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解雇規制緩和はジョブ型雇用とセットでなくては機能しない
2つ目には、単に仕事を標準化するだけではなく、人材が現場の実践に使える実務スキルだけでなく、その目的と手段、そして技術革新の流れと現在位置など、もっと大所高所からの理解が必要です。批判的な観点も含めてです。その上で、自分の過去職の経験を次の環境で、あるいは技術革新や国際化がさらに進んだ次の時代でも「応用できる」ような人材を育てるし、自分も目指すという社会的なクセをつけるのです。
職業教育における原理原則と経験則のダブル化とでも言ったらいいのかもしれませんが、これは公教育から始めるべきです。高校や大学のレベルでもっと高度な職業教育を行い、その専門知識、つまり専攻分野が確定した後に学ぶ専門科目が、そのまま高度なスキルとして労働市場で評価されるようにするのです。
大学では職業教育を強化せよというと、教養教育を無視するなとか、大学は新自由主義を批判する場だなどという反論が返ってきそうです。ですが、このように専門スキルを大学で身につけておけば、「スキルが人についた」形で、胸を張って個々の若者が労働市場での価値をアピールできるし、日本経済の全体が世界の周回遅れからカムバックできることにもなります。
「ジョブ型雇用」なしに解雇規制を緩和すると......
この2点、つまり標準化と高度なスキル教育を実現するというのは、言い換えれば本物の「ジョブ型雇用」を行うということです。
強く念押ししておきますが「ジョブ型雇用」とは、消費者視点の延長で職種に固執する新入社員を甘やかすことでもないし、経理一筋20年のベテランを自動的に専門家として評価することでもありません。
企業や官庁の業務を横串を刺すように標準化すること、その標準化されたスキルに高度な観点を加えた専門教育を社会全体で行っていくこと、こうした取り組みがされて初めて「ジョブ型雇用」は機能します。反対に、この「ジョブ型雇用」が成立していない中で解雇規制を緩和してしまえば、働く人々はどのように自分のキャリアを築いたら良いのか分からず、社会全体が混乱し、経済は更に低迷することにもなりかねません。
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