コラム

少年のように、時には素人っぽく――戦争写真家が撮る日常

2016年10月12日(水)16時12分

An abandoned boat on nearly dried Urmia Salt #Lake which is the second biggest salt lake in the world. The lake has become dried because of the incorrect policies in construction of more than 100 dams around and 15km highway across it. In the case of continuing the trend of dryness of the lake, many toxic substances will polluted the air which will bring serious respiratory diseases for the people in the region كشتي بجا مانده بر روي درياچه اروميه تقريبا خشك شده. درياچه اروميه دومین دریاچهٔ بزرگ آبشور دنیا میباشد. درياچه در اثر سياستهاي غلط در ساختن بيشتر از ١٠٠ سد اطراف ان و كشيدن ١٥ كيلومتر بزرگراه روي آن در حال خشك شدن است. در صورت خشک شدن دریاچه بسیاری از از مواد سمی هوازی شده و خطرات بیماریهای تنفسی برای زیستبوم و مردم منطقه بوجود خواهد آورد.

Majid Saeediさん(@majidsaeedi)が投稿した写真 -

イランのウルミア湖

 同時に、破壊された建物や手足を失った子供たちなどの写真要素や構図は、緻密に計算されている。それが織り重なり、一見、微笑ましい風景であるがゆえに、戦争の本質的な何か、あるいはその空気から逃げることのできない抑圧感が漂ってくるのである。

 これは、彼が16歳という早い時期に写真を始め、18歳のときにはすでに――彼自身によれば偶然らしいが――イラン・イラク国境沿いで難民を撮り始めていたためかもしれない。その後は、イランのさまざまなニュース・エージェンシーでキャリアを積み、15年以上も紛争地帯を取材してきた。当初から戦争写真家にあこがれ、そうした人生を送りたかったという。実際、生と死が隣り合わせである紛争地での経験は人生でもっとも貴重なものの1つになっている、とサイーディは言う。

【参考記事】難民キャンプで生まれ育ち、写真家になった男

 だが、今は最前線には興味がない。それよりも数歩下がって、一般人の日常や、多くの人に影響を与える問題を探っていきたい、と彼は言う。インスタグラムで発信しているが、イランのウルミア湖では地球温暖化と近辺に100カ所以上設置されたダムの影響で消滅化と汚染被害が出始めており、そうした環境問題もその1つだ。彼が得意とし、より好む白黒写真だけでなく、カラーでも撮られている。

 とはいえ、紛争地から興味が失せたわけではない。紛争地の日常と民間人の生活はむしろ、今後も彼の主な被写体であり続けるだろう。「次のプロジェクトは?」という問いには「現在は、シリアと北朝鮮のビザ待ち」という答えが返ってきた。

今回ご紹介したInstagramフォトグラファー:
Majid Saeedi @majidsaeedi

Horseman make his horse ready for a show #tehran

Majid Saeediさん(@majidsaeedi)が投稿した写真 -

テヘラン

プロフィール

Q.サカマキ

写真家/ジャーナリスト。
1986年よりニューヨーク在住。80年代は主にアメリカの社会問題を、90年代前半からは精力的に世界各地の紛争地を取材。作品はタイム誌、ニューズウィーク誌を含む各国のメディアやアートギャラリー、美術館で発表され、世界報道写真賞や米海外特派員クラブ「オリヴィエール・リボット賞」など多数の国際的な賞を受賞。コロンビア大学院国際関係学修士修了。写真集に『戦争——WAR DNA』(小学館)、"Tompkins Square Park"(powerHouse Books)など。フォトエージェンシー、リダックス所属。
インスタグラムは@qsakamaki(フォロワー数約9万人)
http://www.qsakamaki.com

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ワールド

高市首相「首脳外交の基礎固めになった」、外交日程終

ワールド

アングル:米政界の私的チャット流出、トランプ氏の言

ワールド

再送-カナダはヘビー級国家、オンタリオ州首相 ブル

ワールド

北朝鮮、非核化は「夢物語」と反発 中韓首脳会談控え
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:高市早苗研究
特集:高市早苗研究
2025年11月 4日/2025年11月11日号(10/28発売)

課題だらけの日本の政治・経済・外交を初の女性首相はこう変える

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    【クイズ】本州で唯一「クマが生息していない県」はどこ?
  • 2
    【クイズ】クマ被害が相次ぐが...「熊害」の正しい読み方は?
  • 3
    だまされやすい詐欺メールTOP3を専門家が解説
  • 4
    【クイズ】ヒグマの生息数が「世界で最も多い国」は…
  • 5
    9歳女児が行方不明...失踪直前、防犯カメラに映った…
  • 6
    【クイズ】1位は「蚊」...世界で「2番目に」人間を殺…
  • 7
    【クイズ】12名が死亡...世界で「最も死者数が多い」…
  • 8
    筋肉はなぜ「伸ばしながら鍛える」のか?...「関節ト…
  • 9
    虹に「極限まで近づく」とどう見える?...小型機パイ…
  • 10
    【ウクライナ】要衝ポクロウシクの攻防戦が最終局面…
  • 1
    【クイズ】本州で唯一「クマが生息していない県」はどこ?
  • 2
    英国で「パブ離れ」が深刻化、閉店ペースが加速...苦肉の策は「日本では当たり前」の方式だった
  • 3
    【クイズ】クマ被害が相次ぐが...「熊害」の正しい読み方は?
  • 4
    【クイズ】ヒグマの生息数が「世界で最も多い国」は…
  • 5
    【話題の写真】自宅の天井に突如現れた「奇妙な塊」…
  • 6
    【ウクライナ】要衝ポクロウシクの攻防戦が最終局面…
  • 7
    女性の後を毎晩つけてくるストーカー...1週間後、雨…
  • 8
    【クイズ】1位は「蚊」...世界で「2番目に」人間を殺…
  • 9
    中国レアアース輸出規制強化...代替調達先に浮上した…
  • 10
    熊本、東京、千葉...で相次ぐ懸念 「土地の買収=水…
  • 1
    【クイズ】本州で唯一「クマが生息していない県」はどこ?
  • 2
    英国で「パブ離れ」が深刻化、閉店ペースが加速...苦肉の策は「日本では当たり前」の方式だった
  • 3
    【クイズ】ヒグマの生息数が「世界で最も多い国」はどこ?
  • 4
    かばんの中身を見れば一発でわかる!「認知症になり…
  • 5
    1000人以上の女性と関係...英アンドルー王子、「称号…
  • 6
    増加する「子どもを外注」する親たち...ネオ・ネグレ…
  • 7
    悲しみで8年間「羽をむしり続けた」オウム...新たな…
  • 8
    【クイズ】日本でツキノワグマの出没件数が「最も多…
  • 9
    お腹の脂肪を減らす「8つのヒント」とは?...食事以…
  • 10
    【クイズ】クマ被害が相次ぐが...「熊害」の正しい読…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story