トランプ派の攻撃や政権による拘束が怖いのでトランプがらみのジョークを完全に避けようと本気で考えていると告白した。権威を笑い飛ばすリスキーなジョークでキャリアを築いてきた彼女が、である。


否定と風刺を生業とするグレイザーが恐怖と共に生きているのだとしたら、現在のような敵対的環境に慣れていない政治オタクの私はどうなるのだろうか。

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プロフィール

サム・ポトリッキオ

Sam Potolicchio ジョージタウン大学教授(グローバル教育ディレクター)、ロシア国家経済・公共政策大統領アカデミー特別教授、プリンストン・レビュー誌が選ぶ「アメリカ最高の教授」の1人

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例外的に低い日本への税率は同盟国への配慮か、ディールの罠か

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