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日本の新政権が向き合うべき、安全保障の「ねじれ」というアキレス腱
総裁選出馬へ最初に名乗りを上げたのは茂木敏光前幹事長(9月10日) Kazuki Oishi/Sipa USA/REUTERS
<保守・リベラルがともに抱える安全保障観のねじれは、今後の米政権によっては同盟関係の不安定要因になりかねない>
自民党の総裁選が進行中です。今回は単に自公政権がポスト石破を選ぶというだけでなく、もしかしたら野党から連立への新たな参加や、連立の組み替えを伴うかもしれません。仮の話ですが、そのような変化が起きるのであれば、今こそ、日本の安全保障における根本的な弱点、いわばアキレス腱について議論するタイミングだと思います。
まず、大きく分けて日本の安全保障論議には、一本の対立軸があります。前世紀的な言い方であれば「保守と革新」、現在の言い方であれば「保守とリベラル」ですが、その対立軸のあり方は変わっていません。
まず、保守の側ですが、実際の行動としては日米同盟を維持し強化するように動いています。安倍政権は安保法制を整備し、集団的自衛権の行使へと事実上の解釈改憲を行いました。更に岸田政権は防衛費の大幅拡大に進み、石破政権は関税協定に巨額投資を絡ませる譲歩を行いましたが、これも同盟を維持しようとの必死の思いを込めた行動です。
ところが、その保守の側は理念としては、アメリカとの戦後和平に従順ではありません。占領期に成立した憲法の改正を党是として掲げるだけでなく、党内保守派は戦犯合祀後も、靖国神社に政治的立場の表明として参拝しています。これでは、東京裁判による「和平の手打ち」と、サンフランシスコ講和の精神に挑戦していると言われても弁解が難しいと思います。
リベラルは平和思想を掲げているが......
一方で、リベラルとされる側は、占領期にアメリカとの共同作業として成立した憲法を重視し、その改正に反対している一方で、アメリカとの軍事同盟の強化を、むしろ危険を増大させるものだとして反対しています。このグループの在日米軍への態度は冷たく、時には居丈高でもあります。
さらに言えば、彼らは、理念的に高邁な平和思想を掲げ、国内的には弱者の人権や言論の自由を徹底するリベラルな社会を求めているわけです。ですが、その反面、巨大すぎて統制的な国家経営をせざるを得ない国や、こともあろうに隣国に軍事侵攻して非戦闘民の殺害を厭わない国の体制を、むしろ支持するような勢力もリベラルの中にはあります。
では、どうして右も左もこのように「ねじれ」を抱えた態度や思想を長い年月掲げてきたのか、そして許されてきたのかというと、全体的には日米安保体制という「ビンの蓋」が機能していたからです。アメリカの提供していた「ビンの蓋」というのは、ある意味で極めて寛容でした。
例えば、日本の「保守」が東京裁判を否定しても、それはあくまで「人畜無害な国内論争専用の議論」だという理解がされていました。日本の「リベラル」があらゆる軍事的なものを否定して米軍の犠牲や努力を罵っても、それもまた「歴史的な経緯からくる国内論争専用の素朴な感想」だとして受け止めていたのでした。
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