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どうもスッキリしない、河井前法相夫妻の選挙違反疑惑
この2つの疑惑を重ねてみると、一つのストーリーが浮かびます。それは、河井氏夫妻は、広島の自民党県連の中でライバルと争っていた、そのために県連の支持を得るのにカネをバラまく必要があったし、また運動員の確保を妨害されたり、過大な報酬支払いを密告されたという可能性です。
そこで該当の選挙を振り返ってみると、その特異性は明らかです。昨年2019年7月の参院選・広島選挙区(定数2)では、地元の中国新聞の報道によれば党本部が県連の頭越しに2人擁立を決め、党を二分する戦いになっていたというのです。つまり保守同士の「票の食い合い」が発生していました。その結果、河井氏が当選し、6選に挑んだ現職の溝手顕正氏は落選しています。ちなみに、河井氏は菅官房長官に近く、溝手氏は宏池会の岸田文雄氏の側近だそうです。
そう考えると、河井夫妻が簡単に「観念する」わけにはいかずに、雲隠れしたり居直ったりしているというのも、ある程度は理解が出来ます。さらに言えば、政治的な力比べの世界では、河井夫妻が「負けを認める」ことは、菅官房長官などの勢力が「ポスト安倍」争いで敗北することとなり、それは「できない」のかもしれません。
時間を稼いでいるのには具体的な理由もありそうです。まず、衆院議員の夫が辞任した場合、衆院の「補選」になるかどうかが解散のタイミングに関係してきます。妻の方の参院では、ライバルの溝手氏が「繰り上げ」にならないように引っ張り、選挙後の3カ月をクリアして「繰り上げ」が消滅した現在は、補選が統一地方選とのダブルにならないように「3月15日」以降まで辞任を引っ張る必要がある、そんな見方もできます。
一番スッキリしないのは、事件の背後にある政争があまり報じられぬまま、ズルズルと時間が流れていることだと思います。
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