- HOME
- コラム
- Surviving The Trump Era
- 火花を散らすアメリカとイランの対立、因縁の歴史をお…
火花を散らすアメリカとイランの対立、因縁の歴史をおさらいしよう
革命の結果イスラム共和国となったイランは、同様の革命をアラブ諸国に輸出しようとしたほか、アメリカの同盟諸国やそれらの近隣諸国に対するテロに資金を援助するようになった。
80年代に入ると、アメリカはイラン・イラク戦争でイラク側についた。その後、レバノン、イラク、シリアなど米外交が機能していない中東諸国で影響力を増したイランは、この地域における反米勢力の代表格としてシーア派民兵組織のネットワークを強化し、アメリカの意図をくじこうとしている。例えばイランが後押しするイエメンがアメリカの同盟国であるサウジアラビアと代理戦争を繰り広げたりと、中東でイランとアメリカの対立に無関係な国はほとんどないと言っていい。
現在、核合意に対して支持か不支持を示せるアメリカ人が合計42%いるとしても、ここで述べたような歴史の基本を理解している人は1%にも満たないだろう。トランプでさえ、その点は怪しいものだ。
<本誌2018年8月7日号掲載>
【お知らせ】ニューズウィーク日本版メルマガのご登録を!
気になる北朝鮮問題の動向から英国ロイヤルファミリーの話題まで、世界の動きを
ウイークデーの朝にお届けします。
ご登録(無料)はこちらから=>>
この筆者のコラム
「最も健全な民主主義国」日本は米の「4倍増」要求を自立の好機にせよ 2019.11.25
弾劾で追い込まれたトランプが再選を投げ出す? 2019.10.29
不確実性に包まれた今の時代こそ、村上春樹がノーベル文学賞にふさわしい 2019.10.15
マララと真逆のグレタ・トゥーンベリが、人々の心をつかめる理由 2019.09.30
MITメディアラボ所長「ジョイ」辞任で露呈した競争社会アメリカの暗部 2019.09.18
29歳天才クオーターバックの早過ぎる引退から学べること 2019.09.04